岸和田競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:3月15日


 岸和田競輪場で繰り広げられている開設60周年「岸和田キング争覇戦(G3)」も大詰めの三日目を迎え、準決勝が行われました。優勝候補の海老根恵太や小嶋敬二が相次いで敗れ去る波乱はあったものの、シリーズリーダーの村上義弘は磐石な二段駆けで決勝の舞台へ勝ち上がった。
  なお、最終日の明日(16日)は「素人脚自慢大会」や「浪切予想会(第2、5R発売中)」に加え、決勝競走特別選手紹介(第7R発売中)もございます。激戦必至の決勝戦もぜひ本場でご観戦ください。


<8R>
菅原晃選手
菅原晃選手
   1着権利の狭き門を突破したのは先行一車の菅原晃(写真)。自らの番手を巡る大渋滞で4車落車の大乱戦となったが、後続のもつれをよそに巧みなペース駆けでまんまと押し切った。
  「後ろは地元の前田さんだったけど、1着権利だしシビアに自分が勝つ組み立てをさせてもらいました。ただこんなチャンスは滅多にないからかなり緊張しましたね。道中は決して落ち着いて競走できた訳ではないけど、周りの動きはしっかり見えていました。今回は連日バックも取れているし自分の競走は出来ています。前回決勝に乗ったときは発進役だったので、今回はしっかり頑張れればいいですね」
  菅原のハコ回りも、その位置を狙われ続けた前田拓也は、3着で地元記念決勝を逃し「なんだかぐちゃぐちゃになってしまいましたね。結果は仕方無いです」とうなだれる。


<9R>
金成和幸選手
金成和幸選手 山田敦也選手
山田敦也選手
   最終ホームから布居寛幸がカマすと、3番手にハマった金成和幸(写真)が間髪いれずにまくり発進。瞬く間に前団を飲み込むとそのまま後続をちぎった。
  「今日は(佐藤)明さんまで付けてくれていたし、先行する気満々だったけど、結果的に布居さんラインの後ろにハマれて展開は楽になりました。ダービーの時はもろもろ噛み合わず惨敗だったけど、今回はしっかり走れているし、身体も勝手に反応しているし、状態は良い頃に戻っていますね。今回は北日本のスーパースターが不在なので、僕がスーパースターになるよう頑張ります。決勝も強気で暴れ回りますよ」
  金成のダッシュに一旦は離れた山田敦也(写真)も、懸命に前を追いゴール前で現地集合。2着で決勝へ進んだ。
  「金成さんは一呼吸おくと思っていたのに、すぐさま仕掛けたのでタイミングがずれてしまった。離れてしまったのは申し分けないですけど、その後は、僕も落ち着いて対処出来たと思います。水島さんが内を空けたところを上手くつけましたね。最近はずっとイマイチだったけど、流れが向いてきましたね」
  果敢に攻めた布居寛幸だが北勢に屈し、4着まで。
  「まさか金成さんがあんなにすぐに巻き返してくるとは…。僕が駆けて3番手がもつれてくれるのが理想だったんですけどね。でも地元勢としての意地は見せられたでしょう」


<10R>
中澤孝之選手
中澤孝之選手 加倉正義選手
加倉正義選手
   中村一将が先行し最終2センターで市田佳寿浩がまくってきた栗田雅也を大きく牽制すると、3番手の中澤孝之(写真)が空いたスペースに踏み込み、直線で鋭く突き抜けた。
  「決勝に乗れたのは前二人の頑張りに尽きる。市田がかなり上まで持っていたので、最後は割り切って前に踏ませてもらいました。ここは、数え切れないほど走ってきたバンクだけど、今日が今までで一番ゴールが遠かったですね(笑)。前走の落車の後も上手くケアできたし、コンディションは問題ない。目標としてきた決勝に乗ることは達成できたし、明日はなりふり構わず精一杯やるだけですね」
  市田佳寿浩が失格となり2着には加倉正義(写真)が繰り上がった。
  「中村君が一番嫌なタイミングで叩きに来たからね。荒井も突っ張るか引くか悩んだと思うし、正直今日はダメかと思いました。ただ、身体は反応できているし状態は何の問題もないですよ」
  加倉に続いた光岡義洋が3着。初日で第1レースを走った男が、大躍進でおよそ6年ぶり記念優参を決めた。
  「いやー、ラッキーボーイですね。最後は厳しいと思ったけど、必死でハンドルを投げた甲斐がありました。前回の落車をきっかけに、セッティングもギアもガラリと変えてみたけど、その中でこういう結果を残せたことも嬉しいです」
  市田の牽制に屈した栗田雅也はサバサバとレースを振り返る。
  「ブロックするのが市田さんの仕事だし、それを乗り越えるのが僕の仕事。それが出来なかったのだから力不足だということですよ。仕方ないですね」


<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手 南修二選手
南修二選手
   ライン4車の西谷岳文が打鐘から軽快に風を切ると、最終2角からは村上義弘(写真)が躊躇なく番手まくりを敢行。圧巻のスピードで別線を引き離し、豪快に押し切った。
  「西谷は小嶋さんの突っ張るしぐさにも怯まずよく仕掛けてくれた。あいつが最後まで持つ展開なら二人で決めたかったけど、頑張りを無にするわけにはいきませんからね。僕もあそこからの距離を踏むのは正直しんどいけど、番手から出させてもらいました。今回は近畿勢が一丸となって戦えているし雰囲気もいい。明日も僕は自分が出来ることを精一杯するだけです」
  最後まで村上義弘に食らいついた南修二(写真)が2着。地元記念で決勝へと勝ち上がった。
  「僕は前に任せてただ付いていっただけ。昨日も今日も前を抜けていないけど、今日は僕うんぬんと言うより村上さんが強すぎました。オッズも僕たちから売れていたし緊張感はあったけど、初めて地元記念の決勝に乗れたし本当に良かったですよ」
  中団で小嶋敬二と併走が続いた坂本健太郎が、番手まくりの村上を懸命に追い上げ3着に食いこんだ。
  「もっと小嶋さんとやりあっていたらきつかったけど、村上さんが早くに出て行ってくれたので楽になりました。状態は何とも言えないけど、流れはいい方向に向いてきてますね」
  小嶋敬二は内に詰まり4着までが精一杯だった。
  「状態が完調であれば突っ張る事も考えていたんだけどね。村上が出て行ったところでも、僕も脚には余裕があったけど、坂本匡の内に差し込んでしまった。下がって来た西谷にも被ってしまったし、消化不良のレースになってしまいましたね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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