『玉野競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:11月22日


 玉野競輪開設58周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」は二日目を迎えた。今日は優秀競走「ももたろう賞」をメインに、二次予選A、Bで争われた。昨日とは打って変わり、7、9レースで落車が発生。稲垣裕之や岡部芳幸らの人気所も脱落するなど荒れた一日となった。
  明日も大会を盛り上げるべくたくさんのイベント、ファンサービスが用意されております。開催を通して、競輪グッズの販売コーナー、緒方浩一氏による後半3個レース展望、地元岡山選手会によるサイン会が予定されております。また、明日23日は玉野名産の販売コーナー、わくわくお菓子つかみ取り(お子様1回限り)、選手サイン入りTシャツ販売、競輪舞台裏見学ツアー(女性限定)が行われます。どうぞお楽しみに。


<3R>
和田信一選手
和田信一選手
   先行型がそろった3レースは和田信一(写真)がまくって快勝。昨日のうっぷんを晴らした。
  「車番(1番)が良かったから初手で良い位置が取れた。前がモガき合ってくれたし展開が向きましたね。まくりが決まったのは久しぶり。まくりは好きなんだけどずっと出なかったからね。まだセッティングが決まっていないから、出切ったあとは車が流れなかったけど何とか粘れました」


<5R>
葉狩伸泰選手
葉狩伸泰選手
   5レースは小谷田公則、原真司の先行型を相手に葉狩伸泰(写真)が主導権を奪うと、番手の渡辺一貴の援護を盾に堂々と押し切った。
  「昨日軽かったから、ギアを一枚上げました。今日は考え方を変えて後ろに勝ってもらうつもりで行こうと。後ろは一貴さんだから絶対に止めてくれるし、残り1周くらいだったら駆けようと思っていた。今日は気持ちが入りましたね。逃げ切りは久しぶり。平塚記念の初日以来ですね」
  渡辺一貴(2着)は原真司のまくりをしっかりと止め、番手の仕事に徹した。
  「中団と取り合うと脚を使うし、内をすくわれて変になるから、それだったら1周くらいだったら駆けてしまった方が良いと言ってあったんです。葉狩が俺を信頼してくれてその通りに走ってくれたからには自分も止めないとね」


<6R>
立石拓也選手
立石拓也選手
   6レースは住村実と佐野梅一でやり合ったところを、立石拓也(写真)がひとまくりした。
  「もっと楽に行けるかと思ったし、バック追い風の割には重たかったですね。3コーナーで合わされたけど、4コーナーの山おろしで行けるかなと。あとは後ろに差されるかの勝負になると。初手で中団を取れなかったんで押さえて行く形になったけど巧くいきましたね。もう少し伸びが欲しいけど、調子は良いと思います」
  森山昌昭がしっかりマークして2着を確保した。
  「佐野君が叩き切って一本棒になったら厳しかったけどね。立石とは本当に相性が良いんです。この前の西武園もそうだし、四日市記念もワンツーだし。昨日、メンバーが発表になった瞬間にこれは準決に行けると。何かがあるんですよね。俺がスタートで失敗して中団が取れなかったけど結果オーライですね」


<7R>
渡邊健選手
渡邊健選手
   7レースは最終ホームで落車が発生。阿竹智史が前走の八日市屋浩之と接触して落車。齊藤利治が乗り上げて2車が棄権した。結局、前団有利となり、渡邊健(写真)が村上卓茂の番手から抜け出して1着となる。
  「弟弟子の村上君が頑張ってくれたおかげ。もう少し遅めに仕掛けても良かったけど、気遣ってくれたのか早めに駆けてくれた。今日は付いていて余裕があったし、セッティングも合ってきたから大分感じが良くなってきました」
  村上卓茂は末を欠いて4着に終わる。
  「今日はとりあえず一旦前に出切ってから組み立てを考えようと。阿竹君が流していたから押さえたけど、そうしたら『ガシャン』と音がした。後ろがどうなっているのか分からなかったし、叩かれるんだったら駆けてしまえと。押さえ先行は得意ではないし、ずっと踏みっ放しでキツかったですよ」


<8R>
菅田壱道選手
菅田壱道選手
   8レースは菅田壱道が格上の稲垣裕之をまくりで下し、ラインで上位を独占した。
  1着は鈴木誠。菅田のダッシュに食い下がり、ゴール寸前で差し切った。
  「稲垣君がジャンできたとき、菅田君は冷静に車を下げたよね。あの辺の判断がうまい。踏み出しが凄かったからとにかく離れないようにと。最後は必死でハンドルを投げました」
  菅田壱道(写真)は稲垣を破って自信を深めた。
  「稲垣さんが早めに来たから、あそこで突っ張っても誠さんに迷惑かけるだけだから下げました。2コーナーから自分のタイミングで仕掛けられたし、稲垣さんの横に並んだときは行けると思った。今日は朝練習から脚が軽かったし、実際、レースでも軽かった」


<9R>
 9レースは濱田浩司と福田知也で中団がもつれたため前団有利となった。小林正治が番手から抜け出し、2連勝で準決進出を決めた。
  「レース前、(志村)太賀に『押さえたら行っちゃえよ』と言ったら本当に駆けてしまったね。後ろに5番(前田新)が入ってたのが分かったし、早めに踏んでくるだろうから、それに合わせて自分も踏みました。今日は前が強かったし、太賀も3着に残ってくれてよかった」
  2着に入ったのは内藤敦。濱田追走から中バンクを鋭く伸び、地元の意地で準決の権利を手にした。
  「今日は勝負だったんで気合が入りました。濱田君を中団に入れて自分なりに仕事をしたつもり。最後にバックを踏みたくなかったから、思い切って中を突っ込みました。苦しかったけど、最後は気持ちでいきました。伸さんや石丸さんとか地元がたくさんいるけど、自分が勝ち上がらないことには連係できないですからね。何とかクリアできてよかった」


<10R>
佐竹和也選手
佐竹和也選手
   10レースは三宅伸が絶好のハコ回りから追い込んで1着となり、シリーズ二日目にして地元勢の初勝利を挙げた。
  「久々に凄く楽なレースだったね。最終ホームくらいだったら石毛も粘ってくるだろうけど、(三宅)達也が早めに行ってくれたおかげですんなり回れたね」
  四番手に付けた佐竹和也(写真)が2着に入った。
  「道中は余裕がありましたよ。2センターだとまだ早いかなと思ったけど、石毛さんがきてかぶってしまったら厳しいから、悪いけど早めに踏ませてもらいました。今回は練習してきたから昨日は重たかったけど、今日は楽でした」
  逃げた三宅達也は5着に沈んだ。
  「先行一車だし今日は何の言い訳もないです。伸さんが1着になって良かったし、残れるかは自分の力の問題。5着が今の力なんでしょう。1番人気に応えられなくてお客さんに迷惑をかけてしまったけど、今日は思い切ったレースができたし、体が動いていたんでまた頑張ります」と、明日は準決勝Bから仕切り直し。


<11R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   注目の東西両横綱対決は小嶋敬二が先着し、まずはまくった小嶋に軍配が上がった。しかし、勝ったのは地元の石丸寛之(写真)。八番手に置かれたが、まくった小嶋の外を力で迫り、最後はハンドル投げで交わした。
  「山田(裕仁)さんは小嶋さんに付いていくと思ったけど、下がってきたからタイミングが取れなくなってしまった。でも、思った以上に車が出たし、何とか小嶋さんを目標にしてまくれました。このメンバーで勝てたのは自信になるし、この先を考えると大事ですね」
  1着は譲ったものの、外併走からまくった小嶋敬二の強さも光っていた。
  「見たら山田さんはしゃくられていたし中団に荒井(崇博)がいた。あのままだと外に浮いてしまうから、とにかく前へ踏みました。最後はハンドルを投げのタイミングで交わされたのが分かった」
  逃げた山崎芳仁は「早めに踏んで小嶋さんを外に浮かせる作戦だった。自分も踏み直して合わせたし、普通ならまくられない展開だったのに。ここは内が重たいのかもね。今回の小嶋さんは強いですよ」と、再戦に向けて気を引き締めた。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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