『玉野競輪開設70周年記念 in広島(GIII)レポート』 3日目編

配信日:3月6日

 広島競輪場で開催されている玉野競輪開設70周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」は後半戦に突入した。3日目は準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。準決勝は和田健太郎、清水裕友に岩津裕介が快勝。最終日12Rの決勝戦は中国勢が別線勝負。清水、松浦のS班コンビを相手に取鳥雄吾が太田竜馬を目標から記念初優勝を狙う。
 今回は無観客での開催となりますので、ご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

<10R>

和田健太郎選手
和田健太郎選手

取鳥雄吾選手
取鳥雄吾選手
 赤板前に取鳥雄吾、小原佑太でけん制し合うと、窓場千加頼が先に動いて1センターで切る。打鐘で踏み上げた取鳥が車間を切っていた山田英明の前に入ると、仕掛けてきた小原を張りながらホームから再度踏み上げる。取鳥、小原でまくり切ると、立て直した山田もバックまくり。続いた和田健太郎(写真)が取鳥、小原の中を割って突き抜けた。
 「英明も油断したわけじゃないだろうけど、まさか入られるとは思わなかった。でも、そこからはしっかりリカバリーしてくれたので、ワン、スリーだけど2人で勝ち上がれて何より。英明の外は伸び切れないし、(内が)ガラ空きだったので3着までに入るならそこだなと。(2日目から連勝で)うれしいです」
 まくった取鳥雄吾(写真)が2着に粘って、地元記念2度目の優出を決めた。
 「先行したかったけど、山田さんが遅れてたので入って立て直した。でも小原君が見えたし、かぶるのは嫌だったので先にまくった。余裕はなくて何着かわからなかったけど、ホッとした。状態はいいし、今日(3日目)が一番良かった」
 打鐘過ぎに取鳥に入られてしまった山田英明だったが、立て直して外を踏むと小原をタイヤ差でとらえて3着に入った。
 「取鳥が前に入っちゃったんで意外でした。グランプリチャンピオンが付いててアピールする走りができればと思ってたのに、立ち遅れて申し訳なかった。それでも経験とかを生かしながら3(着)までに入れるように。抜いたと思ったけど、際どかったですね。かみ合ってない部分があるので、自転車と体と相談しながらかみ合っていくようにセッティングをちょっと修正します」

<11R>

清水裕友選手
清水裕友選手

太田竜馬選手
太田竜馬選手
 赤板で前に出た伊原克彦は太田竜馬を突っ張って出させない。太田の内をすくった黒沢征治は2センターから一気のカマして出るが、追いつきざまに2コーナーからまくった清水裕友(写真)が鈴木竜士の強引なブロックを乗り越えて黒沢をとらえた。
 「あそこ(黒沢ライン)スイッチして、外併走でも詰まったら行こうと思ってたら、思ったより詰まるのが早かった。持って来られるかなと思ったけど、かなりのけん制でしたね。(乗り越えたのは)たまたま。とりあえず諦めないで良かった。柏野(智典)さんに申し訳ないですね。タイミングが悪かった。直線に入ってからで良かったかな。ちょっと疲れてるけど、状態は問題ない」
 突っ張られて7番手になった太田竜馬(写真)だったが、中国コンビのまくりに続く形から外を踏んで2着に強襲した。
 「突っ張られたんでキツかったですね。(鈴木、清水の)ガチャガチャで2回バック入れたけど、伸びたんで良かった。キツい練習をさせられてる感じで、何回も踏んだり止めたり今日(3日目)みたいなのはキツい。記念の決勝は久しぶりなんでいい刺激になるかなと思う」
 カマした黒沢征治が3着に粘って記念初優出を決めた。
 「竜士のおかげって言うか、清水君がすぐ来たのに気づかなくてビックリした。2車でもあんだけやってくれるんで、すごいとしか言いようがない。いつもなら見てしまってダメなイメージ。判断は無意識だけど、攻める姿勢を変えずに行けたので体は動いてる。記念の決勝は初めて。自力で上がれたのは大きいですね」

<12R>

岩津裕介選手
岩津裕介選手

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 赤板で前に出た野原雅也を打鐘前2コーナーから叩いた川口聖二が4コーナーから踏み上げるが、そこを構わず松浦悠士が仕掛けてバックではライン3車がきれいに出切る。続いた岩津裕介(写真)がゴール寸前で逆転。地元記念で節目の300勝を達成した。
 「恵まれましたね。松浦君のあの仕掛けを抜いたことがなかったので(調子は)いいと思う。自画自賛していいですか? (松浦は)さすがですね。警戒を一番されるなかでねじ伏せられるっていうのは強いですね。前が踏んでるところは普通待つし、進まないけどいいですね。(優勝すれば地元勢では最多タイ、4度目の玉野記念優勝)すごいメンバーなんで達成できたらすごいと思う」
 松浦悠士(写真)は2段駆けがあっても不思議ない中部勢を力で粉砕した。
 「川口君が日頃対戦しててやられてるってイメージを出してる。絶対先行って強い気持ちで来るだろうなっていう上で走ってました。昨日(2日目)はかかりが良かったけど、風もあって昨日ほど良くなかった。川口君が駆ける前か駆けたときを狙ってた。昨日ほどきれいに回せず、バックからはキツかったけど、ワンツーですし、岩津さんも今回良さそうなのでしょうがないかな」
 中国ラインをきっちりと追走した小川勇介が3着に流れ込んだ。
 「(松浦は)ダッシュいいですね。12月別府記念の準決勝で松浦の3番手で離れてるので、個人的にはリベンジのつもりだった。そこを課題に練習もやってきたので、着ウンヌンより、そこが課題でした。優勝戦に乗れてるんで(調子は)いいですね」