『玉野競輪開設56周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:3月13日


 玉野競輪場開設56周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」は本日13日で全日程を終了した。地元勢は三宅達也だけと、地元ファンにとっては少々寂しい決勝戦となり、またシリーズリーダー・小嶋敬二の脱落もあったが、有坂直樹や岡部芳幸、手島慶介など大方の上位選手は順当に決勝戦に駒を進めた。注目のファイナルレースは、岡部芳幸がホームから絶妙のタイミングでカマして先行。番手無風の有坂直樹が追い込んで優勝した。

決勝戦ダイジェスト
 号砲で斎藤登志信が飛び出して誘導員の直後に付ける。斎藤は、岡部芳幸―有坂直樹を受けて北勢が正攻法に構える。牧剛央―小野俊之の九州両者が中団、この後ろは手島慶介と三宅達也で併走したが、結局三宅が車を下げ、手島―渡辺晴智―鈴木誠―三宅となる。
  赤板では一本棒のままで、打鐘手前からようやくレースが動いた。牧が岡部を叩いて主導権奪取。岡部は中途半端に粘らず、スンナリ車を下げて七番手。牧もペースを上げずに後続を窺っていると、ホーム手前から岡部が一気に踏み込んでカマシ先行を敢行した。有坂は付け切るも、内に差し込んでた斎藤は付け切れず。車間が空いた三番手に牧がはまりこんだ。快調に逃げる岡部を利した有坂がゴール前でキッチリ抜け出して今年初優勝を達成。有坂後位から伸びる牧を小野が絶妙なコース取りで捕らえて2着キープ。岡部は最後の末脚を欠いて4着となった。


有坂直樹選手
有坂直樹選手

 検車場に引き揚げてきた有坂直樹は開口一番に「まさか行くとは思わなかったよ」と驚きを隠せない。
  「行く素振りはあったけど、踏み出す感じで止めることもあるんでね。それにしてもカマシのスピードがもの凄かった。(斎藤)登志信は離れてしまったけど、俺も離れ気味だったもん。バックでは(直後に)牧と小野が入っていたのがわかったし、車間を空けて詰める勢いで踏んできた。最後は岡部をもっと残したかったけど小野の姿も見えたし、あれだけ行ってくれて3、4着になったら岡部に悪いから踏ませてもらった。四日間とも連係した岡部のおかげで優勝ができた。これで弾みが付いたし、ダービーも頑張るよ」

 牧の惰性を利用し、直線で鋭く伸びた小野俊之だったが、1/2輪差届かず準Vに終わった。
  「手島さんは中団だろうし、前が取れたなら引いてカマシの作戦だった。岡部さんのカマシにやられましたね。さすがという感じだった。少し前が遠かったですね。でも、牧さんが頑張ってくれたし、2着だったけどあの展開ではよう行った方だと思いますよ」

 遅れをとり車間が空いてしまった牧剛央だったが、立て直して3着と健闘した。
  「小野が前を取ってくれる予定だったけど、発走機が滑ったみたいで初手は狂ったけどね。ホームで(岡部に)合わせようと思いっきり踏んだけどもう横まできていたし、ちょっと車間が空き過ぎてしまった。でも、行けば小野にもチャンスが出てくるだろうし必死で踏みましたよ。良い感じで詰まって行ってバックでは優勝も意識したけど、それまでに脚を使っていて最後のひと伸びがなかった。今回は調子があまり良くなかったし、3着は上出来ですよ」

 有坂の優勝に貢献した岡部芳幸は悔しがる。
  「せめて3着には残りたかった、悔しい。あそこで行かないと手島任せのレースになってしまうんでね。単騎の三宅がもう少しかく乱するような出方をしてくれればもう少し面白かったのかもと思うけど。でも、勝てると思って駆けたつもりだし、それで勝てないのは力不足ですよ」

 三番手で離れてしまった斎藤登志信は「岡部さんが行く気配はあったんだけど、まさか行くとは思わなかった。自分も下を走ってしまっていたし付いていけなかった。油断してました。終わったことは仕方ない、また次頑張るだけです」と言葉少な。

 見せ場なく終わった三宅達也は「やっぱり一人はキツイ。牧さんが駆けて、手島さんがまくってくれればと思っていたけど。昨日もたまたまの1着だったし、今日は9番手。次(ダービー)に繋がるレースができなかった。まずは気持ちを切り替えないとね。」

ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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