『玉野競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:11月23日


 玉野競輪開設58周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」は後半戦に入り、山場の準決勝を迎えた。準決B,Cは番手競りとなり激しいレースとなった。山崎芳仁は準決Bを手堅くクリアしたが、小嶋敬二はまくり不発となりまさかの敗退を喫し、東西両横綱の対決は全日本選抜に持ち越し。地元勢も三宅伸のみが決勝に駒を進め、明日は地元の期待を一身に背負うこととなった。
 明日24日(月)の最終日も大会を盛り上げるべくたくさんのイベント、ファンサービスが用意されております。競輪グッズの販売コーナー、緒方浩一氏による後半3個レース展望、地元岡山選手会によるサイン会をはじめ、玉野名産販売コーナー、バルーンショー、なすピザ無料サービスが。また、MCに井上茂徳氏を迎え決勝戦出場選手特別紹介と表彰式が行われます。


<8R>
飯嶋則之選手
飯嶋則之選手
   準決勝Cは1着権利。福田知也の番手を巡り勝瀬卓也と飯嶋則之で争ったが、勝瀬の落車により番手は飯嶋が取り切った。福田が懸命にペースで逃げるなか、最後は飯嶋が意地で追い込んだ。審議対象となったが、長い判定の末、結果はセーフ。飯嶋則之(写真)が決勝進出を決めた。
 「落車させてしまったし、ジャン過ぎで失格と思った。でも、最後まで諦めずに踏んでよかった。1着権利よりも、今日は競りということで気合が入っていました。体調はいつも通りだけど、今日はそれ以上に気持ちが入ってましたね」
 惜しくも1/2輪差で破れた福田知也だが、「精一杯やりました」と悔いはない。
 「三ツ石(康洋)さんが八番手になったのを見て、落車も確認していつものペースで駆けたんだから仕方ない。あそこまで自分でも良く粘れたと思う」


<9R>
村本大輔選手
村本大輔選手
   準決Bは三宅達也と山崎芳仁の力勝負となったが、山崎がホームから早めに巻き返し、三宅をまくって実力の違いを見せ付けた。
 「後ろが競りだから、昨日みたいな押さえ先行だとタイミングが取れないし、内が重たいから外をカマした方が良いと思って今日は前を取りました。ホームで森山(昌昭)さんが外に振ってきたから仕掛けるタイミングがいつもより少し遅れたし、三宅さんもなかなか下りなかったから外を踏まされて苦しかったけど、梶山(裕次郎)君が内を行ったし、スピードに乗ってからは行けると思った。後半のスピードも良かったですよ」
 山崎の番手は村本大輔と太田真一で初手から競り合いとなり、山崎がカマして出たため踏み出し勝負となった。村本が巧く番手を奪い、踏み遅れた太田は三番手を追走する展開となり、それぞれ2、3着に流れ込んだ。
 村本大輔(写真)は最後に太田に迫られたが何とか踏み止まった。
 「今日は番組に恵まれましたね。カマす展開になるだろうから、踏み出し勝負に集中できたし。でも、最後は抜かれたかと思った。落車の影響があるしデキは悪いね。もっと乗り込んで感覚を戻さないと」
 地元期待の三宅達也は決勝進出ならず。
 「特別を獲る選手は強い。自分のタイミングで仕掛けたし、駆けてからも良いペースで駆けたのに。もう一回踏み直す脚がなかったね。特別を獲るには、あれを合わせないといけないんですね。まだまだ頑張らないといけない」


<10R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手
三宅伸選手
三宅伸選手
   10レースは逃げる志村太賀を、荒井崇博(写真)が七番手からまくる展開に。最終バックで志村は懸命に合わせたものの、荒井がこれを力でねじ伏せて1着フィニッシュ。
 「合わせられてしまったし、山崎のレースよりも見た目が悪いね。今日は苦しかったよ。予想した展開と少し違ったし、後ろに迷惑をかけたけど、ラインの3人で決めるにはあのタイミング(4コーナー)しかなかった」
 最後の直線で合志正臣を退かし、鈴木誠が2着に入った。
 「荒井君を止め切れなかったんで、合志君を退かすしかなかった。今日は志村君がうまく駆けてくれたし、掛かりも良かったよ。自分も今回は調子が良いね」
 中団に入った石丸寛之だが、荒井に先に行かれてまくり不発。地元勢は三宅伸(写真)が3着に入るのが精一杯だった。
 「誠さんが外を気にしていたし、最後は内を行くしかなった。後ろの内藤のコースをふさぐ形になるけど、自分も決勝に乗らないことには」


<11R>
菅田壱道選手
菅田壱道選手
立石拓也選手
立石拓也選手
   11レースは小嶋敬二がまくり不発で脱落。レースは菅田壱道と小嶋で警戒し合うところを、立石拓也が意表を突くインまくり。ゴチャついた所を、最後は佐竹和也が鋭く追い込んで1着。大波乱の最終レースとなった。
 「まさか立石さんが内を行くとは思わなかったし、前と車間が空いてしまい菅田君に入られてしまった。最後は外はいけないし、中を割るしかなかったけど、まさか1着になるとは。今年はF1の決勝にも乗ったことがないのに、記念の決勝に乗れるなんて自分でもビックリ。踏んだ感じですか? これで悪いと言ったら怒られるでしょう」
 菅田壱道(写真)は予想外の展開も慌てなかった。内を締めて番手にはまると最後は落ち着いて追い込んだ。
 「1着かと思ったけど、決勝に乗れてすごくうれしい。全く予想していなかった展開になったし、このバンクは何かツキがありますね。初日は風が強くて、重たい中を先行して9着になったけど、気持ちを切り替えていけたのが良かった。今日は小嶋さんの当て馬だったし、逆に緊張せずにいけたのが大きかったですね。明日は山崎さんの前で思い切ったレースがしたい」
 大波乱を巻き起こした張本人、立石拓也(写真)も3着で決勝進出を果たした。
 「菅田君は小嶋さんを警戒しているだろうから、絶対に内が空くと思っていたし狙っていました。体もしっかりと反応してくれたし、今日が一番軽かったね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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