『玉野競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:3月6日

 新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため無観客で開催されている玉野競輪開設69周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」は、3月6日に2日目を迎えた。二次予選Aでは佐藤慎太郎、浅井康太、皿屋豊、清水裕友の4人が白星を挙げて準決勝へ。地元の岩津裕介、柏野智典、取鳥雄吾も予選を突破した。3日目は、決勝戦への切符をかけて準決勝3個レースが争われる。

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桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
 前受けの吉本哲郎は、中団の高木翔にフタをして赤板で押さえに来た桐山敬太郎(写真)を突っ張って出させない。桐山は4番手外に車を下げて、高木と併走のまま打鐘を迎える。その後も両者で4番手争いが続いたが、最終1センターで高木が中村健志をすくって3番手に上昇し、バックからまくり出す。高木の後ろに入った桐山は、高木をけん制した柳谷崇の内に切り込むと、ゴール手前で吉本を交わして白星を挙げた。
 「前が駆けるかなっていうタイミングで踏んでも行かなかったり、噛み合ってないですね。いつもなら(吉本を)切りに行くんだけど、最低4番手っていう決めつけがあったから…。もうちょっと緩めば先行で腹をくくれるんですけど、ちょっと変な意地があったりして。自信のなさで作戦が思い浮かんじゃう変な感じですね」
 高木目標の開坂秀明は、最終2コーナー手前で桐山に前に入られたが、冷静に続いて2着に入った。
 「(桐山に)入られてからは、桐山の動きに付いて行けばいいと思いました。そこは冷静でしたね」

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蕗澤鴻太郎選手
蕗澤鴻太郎選手
 後ろ攻めから動いた菅原大也に合わせて、中団の久保田泰弘が上昇。蕗澤鴻太郎(写真)を押さえてハナに立ち、菅原を受けて4番手で打鐘を迎える。7番手になった蕗澤だが2センターから仕掛けると、最終2コーナーで菅原を抜き去って先頭に。その後はグングンと後続を突き放して快勝した。
 「本当は中団で止まって(菅原が)行った上をすかさず叩こうと思っていたんですけど、(久保田と菅原が)一緒に来たので引きました。その後は緩んだところから行こうと思って。菅原さんに踏まれていたので、ギリギリでしたけど勝てて良かった。今回が3回目の記念で目標は二次予選だったんですけど、準決まで来ちゃいました」
 蕗澤マークの松永将は、久保田や川崎健次のけん制で離れてしまい、蕗澤を追いかけた菅原大也が2着に粘った。
 「後ろが相性良い川崎(健次)さんだったので。S級初戦の小田原でも連係して押し切れたので、自分のレースをすることだけ考えていました。復帰戦なのに奇跡ですね(笑)。まさか準決までいけるとは。やりました」

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藤井栄二選手
藤井栄二選手
 隊列に変化のないまま打鐘を迎えて、3番手の才迫開が2センターからスパート。最終ホームで古川貴之を叩くと、中国コンビを追った藤井栄二(写真)はすかさず反撃に出る。バックで才迫を抜き去って先頭に立ち、そのまま力強く押し切った。
 「柿澤さんが切った上を叩いてと思っていたら動かなかったので、そうなると才迫君が仕掛けるだろうと思って、その仕掛けに反応して行きました。初日よりモガく距離が短かったし、感じ良く踏めた。バックも追い風で回しながらだったし、余裕もありました」
 藤井マークの伊原弘幸は、追走でいっぱい。最終2コーナーからまくった柿澤大貴が2着に入った。
 「藤井君も意外と行かなかったですね。まくり切れたら良かったけど、(3コーナーの)山で止まってしまいました。そこからはもう伊原さんを締めるしかなかった。もうワンテンポ早く仕掛けていれば、おもしろかったかも」

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佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 打鐘手前で原田研太朗が先頭に立ったところを、2センターで岩本俊介が叩いて主導権。岩本ラインに乗った山田庸平はすかさず最終ホームから反撃に出るが、佐藤慎太郎(写真)の横で車は止まり、伊藤大志をキメて3番手を確保する。快調に逃げる岩本に石塚も迫ったが、佐藤のけん制でスピードが鈍り、最後は佐藤がきっちり岩本を交わして準決勝進出を決めた。
 「岩本とは今回で5回目。今までへっぽこ続きだったから、やっと決まりました。(石塚が来た時は)本当は脇の辺まで来てから体を当てれば良いと思ったので、自分としてはズレがありますね。3番手が(伊藤)大志かどうかも分からないくらいだったから、イマイチ仕事はできなかったかな。岩本が(2着に)残ったのは、僕の力ではないです」
 別線を完封した岩本俊介が2着に粘った。
 「タイミング良く行けました。最近ずっと自分のレースができてなかったんで、流れを引き戻せたと思います。やっとスッキリしました。押さえて駆けて残れたのは大きいですね」

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浅井康太選手
浅井康太選手
 赤板の1センターでハナに立った取鳥雄吾を、2コーナーで川口聖二が押さえて先制。7番手になった新山響平は打鐘から仕掛けると、最終1コーナーで川口を叩いて主導権を奪取する。しかし、永澤剛は踏み出しで遅れてしまい、番手に川口がはまってバックを通過。2コーナーからまくった取鳥が前団に迫ってくると、浅井康太(写真)は3コーナー過ぎから自力に転じてまくり出し、余裕をもって1着でゴールした。
 「(川口)聖二がはまったんで追いかけさせて。でも取鳥君が来て、張りながら出ていけば、聖二も出てくるかなって思ったけどいっぱいそうでしたね。人気にもなっていたんで踏ませてもらった。できれば新山をもっと沈めたかったけど。バンクは昨日(初日)よりも重く感じましたね」
 最終バックを後方で通過した東口善朋だったが、直線で強襲し2着に入った。
 「ちょっとでも新山君の邪魔をしようと思って、ジャンで動いたんですけどね。タイミングを遅らせられたと思うし、結果的に永澤君が踏み遅れた。終始余裕もあって、最終ホーム、最終バックで9番手でしたけど、コースも空いてくれたし車も進んでくれました」

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皿屋豊選手
皿屋豊選手
 島川将貴が打鐘手前で隅田洋介を叩いて先行態勢に。四国コンビに乗った皿屋豊(写真)は冷静に3番手に降りて、隊列は一本棒で最終回へ入る。8番手の郡司浩平が1センターから仕掛けると、皿屋は2コーナー手前から一気にスパート。バックで島川を飲み込んで直線へ入り、番手の吉田敏洋と郡司を振り切って連勝を果たした。
 「去年、玉野記念を走った時よりレベルアップしている。緩んだところでカマそうとか、いろんなバリエーションを考えながら走れました。最後は差されたと思ったけど、ハンドルを投げたら1着でしたね。4コーナーでホッとしていました。前々に踏むと良いこともあるんですね」
 吉田敏洋は皿屋を差し切れず2着でゴールした。
 「(皿屋は)ポイント、ポイントでしっかりと踏んでくれました。最後は差したと思ったら抜いてなくて。郡司君を気にし過ぎました。皿屋君は力強い競走でしたね」

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清水裕友選手
清水裕友選手
 赤板過ぎでハナに立った坂本貴史を、清水裕友(写真)が押さえる。黒沢征治は中四国ラインに乗ってそのまま仕掛けようとしたが、打鐘手前で先に畑段嵐士が清水を切って、黒沢を出させて3番手を確保。後方になった坂本が中四国ラインをすくって清水の横まで上がると、清水は最終ホームから反撃に出る。2コーナーで木暮安由の強烈なブロックを受けたが、バックからさらに加速して黒沢を抜き去り、そのまま堂々と押し切った。
 「畑段さんが切って来たり、(坂本が)内をすくって来たりしたのは想定外でした。ムリクリになったけど、その中でも対応できたと思います。木暮さん(のブロック)が絶対来るって分かっていたし、2コーナーの下りを使えたので乗り越えられました」
 清水を止められなかった木暮安由だが、黒沢の後ろから伸びて2着に入った。
 「(清水を)畑段が切ってくれたから、最高の形になったとは思ったんですけどね。(清水に2コーナーで)下りを使われてしまいました。もうちょっと早めに来てくれていたら、おもしろかったかも」