『岸和田競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:10月8日
 岸和田競輪場で行われている開設63周年記念「岸和田キング争覇戦(G3)」も佳境の3日目を迎えた。決勝進出をかけた準決の3個レースでは浪切バンクを舞台に、選手たちが激しい火花を散らした。SS班の村上義弘と伏見俊昭は、2人とも実力通り決勝に進出。地元勢からも南修二、前田拓也がファイナルに名を連ね、最終日に「岸和田キング」の称号をかけて覇を競う。
 本場では最終日も井上茂徳氏、井上薫氏による「浪切予想会」や「おいしいもの大集合!グルメカーコーナー」など、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。また、「岸和田キング争覇戦」ポスターのイメージモデルにもなっている川崎亜沙美さんも来場します。ぜひ、岸和田競輪場へ足をお運びください。
<9R>
大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 赤板を過ぎた1センターから渡邉一成がダッシュを効かせると、岩本俊介を楽に叩いて主導権。そこからは後続を引き付けながら、絶妙なペース配分で駆けての3着。番手の伏見俊昭、大塚健一郎の強襲にはあったものの、別線を完封した高いポテンシャルは疑いようがない。
 「(道中は)取れた位置からと思っていたら、後ろからになった。セオリー通りに(押さえて)行って、(最終)ホームまでは相手の動きをしっかり見て走れた。全部向かい風みたいな感じできつかった。昨日の風とは違いましたね。今回はレースに入るにあたって、主導権を4日間取ろうって気持ちでここに入った。初日は結果的にまくりになったけど、早めに行けているし。レースの中心となって組み立てられている。(調子は)しり上がりにと思っていたけど、日に日に体はきつく感じる。まずは今日の疲れを取って、決勝も自分のタイミングで仕掛けられれば。そのタイミングさえ間違わなければ、いいレースができると思います」
 最終バックでは8番手に置かれた大塚健一郎(写真)だったが、まくって出た屋良朝春に乗って矢のような伸び。ハンドル投げで伏見まで飲み込んで1着。
 「(決勝に乗れて)よかった。今日は久々の後方の8番手だった。(屋良が)先行と思っていたら、あそこの位置だったんで。(初日に)コケていたんで、気合だけは入れていた。調子がいいとは言えないけど、屋良君が頑張ってくれた。(セッティングを)微調整して、やれることだけはやった」
 最終バックで岩本のまくりをけん制した伏見俊昭(写真)は、ゴール寸前で逃げる渡邉を交わして2着。
 「ジャンのところで岩本君がどうすんのかと思っていた。そしたら引いてくれたんで、自分にとってはよかった。その後は(渡邉と)2人で決まるかと思ったけど、(大塚に)外を行かれたら厳しい。流れはいいし、脚は前次第の感じですかね」

<10R>
岡田征陽選手
岡田征陽選手
南修二選手
南修二選手
 岡田征陽とは別線の小林大介が、打鐘で先行態勢。「徐々にペースを上げて、駆けようと思っていたら(岡田に)来られて…。油断をしていた訳ではないけど、甘いですね」と、最終ホームで叩かれ惨敗の小林が肩を落として振り返る。
 打鐘の2センターから前団との車間を空けた岡田征陽(写真)は、4番手から狙い済ましたカマシ。最終ホームで主導権を奪っての鮮やかな逃走劇を完結させた。
 「ホームは(風が強くて)重かったですね。あのまま中団にいるかは流れでと思ってました。明日は少しでも賞金を上積みできるように。今は(フレームを)換えたり、シューズを換えたりしながら、当たるところを探している」
 別線の反撃に備えながら、宗景祐樹は岡田をソツなく追走。2着に流れ込み、岡田とワンツーを決めた。
 「(岡田が)車間を切っていたし。後ろに合わせて出るか、そのまま行くのかと思って、自分も反応していました。あそこで仕掛けるあたりはさすがですね。明日の決勝では3(着)までに入って、(来年の)競輪祭の権利が欲しい」
 最終バックからまくった柴崎淳は宗景の横までで終了。南修二(写真)は、冷静にコースを見極めて、外に進路を持ち出した。
 「とりあえず、決勝に乗れました。前も掛かっていたし、(柴崎)淳も掛かっていた。それからは内行くか、外に行くかだった。8番(藤田大輔)が浮いてたのもあって、外を踏んでいった。脚の状態も悪くなかった。セッティングも昨日から比べて、少しだけ換えて今日が一番良かった」

<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手
前田拓也選手
前田拓也選手
 打鐘前の2コーナーから藤田竜矢が近畿勢に襲い掛かると、稲垣裕之は全開で合わせて主導権を死守。最終ホームで一度はペースが落ち着いたかに見えたが、今度はすかさず佐々木則幸がまくって出て村上義弘(写真)は苦汁の番手まくり。
 「いつも稲垣に任せているんで、今日も稲垣の行きたい位置からで後はレースの流れでと思っていた。初日はファンのみなさんを裏切るような形になってしまったんで、稲垣が仮に(不発に)なっても、自分が立て直して(自分で)行こうと決めていた。稲垣と一緒に決勝にと思っていたけど、波状攻撃のように来られてしまった。藤田君を稲垣が合わせて、佐々木君は僕が止めようと。一瞬、1コーナーでは止められるかと思ったけど、もうワンテンポ待ってしまうと後ろにいる前田(拓也)さんも(共倒れになってしまうんで)。今日はみなさんの声援がすごくて。勝ちたいっていう気持ちよりも、負けられないっていう気持ちだった」
 初日の落車で危ぶまれた地元シリーズだったが、前田拓也(写真)が村上を懸命に追って2着で決勝に進出を果たした。
 「村上君が全部判断してくれるだろうから、自分は後輪だけを見ていたけど。ところ、どころで離れましたね。緊張しているのか、初日の落車なのか…。やっとこ決勝に乗れた。明日はラインを固めます」
 佐々木のまくりに乗った梶應弘樹が、ベテランらしいしぶとい立ち回りで最終4コーナーからの混戦を凌いだ。
 「(前回の)富山と比べればいいと思う。まだ、そんないいとは言えないけど、贅沢は言ってられない。前の佐々木君に付いていけているんで」
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