『被災地支援競輪岸和田競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:12月4日
 岸和田競輪場で開催中の平成28年熊本地震被災地支援・開設67周年記念「岸和田キング争覇戦(G3)」はシリーズ2日目。今日は優秀「チャリオン賞」をメーンに二次予選6個レースで準決勝進出が争われた。「チャリオン賞」は、山田英明の仕掛けに乗った園田匠が鋭脚を発揮して連勝。二次予選は太田竜馬こそ準決勝進出を逃したが、山崎芳仁、三谷竜生、吉澤純平ら実力者が順当に勝ち上がり、明日の準決勝で激突する。
 開催を通して本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。3日目は寬仁親王牌を制覇した稲垣裕之選手によるトークショー(9R終了後、場内イベントステージにて)や、山口幸二氏ら専門解説者によるガチンコ車券対決予想会(2R、4R、7R終了後、場内イベントステージにて)などのイベントを予定しています。「岸和田キング争覇戦(G3)」をぜひ本場でお楽しみください。
<6R>
真船圭一郎選手
真船圭一郎選手
 高間悠平が斬った上を、杉森輝大が打鐘で叩き主導権を握る。そのまま軽快に風を切って、最終ホームを一本棒で通過。前受けから5番手に引いた真船圭一郎(写真)は3コーナーから踏み上げると、軽快なスピードを見せてゴール線を1着で通過した。
 「(作戦は)後ろから押さえるより、前を取って。もつれたらいこうと思っていました。あんな展開になるとは思っていなかったですね。でも、高間さんが飛んでこなければ、まくり切れるとは思いました。(状態は)わからないけど、付いていくのは楽でしたね」
 番手の諸橋愛は、車間を切って杉森を援護。真船に合わせて2センターから前に踏むも2着まで。
 「杉森君はジャンから踏んでいたし、最後は失速してしまいましたね。(真船が)来たのがわかったから、前に踏むしかないと思って。あの展開なら、勝ち切りたかったですね。でも、杉森君が2車であれだけいってくれて。残したかったけど、1着も取らないといけないし。難しかったです」
 最終ホームを7番手で通過した松岡篤哉は、2コーナーからまくり上げるも不発。松岡マークの林巨人は2センターから内コースに進路を取ると、直線を追い込んで3着に入った。
 「松岡さんはジャンでいくと思ったけど…。そこでいってくれていれば、出切れていたとは思います。そしたらあとは自分が仕事をして。余裕はあったので、あそこからだったら内しかないと。たまたまです。でも、うまくいかんなぁ…」

<7R>
和田真久留選手
和田真久留選手
 片折亮太が打鐘めがけて巻き返すと、先に前に出た西本直大もペースを上げる。西本を叩けないと判断した片折は、内へ斬り込んでインから主導権を奪取する。人気を集めた和田真久留(写真)は最終ホームを後方で通過する苦しい展開も、2コーナーから強引に踏み上げる。抜群のスピードで外のコースを進み、逃げる片折を4コーナーで捕らえた。
 「無理やり仕掛けた感じになってめっちゃキツかった。凄く組み立てにくいレースで、勝瀬(卓也)さんが付きにくいレースになってしまった。3コーナーはキツかったし、すんなりのまくりではなかったです」
 和田を追う形で仕掛けた箱田優樹が、2着で準決勝へ進出。
 「後ろの動きが気になってしまいました。合わせていこうかと思ったけど、和田君のスピードが凄かった。2走して脚の感じはいつも通りですね」
 踏み出しで離れた勝瀬卓也だったが、巧みにコースを突いて3着に食い込んだ。
 「真久留が強かったです。彼は調子が良いですね。最後にリカバリーできている分、小倉の時に比べたらまだ良いのかも」

<8R>
志村龍己選手
志村龍己選手
 志村龍己(写真)が1着で準決勝への勝ち名乗り。後ろ攻めから太田竜馬が上昇する。合わせて動いた志村を制し、1コーナーで主導権を奪取。志村は中団を確保し、前受けの佐藤友和は車を引いて7番手。太田が最終ホームで緩めると、佐藤はすぐさま反撃を開始。これに太田も合わせて激しいモガき合いとなったが、3コーナーで太田に軍配が上がる。これで中四国勢での確定板独占かに思われたが、3コーナーからまくった志村が前団をまとめて飲み込んだ。
 「作戦はなかったけど、粘ろうとは考えてなかった。それがよかったのかもしれない。何とか良かったです。でも(最終バックで鈴木)誠さんが浮いてなかったら、ラインで決まってたかもしれないです。記念の準決勝は4、5回目かな。脚の感じは日に日に良くなってます」
 番手の小倉竜二が2着で勝ち上がりを決めたが、同県の後輩を残せず悔しそうにレースを振り返った。
 「(太田は)自信があるから早めにいったんだろうね。僕が9番(佐藤)を止められていたらね。太田も合わせ切るのに脚を使ったと思う。こなければペースで(駆けてラインで)、決まっていたと思うけど。ド先行のモガき合いみたいな感じだったけど、最後も(佐藤)友和を合わせ切ってたからね」
 3着の柏野智典も太田を称えつつも、残念そうに話し出した。
 「太田は強い人独特の踏み方をする。ペースが落ちない感じ。でも友和がさすが。タイミングとスピードと。僕は3番手で無風のところを走ってたんで。太田君を最後交わせば2着かなと。そしたら2番(志村)が来てたんで。準決でも(太田と)一緒に走りたかったね」
 注目の太田竜馬は直線で失速し、5着に沈んだ。
 「こないかと思ってちょっと緩めたら、(佐藤が)横まできていた。でもあそこで緩めなくても逃げ切れたかはわからないです。合わせ切れてラインの人が残れたのは良かったけど…」

<9R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 谷田泰平が赤板前でハナに立つと、前受けから後方に引いた新山将史が巻き返し打鐘で先行策。すると、2センターで踏み上げた坂本亮馬が山崎芳仁(写真)をキメて番手を奪う。山崎は一旦3番手となるも、最終バックから追い上げて坂本と併走する。そのまま4コーナーから前に踏んでアタマ。
 「(キメられて)内から亮馬をしゃくろうと思ったけど空けないし、外から追い上げるしかないと。(新山を残したかったが)4コーナーを過ぎたし、後ろに(小林)大介さんもいるので1着を取らないとと思って。必死でしたね。直線に入ってから抜いているから、(新山に)力があれば残るだろうと」
 坂本に踏み出しで離れた西川親幸は小林と4番手で併走に。2センターで競り勝つと、山崎の仕掛けを追う形で2着に入った。
 「(坂本が)いきなりいったから、遅れてしまいました。リカバリーができたのは、前々にいく気持ちがあったからだと思います。山崎君はさすがに強いね。最近は厳しいレース続いていて、4コーナーをすんなり回りたいです」
 中団で戦況をうかがっていた単騎の藤田昌宏が、直線で追い込んで3着。ファンの声援を受けて、笑顔がこぼれた。
 「打鐘で9番手になったけど、坂本君が仕掛けてくれたのが良かったですね。(大竹慎吾をすくって)もう1車すくおうと思ったけど、そこは見て。今日は感じが良かったですね。それと、お客さんが喜んでくれて良かった。あれだけ歓声が上がると、選手をやっていて良かったと思いますよ。また、頑張れる」

<10R>
三谷竜生選手
三谷竜生選手
 吉川誠が中団の三谷竜生(写真)にフタをした後、赤板の2コーナーから踏み上げる。すかさず踏み上げた三谷は中団外併走から、最終ホームめがけて巻き返す。あっさりと吉川を叩いた三谷のスピードはまったく衰えず、北川紋部-篠塚光一まで出切って最終バックは完全に近畿ペース。三谷が最後までしっかり踏み切ってゴール線を先頭で駆け抜けた。
 「今日はしっかりラインで決められて良かった。僕の走りは後ろが付いてきやすいんでね(笑)。吉川さんも結構踏んでいたし、ヤバいかなって思ったけど。調子は良いので流れの中で自然に動けました」
 北川紋部が懸命に続いて2着を確保。
 「一瞬離れかけたけど、付いていけて良かった。自信になりますね。初日よりは緊張しなかった。とにかく三谷君が強かったです」
 三谷ライン3番手の篠塚光一もしっかり流れ込んで久々のG3準決勝に進出した。
 「前が強すぎましたね。今日は前だけ見て集中していた。1車交わせるかなって思ったけど、ラインで決まったのが一番良かった。記念の準決は以前の体制ではあるけど、変わってからは初めてです。だいぶ久しぶりですね」

<11R>
吉澤純平選手
吉澤純平選手
 矢口大樹が押さえて出ると、この動きに続いた野口正則が踏み込み打鐘で主導権。追い上げた吉澤純平(写真)は、矢口と3番手で併走となるも、最終2コーナーから仕掛ける。実力の違いを見せて前団を飲み込むと、野口から切り替え追った伊藤成紀の追撃もしのいで白星。準決勝へ弾みをつけた。
 「ちょっとメンバー的に無理矢理いっても、昨日と全く一緒になると思ったんで(中団にこだわった)。神山(拓弥)君と(ワンツーが)決まらなかったんで、次こそは決めたい。岸和田も悪いイメージがあるわけじゃないです。前回(10月当所は)自分が組み立てミスしただけで、普通の400(バンク)と変わらないです。成績がつかないと(悪く)思っちゃうんで、そう思わないように。脚の感じも昨日よりいいです」
 伊藤成紀は地元記念で準決勝進出を決めたものの、笑顔は見せず反省に終始した。
 「(吉澤を)抜こうと思ったけど、抜けなかったです。もうちょっと力があれば抜けたんですけど。野口があれだけ頑張ってくれたのに、抜けなかったのは申し訳ない。これでは昨日より今日の方がダメですね。吉澤君は止められるスピードじゃなかったです。吉澤君がいったのを追いかけた感じです」
 吉澤の仕掛けに千切れるも、何とか3着で勝ち上がりを決めた神山拓弥は吉澤の強さに舌を巻く。
 「ちょっとすごすぎ。ヤバい、ヤバすぎる。今までにいない感じ。平原(康多)さんとは走り方は違うけど、強さ的には一緒くらい。抜けないのは想定してたけどびっくりした。これからG1とかで活躍していく選手だね」

<12R>
園田匠選手
園田匠選手
 優秀「チャリオン賞」は、鋭脚を発揮した園田匠(写真)が制した。レースは後ろ攻めから脇本雄太が上昇して、誘導員後位が入れ替わる。すかさず、古性優作が脇本を押さえると、後方から原田研太朗が踏み込んで打鐘で先行策に出る。原田ラインを受けた古性が3番手を確保し、前受けから引いた山田英明が6番手、脇本雄太は8番手で最終ホームを一本棒で通過する。古性は2コーナーから仕掛けるも、原田のカカりがよく、なかなか前団を捕らえられない。山田も大外をまくるが、稲川翔に張られて不発。しかし、その後ろから惰性を貰った園田が、直線で鋭く伸びて連勝を飾った。
 「いつも作戦は立てていないので(山田に任せていた)。コースが空けば、突き抜けるとは思いましたね。心肺機能とか体は強化してきたので、余裕がある。あとは、セッティングがもうちょっと。でも、少しずつかみ合ってきましたね。持ち味を出して勝てたので、納得です」
 地元の古性優作は、ゴール寸前で原田をまくり切って2着。
 「勝負所で仕掛けられたらいいなと思っていたけど、ハラケン(原田研太朗)が踏み上がっていたので、そんな感じじゃなかったです。早い仕掛けにこしたことはないけど、付いているだけでもしんどい。でも、仕掛けているんだからまくり切らないと。強いですね」
 逃げた原田研太朗が3着に粘る。押し切りこそならずも、力強い走りで周囲を唸らせた。
 「先行するつもりはあまりなかったけど、順番がきたので。山田さんがきたら出させようとは思っていたけど。一周半駆けてきつかったですね。雨だったし、感触的には重かったです。でも、最近は前々に攻めようと心がけているので、それがうまく(結果に)出てくれれば」
 山田英明は稲川に阻まれて8着に沈んだ。
 「確かめたいことがあったので、あんな形になってしまった。原田君がカカっていましたね。まくり切れていないので、調子自体は何とも言えないですね。でも、明日は決勝に勝ち上がれるように仕掛けたいです」
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