『玉野競輪開設56周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:3月10日


 玉野競輪開設56周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」が幕を開けた。本日は風はあまりなく、最終レース後には雨が降り出したが、競走中は天候にも恵まれ、まずまずの競輪日和となった。穏やかな天気とは裏腹にレースは白熱。どのレースも死闘の連続となった。
  また、明日のルーキーチャンピオンレース「若鷲賞」に出走する91期生の9戦士が元気良く競輪場入りし、前日検査を受けた。若手が集まった検車場は、普段の記念開催とは一味違うフレッシュな雰囲気に包まれた。
  明日11日のイベントは、第6レース終了後にルーキーチャンピオンレースに出場選手の選手紹介と、第7レース終了後に優秀戦「ももたろう賞」に出場する選手の紹介が行われます。また、選手会岡山支部によるチャリティーオークションや、緒方浩一氏によるレース展望も予定されております。ぜひ、そちらもお楽しみに。

<1R>
安坂洋一選手
安坂洋一選手

    オープニングの1レースは、大方の予想通り徹底先行の山本健也が先行。終始番手で無風だった安坂洋一(写真)が、チャンスをきっちりと生かして節目の200勝を達成した。
  「山本君はグングンと伸びていく感じで踏んでいったし強かったよ。最後に福田(博)君が先に踏んできたのがみえたけど、その外から誰も来ていなかったから、余裕を持って(山本を)残す感じで追い込みました。今回は新車で体に合っているのかはまだ分からないけど、記念で200勝できたし嬉しいですね」
  逃げた山本健也は「踏んだ感じはあまり良くなかったんだけどね。風がなかったし、マイペースで踏めたから何とか残れました。でも、まだまだ末の粘りが足りないですね。国持(晴彦)さんも3着に入ったし、ラインで決まってよかった」


<5R>
石田洋秀選手
石田洋秀選手

    5レースは増成富夫のまくりに乗った石田洋秀(写真)が、三番手から直線鋭く伸びて頭に突き抜けた。
  「本当はすかさず(コースに割って)入らないといけないところだったけど見てしまった。うまくコースが空いてくれて助かったね」
  中団まくりを放った増成富夫は2着となった。
  「あの展開なら1着を取らないと。何年経っても地元はダメだね。緊張し過ぎちゃって」


<6R>
吉田勇人選手
吉田勇人選手

   6レースは吉田勇人(写真)が逃げ切り勝ちを収めた。
  「レース前に風があったから、押さえにいくのはキツいので初手は中団をとりました。斬ってもらったところをすかさず叩いて巧く前に出られたけど、バンクの上を走り過ぎて内を空けてしまい、斉藤(竜也)さんにすくわれてしまった。坂巻(正巳)さんには悪いことをしました」
  競り込まれた坂巻正巳は須田雄一に喰われたものの、番手を死守して3着に流れ込んだ。
  「斉藤君が当たってこなかったから逆にキツかった。当たってくれば内に押し込めたんだけど、車輪が内に差さっていたからね」


<7R>
 7レースは福田知也が2着に逃げ粘って堅調をアピールした。
  「中団を取り合うよりは先行した方が堅いと思って叩いて逃げました。後ろを見たら中団がもつれているのが分かったし、ペースで駆けられました。2着に残れたし、調子は悪くないと思う」


<8R>
 8レースは、菅原晃のまくりに乗った森山昌昭がゴール前で交わして1着となった。
  「自分は何もしてないし、菅原君が行ってくれたおかげ。4コーナーから踏み直したからやっと抜けた感じ。今回は追加だけど、前回に比べたら踏んだ感じは軽いね」


<9R>
小野俊之選手
小野俊之選手

   9レースは巧く中団を取った井上昌己が、好スピードで逃げる小林大介をまくり、小野俊之(写真)が差し脚を発揮した。
  「中団を取ってまくりと作戦通りにいったね。諸橋(愛)君のブロックが強烈だったけど、昌己の勢いの方が良かったから、踏み出しでいけると思った。調子ですか? 熊本記念のときよりずっと良いね」
  まくった井上昌己は「後ろの小嶋(敬二)さんだけを警戒して走ったけど、ホームで来られていたら厳しかったかも。ここに来る前、疲れがピークだったから、2日間ゆっくりして疲れを取ってきたのがよかったかな」
  7番手に置かれる苦しい展開となった小嶋敬二だったが、何とか3着に入り西の王者としての面目を保った。
  「ホームで行こうか迷ったんだけどね。もがき合いになりそうだったし、波があって行くタイミングがなかったから手堅くまくりに回った。疲れはないし、今日はタイミングの問題でした」


<10R>
三宅伸選手
三宅伸選手

   10レースはスプリンターの石丸寛之が得意のまくりを決め、三宅伸に300勝目をプレゼントした。
  「前がもつれていたし、離れた6番(酒井耕介)が下りてきたからタイミングが取りづらかった。周回中は脚が軽かったし、踏み出しも良かったんで体調は問題ない。差されたけど、後ろは強いし300勝してくれてよかったですよ」
  三宅伸(写真)は1着を取ってホッとした様子だった。
  「ここに入る前から気持ちがフワフワしていた。99欠になったらどうしようと思っていたくらい。オーバーワークで、朝練習で自転車を整備している最中でも気持ちが入らない状態だった。結構こういうときがあるんですよね。だから、マル(石丸)とワンツーが決まるときは決まるだろうし、ダメなときはダメなんだろうなと割り切っていた。1着が取れたし、お客さんの声援が大きくて嬉しかったから気持ちが乗りました」


<11R>
岡部芳幸選手
岡部芳幸選手

   最終11レースは岡部芳幸が三宅達也、更に海田和裕を突っ張って好気合の先行勝負。一旦は離れた有坂直樹だが、再ドッキングに成功し直線で追い込みをかけるが、三番手の鈴木誠が鋭く突き抜けた。
  「岡部君はまくりだと思っていたんだけど、思い切って行ってくれた。最後、有坂君が(岡部を)残していたのが分かったけど、一緒に後ろから喰われてしまってはいけないと思ったから思いっきり踏んでしまった」
  有坂直樹は「三宅が一緒に上がってきたから岡部は引いてカマすもんだと思って準備していたんだけど、まさか突っ張るとは。最後は残し過ぎてバン2(番手2着)になってしまった」。
  逃げた岡部芳幸(写真)は「先行するとは決めていなかったですよ。いつも誠さんには9番手にさせてしまっているから前に居たかった。あれで引いたら7番手でしょう。いくらすんなりでも、まくるのは厳しいからね。力を出し切るレースをして成績が良ければ、次のダービーにも繋がりますからね。4日間何でもやっていこうと思ってました」


ルーキーチャンピオンレース「若鷲賞」共同インタビュー
藤野孝彦選手
藤野孝彦選手
金沢竜二選手
金沢竜二選手
柴崎淳選手
柴崎淳選手
伊原克彦選手
伊原克彦選手
 


また、明日のルーキーチャンピオンレース「若鷲賞」に先立ち、本日共同インタビューが行われました。そのときの様子をご紹介します。


まず、91期在校ナンバー1で卒業記念レースを制した藤野孝彦(写真)。 「父(義高)と一緒に乗り込んできっちり仕上げてきました。柴崎(淳)君に前を任せます。獲る自信はあるし、柴崎君が獲るレースをしてくれれば自分にもチャンスはあると思う」
金沢竜二(写真)はデビューから7Vと最多優勝回数を誇り、メンバー随一の競走得点を持っている。
「前回(花月園)は風邪で欠場しましたが、体重も戻ったし練習でしっかりと仕上げてきたので体調は問題ない。京王閣で神山(拓也)君にやられてますから明日は負けないように」
その神山拓弥は「昨日まで乗り込んでました。桑原(亮)さんが付くんですか? 付いてくれる人がいるなら力を出し切る競走をする」と意気込む。
柴崎淳、伊原克彦の両者は自力勝負を選択し細切れ戦となった。
柴崎淳(写真)は「予定通り仕上げることができました。展開次第ですけど、勝てる自信はあります」
最年長の伊原克彦(写真)は一番落ち着いていた。こちらも準備は万端で「仕上げてきました。師匠(松山勝久)にも『獲ってこい』と言われたし頑張ります」



   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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