『開設57周年記念玉野競輪(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:3月7日



 バックに瀬戸内海が広がる風光明媚な玉野競輪場で、明日から開設57周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」が始まる。佐藤友和、岡部芳幸の欠場はあったが、前検日の今日は出場99選手が競輪場に集結。明日から始まる激戦に備えた。主力メンバーは直後に控えるダービーへ向け、調子を確かめる上でも重要なシリーズ。ダービー組の走りから、4日間目が離せない。
  来場者には先着でオリジナルシャープペンや千両なすをプレゼント。イベントホールでは第4レース発売中に緒方浩一氏によるレース検討会、Kギャルのイベントも予定されています。ぜひ玉野競輪場へご来場ください。




<1R>
 オープニングの1レースは前回の松阪FIで決勝3着の引地正人の走りに注目が集まりそう。
  「前々回に失格したので、危機感を持って走れました。セッティングも色々いじってるけど、前回はそれもよかったので、今回は変えずに走ります。前回から間隔がなくてあまり乗れてないけど、僕はきっちり休んだほうが良いので心配ないでしょう」


<2R>
 2レースの朝倉佳弘は昇級後の成績もまずまず。初めての記念参戦で気合も十分だ。
  「調子は普通ですね。S級はみんな全然強いし、特に追い込み選手は脚がありますね。4コーナーからのスピードの違いに少し戸惑ってます。(記念は)補充ではあるけど、正規の配分は初めて。まずはこの雰囲気を楽しんで、上位と対戦してみたいですね」


<4R>
 4レースの湊聖二は2月久留米FIで落車、失格し、いきなりハンデを背負ってしまった。それでも「S1の点数を取れるように頑張れば」と悲壮感はない。
  「前回から間がないけど、練習と調整はしっかりやってきたつもり。大丈夫だと思う、いや大丈夫です。玉野も好きになってきたし、何とかなるでしょう」


<5R>
十河哲治選手
十河哲治選手
   5レースの注目は、ここ2場所連続で勝ち星を挙げている地元の十河哲治(写真)。前回前橋FIで落車しているが「大丈夫です」と体調の不安もなさそうだ。
  「前々回びわこSの2日目にギアを上げてから良くなってきた。調子も悪くないし、地元だから頑張ります」
  十河にとって心強い味方となるのが、徹底先行の川島聖隆だ。
  「1月から咳が出たりで体調が悪かったけど、それがだいぶ治ってきましたね。1月にここを走ったとき(952着)はまだ体調が悪かったけど、もともとは相性の良いバンクです。頑張れると思います」


<6R>
栗田雅也選手
栗田雅也選手
   6レースからは選抜戦。栗田雅也(写真)は地元ダービーを控える重要な時期に追加を受けて参戦してきた。
  「前回の花月園Sの感じでダービーを迎えても不安だったので、もう一本走ろうと思いました。勝ち上がるのが一番いいけど、今回はそれ以上に内容が大事になる。まずは感触を確かめたい」
  2月の豊橋記念では連勝で準決勝へ勝ち上がった稲川翔は栗田や三ツ石康洋との対戦に戸惑いを隠せない。
  「緊張するけど、胸を借りるつもりで頑張りたい。豊橋くらいの調子にはあると思います。玉野は1月に1回走っただけで何ともいえないし、前回は寒かったってイメージだけですね」


<7R>
志村太賀選手
志村太賀選手
   7レースの志村太賀(写真)は前回名古屋FIの大敗がたたって選抜スタートになってしまった。
  「まあ特選で9着になるよりはいいですよ。名古屋は開催前に風邪をひいた影響があったし、今度はここに来る3日前に食中毒になってしまった。体調管理が悪いのか、ダメですね…。調子は走って見ないと分からないけど、玉野は走りやすいイメージはあります」
  同期対決に腕を撫すのは松岡貴久だ。
  「特選スタートかな? と思って来たけど、29番目でしたね。最近はだいぶ良くなってきてるけど、レースでは先に上半身に来て、脚が一杯になることがない。ただ玉野はA級で優勝したことがあるし、イメージは悪くないですよ」


<8R>
守谷陽介選手
守谷陽介選手
   8レースの守谷陽介(写真)は地元記念で嬉しい選抜スタートを果たした。
  「自分でもびっくりしました。相手が強いけど、チャレンジ精神で戦いたいですね。ここまで空いてたし、練習はしっかりできました。感じも良いですよ」
  対するは格、実績ともに上位の金子貴志。最近の数字は物足りないが、「だいぶ良くなった」と密かな自信をのぞかせる。
  「練習の感じは良くなってきたし、あとは結果待ち。レースでどれだけ出せるかですね。ここは失格したりとか途中欠場ばかり。何とか流れを変えられるように頑張りたい」


<9R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   9レースからは特選メンバーが登場する。加藤慎平(写真)はこれが今年初の記念参戦。1月びわこFIで鎖骨骨折してから、復帰戦でいきなり優勝。「前回は無理やり復帰した感じだったし、今回のほうが全然良い」とさらに調子を上げての玉野入りだ。
  「今回はまずダービーに向けて良いレースがしたい。稲垣さんは年末の平塚で一緒だったけど、全然交わせなかった」
  稲垣裕之は前回の向日町FIで優勝。「前回より疲れを抜いてきた」とダービーへ向け、調整も最終段階に入った今シリーズで好結果を狙う。
  「今回は結果を出してダービーに臨みたい。2月から計画的に乗り込んできたし、直前も良い練習ができました」
  有坂直樹は玉野記念、ダービーというスケジュールは昨年と同じ。「意識してきた」とダービー連覇へゲンを担いでの参戦だ。
  「東王座が終わってから、秋田に戻って子供にスキーを教えてました。脚に来るので、けっこう良い練習になりましたよ。それから取手に戻って乗り込んできたし、問題ないと思う。(佐藤)友和や岡部(芳幸)がいないけど、まずはケガのないように。最低でも決勝に乗って、流れをつかんでダービーに入りたい」
  豊田知之は佐世保記念で決勝に乗ったが、続く西王座で未勝利と流れに乗り切れていない。
  「最近は毎年、年明けからなぜか悪い。正直、今もいい時に比べたら落ちてますね。でも今年は玉野記念が2回あるので、何とか決勝に乗れるよう頑張りたい」


<10R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   10レースの紫原政文は今年に入り快進撃が止まらない。今日も多くの記者に取り囲まれたが、「注目せんとってください。そっとしといて」と苦笑い。
  「まずは良い流れでダービーに行けたらって感じですね。いつ流れが変わるか分からないし、追加の話も来てたけど、無理せずここに備えました。この成績が普通になれば幸せなんだけどね」
  荒井崇博はメンバーを見るなり、「また(紫原に)抜かれるわけですね、俺は」とポツリ。前回は1カ月のあっせん停止明けだったが、優勝できず。「前回はフレームがダメだった。久々に全然スピードに乗らなかったですね」。中3日となる今回も同じフレームでの出走となるが、「もう抜かれないですよ」と最後は九州唯一のS級S班としてのプライドをのぞかせた。
  強力な九州勢を迎え撃つのは石丸、岩津の地元コンビ。佐世保記念、西王座と連続で優出し、急ピッチで立て直してきた石丸寛之(写真)は満を持しての地元記念。
  「ここ2場所ポンポンと来たし、間に合ってよかった。練習もウエイトもしっかりできるようになったし、直前もいつもどおりにやってきた。前回のように走れて、プラス地元にかける気持ちが乗ればイケルと思う」
  岩津裕介も「たぶん力むし、空回り気味でしょう」と待ちに待った地元記念への意気込みを口にする。
  「競輪祭で落車した影響はないです。練習はできたけど、守谷(陽介)に離れたり、一昨日までは悪かった。でも周りが調子が良いってことだし、僕には明るい材料。今回は力を抜いて、ダービーを意識しながら走りたい」


<11R>
渡部哲男選手
渡部哲男選手
   11レースの三宅伸は西王座でも準Vと近況絶好調。リラックスムードで検車場に現れた。
  「成績も調子も良い。ここで守りに入ると小さくなるし、最近の成績はあまり考えないようにしてる。思い切りが大事なのかな? あまり命かけることはないけど、今回は4日間命がけで頑張りたい」
  近況精彩を欠く渡部哲男(写真)は、西王座からの約2週間で気持ちを切り替えて今シリーズに臨む。
  「練習より気持ちの整理をつけたかったので、今の自分にとっては貴重な時間でした。ギアのこととか色々考えることはありましたから。でもしばらくは3.57で行こうと思ってます。ここの成績次第でダービーへ向けての気持ちが変わるので、頑張りたいですね」
  手島慶介は追加参戦した名古屋記念から中2日での参戦。「疲れはあると思うけど、帰ってからまず名古屋で落車の治療をして軽めにやってきた」。タイトなスケジュールも何のその、ダービー前最後の本番に挑む。
  「名古屋の落車で首と腰を打撲。影響はあると思うけど、去年の状態に比べればマシですよ。走るからには1着を狙います」
  一方、山田裕仁は昨年のケガから復調一途だ。
  「全日本の肋骨骨折が治って、しっかり練習できるようになったのが大きいね。前回、前橋FIの前からダービーに向けてやってるし、状態に心配はない」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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