『岸和田競輪場開設58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
配信日:5月26日
岸和田競輪開設58周年記念「岸和田キング争覇戦」は今日で三日目を迎えた。今日は決勝戦への生き残りをかけた準決勝4個レースがメイン。1着権利の準決勝Cを石毛克幸が制すと、B、Cは佐藤友和、紫原政文、岡部芳幸が勝利し、明日のファイナリスト9名が決定した。明日は決勝戦、いよいよ「岸和田キング」が決まる。
三日目に引き続きゲストに吉岡稔真氏を招いてのトークショーや様々なイベントも予定されています。明日も岸和田競輪場へご来場ください。
<8R>
石毛克幸選手
注目の準決勝は8レースのCから。1着権利の狭き門を突破したのは
石毛克幸(写真)
。打鐘から矢口啓一郎との壮絶な主導権争いの結果、矢口の番手に入ると直線鋭く抜け出した。
「突っ張られるとは思わなくてちょっと焦ったし、打鐘で1着権利だってことを半分忘れてました(笑)。一度番手に入った矢口君がもう一回来て、吉永(和生)君が入れてくれたけど、入った時点でもう一杯。抜けないなと思ってました。俺にはないしつこさが出ましたね。記念の決勝は去年の西武園以来です」
2着入線の
吉永和生
だったが打鐘の4コーナーで十文字貴信を押し込んだ行為で失格。「仕方がないですね」と肩を落とす。勝負どころで吉永後位をキープした
服部竜二
が代わって2着に繰り上がる。
「ギアを掛けてたし、吉永君が内に行ったから外を踏めば良かった。2センターでギアを掛けてるのを忘れてしまいましたよ。矢口君があれだけ行ってくれたのにもったいない。今度は外を踏めるように練習してきます」
最終的に主導権を奪った
矢口啓一郎
は3着に粘る大健闘を見せた。
「今回はずっとどうしようもないレースばかりだったし、(昨日の繰り上がりで)今日は走れないはずのところを走れた。欲をかいて1着を狙うよりも、次の大きいレース(高松宮記念杯)につながる走りをしたかった。先輩にも怒られたし、気合が入りました。本当は1着じゃないとダメなんだけど、今日の走りはとりあえずOKです」
<9R>
佐藤友和選手
志智俊夫選手
2着権利の準決勝Bには昨日の「千亀利賞」で落車した佐藤友和と志智俊夫が出走。佐藤後位が小橋正義と飯尾主税で競りのコメントになり、佐藤と志智が一番人気に。レースは打鐘の4コーナー過ぎから前受けの佐藤が逃げると押し切り。2着にも志智が強襲し見事人気に応えた。
勝った
佐藤友和(写真)
は連日の先行策に、「今回は4日間で(高松宮記念杯に向けて)どれだけアピールできるかだから」と勝ち上がりでのレース内容に手ごたえをつかんでいる様子。
「相手(志智)はまくりだし、今日は僕の先行一車。あんなレースになるとは思ってました。まずは前を取ってから考えようと思ってたけど、あそこからなら差されない自信はありました。結果、逃げ切れたし良かったし、昨日の落車も大丈夫です」
志智俊夫(写真)
もペース駆けの佐藤に迫ったスピードからは落車の影響は微塵も感じられなかった。
「本当は前が取りたかったけどね。ペースが遅いところで僕が叩いても、逃がされるか、佐藤君にカマされるかでしょ。それに2センターまでビジョンで佐藤君に見られっぱなしで動けなかった。もう少し(佐藤後位が)モツれると思ったんですけどね。スピードに乗ったと言っても前が流してただけ、捕らえられなかったし相手が強かった。後ろに二人も付いてたのに、自分だけ届く形になって申し訳ない。落車の影響はなくはないけど、雨だったし軽いです」
佐藤の番手を取り切った飯尾の後位から鋭く伸びた
成田健児
が3着に。
「飯尾が頑張ってたから、彼が踏んでからと思ってました。脚は全然楽でしたよ。詰めた時は“これは”と思ったけどね」
競り勝った
飯尾主税
だが5着で決勝進出を逃した。
「僕が外でも良かったけど、小橋さんが外から来てくれた。レースは冷静に走れたし、点数ないなりに頑張ったかなと思います。でも車間を空ける必要はなかったですね」
<10R>
紫原政文選手
浦山一栄選手
10レースからは準決勝A。このレースは逃げる浦山一栄をまくった井上昌己が1着に入線したが、最終ホームで三番手に下りた際に五十嵐力を落車させて失格。続いた
紫原政文(写真)
が繰り上がったが、さすがに表情は硬い。
「僕は2着のままで良かったのに、素直には喜べないですね。僕の横で五十嵐君が落車したので、少しドキッとしました。連日、井上君に頑張ってもらって流れが向いてるし、今日も恵まれた。211着だし調子は悪いとは言えないでしょう。明日は井上君の分も頑張ります」
3着となり決勝進出を決めた
高木竜司
も複雑な表情だ。
「前の二人がまくって、僕は浦山さんも抜いてないんだから内容はちょっと…。ちゃんとワンツースリーで乗れれば良かったけどね。記念の決勝は三回目。たぶん一昨年の平以来だと思います」
神妙な面持ちの九州勢に対し、2着で決勝進出を決めた
浦山一栄(写真)
は口も滑らかだ。
「(記念の決勝は)初めて。やっと乗れましたよ。ホームで井上君がからんでくれればチャンスがあると思ってました。それでもまくって来られるけど、そうなったら後ろの内藤(敦)君が乗ってくれればと思ってました。逃げての優出ですから、嬉しいですね」
一方、失格となった
井上昌己
は、「出切るつもりだったけど、口が空いてたし下りますよね。仕方がない。後ろの二人が乗ってくれて良かった」と無念のレースを振り返る。
浦山後位で絶好の態勢になった
内藤敦
は、「車間を切って追いつくかなと思ったら追いつかなかった。浦山さんが強い。でも、もったいないなあ。あれで乗れなければ一生乗れませんよ」と悔しがる。
<11R>
岡部芳幸選手
島田竜二選手
11レースは新鋭・浅井康太の先行を
岡部芳幸(写真)
が一気にまくる。第一声「展開が向いた」と振り返る岡部。宮杯に向けて、確実に手ごたえをつかんでいる。
「脚うんぬんより今日は展開です。村上(義弘)と浅井にやり合わす展開にしたかったけど、村上が内に詰まって嬉しい誤算になった。村上の四番手で脚を溜めて、外併走の三宅(達也)が張れて来る前に仕掛けようと思ってた。日に日に良い感じになってるし、次(宮杯)につながる脚になってきてます」
2着に続いた
島田竜二(写真)
はこれで今シリーズ二度目となる岡部とのワンツー。
「初日といい、今日といい、とにかく岡部さんのおかげ。岡部さんの後輪だけ見て走ってたけど、もう脚がパンパン。浜口(高彰)さんの横を通過した時にホッとしましたよ。でも今回は一人も抜いてないので、明日は抜けるように頑張りたいですね」
3着には浅井の先行に乗った
浜口高彰
が食い込み、きっちり決勝の切符を手に入れた。
「浅井が村上相手に良く頑張ってくれた。もう岡部に行かれるのは仕方ないと思ってたし、あとは番手、三番手に飛び付いて、後ろに抜かれないことだけ考えてました。脚の感じは日に日に良くなってきてるし、また中部から若い子が育ってくれて嬉しいです」
地元近畿勢最後の砦だった
村上義弘
だったが、終始内に詰まってしまい万事休す。
「早く単独になりたかった。一度、三宅君を飛ばしたけど、前のペースが上がらずもう一度来られてしまった。地元ファンの期待に応えられなくて残念です」
逃げた
浅井康太
は、「今日は先行しかないと思ってました。三宅さんを合わせて、村上さんも内に詰まってたし2コーナーから踏み直そうと思ったら、すごいスピードで岡部さんが来た。あそこから合わせるような脚がないと勝てないですね。決勝には乗りたかったけど、まずは後ろの人に乗ってもらわないとと思ってたので、浜口さんが乗ってホッとしてます」と満足げ。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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