『岸和田競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:10月6日
 岸和田競輪場で開設63周年記念「岸和田キング争覇戦(G3)」が、浪切バンクを舞台に6日、4日間シリーズの火ぶたを切った。波乱の幕開けとなった1次予選は高配当が続出。初日のメーン特選の3個レースでは、SS班の伏見俊昭、村上義弘をはじめ渡邉一成らが勝ち上がり、2日目の「優秀」へとコマを進めた。
 本場では開催中の毎日、井上茂徳氏、井上薫氏による「浪切予想会」や「おいしいもの大集合!グルメカーコーナー」など、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。ぜひ、岸和田競輪場へ足をお運びください。
<1R>
 同期の才迫勇馬を制した相川永伍が主導権。番手で絶好の関一浩は、最終2コーナーからまくりを打った才迫を止めると直線で抜け出し1着。怪我からの復帰4場所目にして、初めて白星を飾った。
 「いつも西(徹)君の強いところも見ているし、最近は気持ちの余裕がない。今日はどっちかって言うと、自分の仕事をって思っていた。焦って勝ちを意識しすぎちゃうとダメだと。復帰してから1着がなかったんで、これで安心できます」
 関のけん制で才迫は不発。吉永好宏は3コーナーから内に斬り込んで相川と関の間を割って伸びる。
 「多分初手はああいう展開になると予想していた。(才迫)勇馬が行ってくれて、小笠原(弘高)さんが離れているのが見えたからあそこを踏んだ。1着のパターンではあったんですけど、バックを踏んだりしましたからね。もう少し待ってからの方がよかったかもしれない」

<2R>
佐竹和也選手
佐竹和也選手
 4番手を手に入れた吉松直人が最終2コーナーからまくって、逃げる井上雄三をとらえる。余裕を持って追走した佐竹和也(写真)が、楽に吉松を交わしてメモリアルの100勝を達成した。
 「100勝は長かったですね、去年とかは2勝しかしてないし。ただ、最近はいい展開をモノにできてますよね。吉松もいいスピードだったんで、行ってしまうなって思ったし自分にも余裕があった。感じも悪くない。今回は準決まで乗って強い人たちと走りたい」

<3R>
 最終ホームでは内に包まれて冷やりとさせられた小林大介だったが、中団の外併走から2センターで踏み出すと突き抜けた。
 「石井(秀治)君と伊藤(成紀)君がどういう作戦かわからなくて。石井君が中団を取るような押さえ方だったから、そこは突っ張りました。あれであとは伊藤君だけ来てくれればよかったんだけど。ある意味ピンチでしたね。それでも1着を取れたんで調子は上がっている。悪くないですよ」
 「俺も珍しく外に行っちゃったし」とは、小林に付けて直線で外を踏んだ坂本英一
 「今日は(小林)大介の動きがすごかった。久しぶりにぐちゃぐちゃのレースになった。それでも前が1着を取っているんで、俺が2着にならないと…」と4着に肩を落とす。

<4R>
栗原厚司選手
栗原厚司選手
 佐川翔吾が打鐘で前を押さえるも、流しているところを南関ラインが叩いて最終的に主導権を握る。武田憲祐がペースで先行し、絶好の展開を生かした栗原厚司(写真)が抜け出した。
 「武田君が、うまく走ってくれたおかげです。ただ、自分は今年1着が少なくて、余裕がなかった。今回は来年の立川ダービー出場に向けて賞金をしっかり稼ぎたいし、集中して走っていきたい」
 果敢に打鐘4コーナーで佐川を叩いた武田憲祐
 「緩んでいたし、すかさず仕掛けました。身体が反応しているし、状態はいいですよ。あの展開で3着に残れないのは練習が足りないだけ。今回は師匠(小笠原弘高)と一緒だから気合が入りますよね。目の前で下手な競走はできないですから。まずは2次予選をしっかり突破したいです」

<5R>
山崎岳志選手
山崎岳志選手
 佐藤幸治が後ろ攻めから押さえて先行態勢に入るが、屋良朝春がカマシ先行。関東ラインで連独占かに、最終3コーナーからインを踏んだ山崎岳志(写真)がスルスルと突き抜けた。
 「佐藤君には悪いと思ったがシビアに走った。外は高田(誠)さんがいたし、内しか踏むところがなかった。直前の向日町で屋良君が内を空ける癖があるのは知っていたので、(内が)空くと思って踏みました。連戦だからか身体は重いけど、勝てたから悪くないでしょう」
 屋良朝春は追加参戦でも、状態の良さが光っている。
 「追加でも疲れはないです。しっかりマッサージをしてきたし、最終日に向けて、もっと軽くなるでしょう。向日町で後閑(信一)さんにセッティングを見てもらったのもいい方向に出ています。記念は今まで準決までしか進めていない。今回は決勝に乗りたいですね」

<6R>
高谷雅彦選手
高谷雅彦選手
 「なるとは思ってたんですよね」と、苦笑いで振り返る高谷雅彦(写真)は打鐘を過ぎて一本棒の8番手に置かれるピンチ。しかしながら、最終ホーム手前から中団の芦澤辰弘が竹内雄作を叩きに出たことで、高谷に光明が差した。
 「芦澤君が行ってくれたんで、ヨシと思った。(芦澤の)惰性に乗っていけたし、脚を使わなかった。5、6月は1着が取れなかったし、1着が取れるようになったんでよかった。たまたまじゃなくて、またまた(1着)が、できるようにしたいですね」
 5番手の芦澤辰弘が竹内を叩いて1周先行。
 「カマしに行くのにも勇気が必要だし、そこで突っ張られても力勝負だし悔いはないと。自分もまだ力をつけていく段階ですからね。出切るスピードは良かったけど、バックではいっぱいでした。でも(4着で)悔しいっていうのはない」

<7R>
 周回中は4番手から進んだ佐藤亙が、先に小川勇介を押さえて中団を奪取。最終1センターからまくり上げて愛知ワンツー。一丸安貴が、佐藤を追い込んだ。
 「小川君は強いし、自分たちはあれしかなかった。後は7番(馬場和広)がどう駆けるか。早めに駆けてくれれば、チャンスはあると思っていた。そしたら早めに行ってくれたし、7番は強かった。1着を取れるチャンスだったし、必死でした。踏んだ感じも悪くないですね」
 まくりでの2着に佐藤亙は、納得の顔で汗をぬぐう。
 「ここ2、3場所も成績以上の脚はあると思う。フレームの感じに物足りなさがあるけど、今日も脚の感じは悪くなかったです。とりあえず、点数を一点でも戻さないと。落ちるところまで落ちてしまったんで」

<8R>
 4番手を確保した稲川翔は、逃げる小原太樹が掛かり切る前の最終1センターから踏み出し1着。まくりで人気に応えて1次予選をクリア。引き揚げて来ると、ホッと一息つく。
 「緊張しましたね。焦ってはなかったけど。どうしても初日は変に力が入ってしまう。ラインがあるのに、行けるところで仕掛けられなかった。ただ、脚はなにも問題ない。踏んだ距離も短かったし、掛かっているかは自分ではわからない。でも、ゴールまで踏み切れたと思います」

<9R>
佐々木則幸選手
佐々木則幸選手
 前検日には仕上がりの不安を吐露していた渡邉一成だが、初日特選では圧巻のロングまくり。最終ホーム、7番手から踏み出すと、次元の違うスピードで前団をひと飲み。クールダウンを終えると、涼しい顔で振り返る。
 「藤田(竜矢)さんのスピードも乗っていたし、それに合わせて自分も乗せることができた。踏み出しはしっかり行きました。そこからはブロックのできないとこを行って、2コーナーの下りを使った感じです。負荷が高いし、今日の感じは決して良くはない。徐々に上がってくると思う。レース内容にしても今日より洗練されてくると思うし、しり上がりによくなると思う。僕の戦法的には相手を見ながらになってしまうんで、(2日目以降も)タイミングだけは逃さないように」
 踏み出しでは若干、渡邉との車間が空いた齋藤登志信だったが、懸命に食い下がり2着でゴール板を駆け抜けた。
 「きつかった。(渡邉は)もうちょっと落ち着いていくのかと思ったけど、踏み出していくのが見えた。あのダッシュには気を抜いたらダメですね。(渡邉は)どんな状況でも落ち着いているけど、僕はプレッシャーでした(笑)」
 3番手で望月永悟と切り替えた宗景祐樹が絡んでいると、後方から巻き返した佐々木則幸(写真)のまくりが3着に届いた。
 「今回はセッティングを大幅に変えた。それで道中も楽だった。踏み出しもよかったし、自転車も出てくれた」

<10R>
岡田征陽選手
岡田征陽選手
 打鐘で叩きに出た吉本卓仁を柴崎淳が突っ張って、最終バックまでの1周は両者で激しいモガき合い。岡田征陽(写真)は満を持して2コーナーからまくって、金子真也とワンツー。
 「ちょっと置いてかれちゃったけど。そこからはもう自分で行くしかなかった。セッティングはもうちょっと(変えて)、出していきたい。展開に恵まれたところもあるけど、1着を取れていい薬ですよ」
 汗びっしょりの金子真也は、苦しそう振り返り、岡田を称える。
 「きつかった。もう(岡田)征陽に任せていたし、自分のデキとしては普通。このクラスじゃ楽な展開なんてないし。(岡田を)抜けてないけど、2(着)なら」
 後方に置かれた伏見俊昭は、最終3コーナーからようやくエンジンがかかり出し3着。
 「踏み合いになってきつかった。あんなにジャンで踏み合いになるとは思ってなかったんで。車間が空いて苦しかった。なにかしたかったんですけど、なにもできなかった」

<11R>
岩本俊介選手
岩本俊介選手
 打鐘の2センターから反撃に出た稲垣裕之を岩本俊介(写真)が突っ張って主導権。番手の加藤圭一の援護を受けて、逃げ切りを決めた。
 「松岡(貴久)はイン斬りだろうし、そこを出てからは(稲垣を突っ張るのを)なんとか間に合った。逃げ切れたのは流れとかもありますからね。ちょっと脚は重いけど、気持ちでカバーします」
 目標の稲垣が不発。村上義弘は最終3コーナーから踏み出すが松岡と絡んで、外を襲い掛かるも3着まで。
 「稲垣君が前からの組み立てになった時点で終わったなと思った…。体調的にも組み立てが制限されるけど、(2日目も)やるしかない」
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