『岸和田競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:10月5日
 岸和田競輪場で開設63周年記念「岸和田キング争覇戦(G3)」が、明日の6日に幕を開ける。前検日の5日には村上義弘、伏見俊昭のSS班2人をはじめとする強豪が、岸和田の浪切バンクに集結した。地元からは55周年の覇者、前田拓也や南修二ら精鋭がそろい、明日から始まる決戦に向けて、各々が調整に励んだ。
 本場では開催中の毎日、井上茂徳氏、井上薫氏による「浪切予想会」や「おいしいもの大集合!グルメカーコーナー」など、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。ぜひ、岸和田競輪場へ足をお運びください。
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 関一浩は5月大垣での落車から復帰4場所目。レース勘を含めて徐々にゆっくりと上昇カーブを描きながら、手応えを感じている様子。
「復帰最初の富山記念でも脚の感じはそんなに悪くなかった。怪我明けにしてはですけどね。レースでの実戦の勘は富山では良くなかった。判断ミスがあった。内に行くのに、空いてないと思って戻ってしまったり。そこから比べると、そういう判断もだんだんと良くなってきている」
 相川永伍はオープニングのレースに、自身と才迫勇馬の名前を見つけると苦笑い。
「難しいですよね。でも、やるしかないっす。ギアは前回の最終日に上げた4.15で走るつもりだし、前回が終わってからも後閑(信一)さんに京王閣に話を聞きにいったりした。いろいろ勉強になった。ここもそれを踏まえて、先行で頑張るだけです」

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 近況の決まり手はまくりが圧倒的なシェアを占めている竹山陵太は、淡々とこう言う。
「勝てるように頑張る。調子が悪い時は、まくりでっていう意識が強かったけど。今はそういう意識はないです。タイミングを見て(先行かまくりで)と思っています」
 井上雄三は大垣821着、続く千葉353着と直近の2場所で果敢に風を切った。今シリーズも積極的な仕掛けに迷いがない。
「大垣と前回の千葉。2開催ともに3日間とも逃げているんです。主導権を取る走りをしているのが成績につながっているんだと。ここは追加配分ですけど、1カ月前くらいからわかっていたんで、正規での配分と同じような感じですよ」

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小林大介選手
小林大介選手
 近況がパッとしない小林大介(写真)は、初日に1次予選からのスタートを強いられて気合を入れる。
「プレッシャーはありますよね、気持ち的には。初日クリアしないと、もう後がないんで。調子は悪くない。(前回の)高知は初日、2日目とも内に包まれてしまって…。それで何もできないで終わってしまった。最近はギアを(3.92に)上げているんで、あんまり位置取りにこだわらない方がいいかもしれない。基本的には前々なんですけど、自分でメンバーと調子をみて(位置取りに)こだわる必要がないかもしれない」

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 不振が続いていた牧剛央だが、前回の富山822着で復調へ手掛かりをつかんだ表情。気を引き締めながらも、その顔つきに深刻さは消えている。
「富山では初日に飛んだけど、後の2日間はまとめられた。何年かに一回はこういう不調がくるんですよね。それでも最終日にはなんとなくだけど、キッカケをつかむ走りができたと思う。自信を取り戻してきている。自分でも本来の走りができたと思いたいけど、過信はしていない。2走良かっただけなんで、ここでしっかりと走って、さらに自信につなげたい」

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 9月弥彦での落車の影響からか佐藤幸治は、福井726着、高知488着。2場所続けて勝ち星に見放されている。
「落車の影響が多少ありますよね。それでバランスが悪くなった感じがする。それでも今はだいぶ感じは戻ってきている。屋良(朝春)さんとは何度かやっているけど、自分の方が負けている感じがする」
 前回の向日町記念では1次予選で8着と人気に応えることができなかった屋良朝春
「体調的にも前回よりはいいと思うんですよね。練習の感じも良かったし」

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芦澤辰弘選手
芦澤辰弘選手
 昨年の11月以来、2度目の顔合わせとなる、芦澤辰弘(写真)と竹内雄作。8月にA級を9連勝して特進を果たした芦澤だが、S級一発目の奈良では落車。
「(前回の)伊東の時は奈良の落車で本当に良くなかったけど、終わってからはケアを中心にやってきた。伊東よりは全然良くなっていると思う。僕も今は自力勝負をメーンにやっているし、(竹内と)力勝負をしたい気持ちもある。A級では意識改革じゃないけど、自分のレースをしていれば負けないっていう気持ちでやっていた。まくりでも早めの仕掛けを心がけていた」
 竹内雄作は10月2日に行われた地区プロ選手権で1000メートルタイムトライアルとチームスプリントで中部地区の2冠に輝いた。
「1000メートルではベストが出たし。なによりもチームスプリントを勝てたのがうれしかった。(2場所前の)小倉では新しいフレームとみんなが使っているようなフロントフォークを使ったけど、あんまり良くなかった。それでオールスターは戻したけど。オールスターは自分のしたいレースをさせてもらえなかった。自分の脚のなさを感じたし、(地元の大垣記念に向けて)体を作り直そうと思っています」

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小川勇介選手
小川勇介選手
 オールスター(AS)の後に防府記念、千葉と配分をこなしている小川勇介(写真)は過密ローテに加え、千葉の最終日には落車の憂き目。
「落車は擦過傷と打撲です。なんとか大丈夫だと思う、あとは明日走ってみてからですね。千葉が終わってからはケアを中心にここまできた」
 一丸安貴は佐藤亙との同県タッグを即決。
「前回の伊東から結構空いていたんで練習もできました。地区プロはありましたけど、(支部長職での)公務はそれほど忙しくなかったし。状態的にはいいと思う。後は(佐藤)亙に任せて」

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稲川翔選手
稲川翔選手
 1次予選のトリは、地元の稲川翔(写真)が務める。オールスターから地元への記念へ向けて調整に抜かりはなさそうだ。
「地元記念の配分が決まってからは、それを目標にやってきた。練習と休養を入れて順調にやってこれたと思う。まずは地元のファンの期待を裏切らない走りをしたい。今シリーズの目標は決勝にのること。あんまり気負わずに走りたい」

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渡邉一成選手
渡邉一成選手
 ロンドン五輪が終わってから、すぐに本業へと勤しんだ渡邉一成(写真)。復帰したサマーナイトから、富山記念、ASと3場所が終わり、ようやく一息入れた今シリーズは調整面での不安を包み隠さず打ち明ける。
「オリンピックが終わってから、前回のASまで突っ走ってやってきた。それでAS以降は1週間オフを入れました。それから1週間は乗っているけど…。気持ちの面ではリフレッシュができたけど、あとはそれを踏まえた上でのレースですね。基本的にはしり上がりに良くなっていく感じだと思います」
 北日本ラインで渡邉マークの齋藤登志信は、富山記念、ASから平行線を強調する。
「なんにも変わってない。いつも通りの中で、流れが良くって富山記念は決勝に乗れた。それに甘えず、初日もしっかり(渡邉に)離れないように」
 近況の機動力低下を痛感している佐々木則幸は、歯切れの悪いコメント。
「(前回の高知の)地元も不甲斐なくて、情けないですね…。初日にしても1、2着を取れるパターンですけど。(前を)抜きに行ったらいっぱいで5着。人任せでのレースでしか1着が取れてないんで。(自力で)いい着を取りたい。今は脚が落ちているし、我慢して練習はしている」

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伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 「自分の場合は(仕掛けて)行かないと勝負にならないんで」と、吉本卓仁が、出し惜しみない仕掛けを約束して、こう続ける。
「このメンバーはやりやすそうですね。でも、他の人も同じように思っているかもしれないんで。いつも通り仕掛けていきたい。それでもつか、どうかですね。最近は前に出てから余裕がある。(練習と実戦で)積み重ねてきたものが、出てきているのかと。それでも、たまたまいいだけで、まだ絶好調という感じではない」
 前回の防府記念では初日に落車に見舞われた南修二だが、地元記念には支障のないことをアピール。平常心で臨む。
「(落車は)全然、問題ない。大丈夫ですよ。防府が終わってからはケアをしてきたけど、それによって予定が狂ったりとかもない。(地元記念を)獲りたいけど、気負わずに。いい感じでレースができれば」
 目標不在の初日はSS班の伏見俊昭(写真)の立ち回りにも、視線が注がれる。
「日程が詰まっているんで、追い込んだ練習はできていない。後は一戦、一戦に集中して走るだけ。岸和田はSSシリーズ風光る(09年)と全日本選抜(11年)を獲っているし、相性がいいバンクです。まだ、記念は獲ってないんで、後は記念だけですね」

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村上義弘選手
村上義弘選手
 台風の影響により向日町記念の最終日が順延。中3日の強行ローテでの参戦を余儀なくされた村上義弘(写真)の表情が険しい。
「(中4日から3日になって)僕にとってはプラスはない。前回が終わって(練習を)やろうと思うんですけど、体がそうはならなかった。やらなきゃいけないことと、体力的なキャパのバランスが取れていない。やらなきゃならないことが多すぎて…。治療というよりも、競輪を走れる体にするようにやってきた」
 地元の前田拓也は京都勢の3番手を固めて、チャンスをうかがう。
「着は良くないけど。脚の感じとか、自分の頭での感覚とかは悪くないですよ。富山が終わってから、ここに向けてしっかり練習ができたし、マッサージとかをして体を整えてきた」
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