『玉野競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 初日編
配信日:11月28日
いよいよ28日から玉野競輪場開設59周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦(G3)」が開幕しました。競輪祭から、中3日と上位選手にとっては厳しいスケジュールとなりましたが、バンクではそんな疲れを感じさせない激戦が繰り広げられました。
なお、二日目は先着1000名様にオリジナルシャープペンが配布されるほか、お子様向けの「わくわくお菓子つかみ取り」(正面サービスセンター横)や女性限定の「ケイリン舞台裏見学ツアー」など、場内イベントも充実のラインナップ。せっかくの日曜日ですので、お誘いあわせのうえぜひ本場でレースをお楽しみください。
<1R>
オープニングレースを制したのは
落合豊
。先行した今泉薫の番手から4角では笹倉慎也の後位に俊敏にスイッチ。直線で鋭く突き抜けた。
「本当は笹倉君を止められれば良かったけれど、勢いが違いすぎたからね。それでも上手く切り替えられたし、動きは問題ない。良いスタートが切れたし、明日も頑張ります」
好回転でまくった
笹倉慎也
も2着に粘り込み、課題だった初日予選を突破した。
「今日はギアを一枚落としていたので、押えに行くのがきつかった。思いのほか脚を使ってしまったが、全体的にレースを動かせたし、良い競走はできました。明日も気を引き締めて頑張りますよ」
<2R>
鈴木庸之選手
最終バック7番手から仕掛けた
鈴木庸之(写真)
が圧巻のスピードで前団をひと飲み込み。番手の中山善仁と1着同着で共に勝ち上がった。
「新潟から二人で来て、1着を分け合えたのだから最高ですよ。脚も軽かったけれど、それ以上に今日は展開に恵まれましたね。後方になったけれど、レースはしっかり見えていました。来期からはA級なので、それまでにS級で勝ち癖をつけておきたいし、価値ある白星です」
<3R>
藤木裕選手
巧みな運行で中団を確保した
藤木裕(写真)
が最終バックからまくり1着をもぎ取った。
「打鐘前から旭さんが車間を切っているのが分かったので、その動きだけを見ていました。合わせて踏んだのは身体が勝手に反応したから。結果、上手く中団が取れましたね。新藤さんのブロックだけを警戒して自分のタイミングで仕掛けました。今回は何としても村上博幸さんのSS班入りに貢献したい。そのためには自分が上まで勝ち上がるしかないですからね」
前受けから7番手まで下げた
山口貴弘
は渾身のまくりも2着まで。
「旭さんがベタ流しだからきつかった。今日はとにかく藤木より前にいるべきでしたよね。最後はムリクリ仕掛けたけれど、車の出が悪かった。流れに乗れていませんね」
<4R>
先行一車の増成富夫後位が三車併走の大渋滞となったところを、
西徹
のまくりが炸裂。鷲見逸喜をつれ、ラインでワンツーを決めた。
「今日は増成さんの踏み方次第で作戦を考えていたけれど、前受けの成清君も粘る雰囲気だったので、まくりに構えました。増成さんの後ろが大きく空いていたので、大事をとってそこで少し休めたし、落ち着いたレースが出来ましたね。初日を良い形で乗り切れたので、明日以降も頑張りたいですね」
マイペースで先行した
増成富夫
も後ろが3車競りでは万事休す。3着に粘り込むのが精一杯だった。
「長谷さんも好きに走れって言ってくれていたし、自分としては良い感じで踏めていたけど、あそこまで隊列が短くなってはね。何とか勝ち上がれましたけどね…」
<5R>
平原輝弥の先制をすかさず最終ホームで柴田洋輔が叩くと、柴田ライン三番手の
清水敏一
が最終4角で内を突き、直線で柴田と尾崎の間を鋭く突き抜けた。
「柴田君は本来のデキではないかもしれないけれど、上位選手の走り方をしてくれた。おかげで、僕も引き出してもらえましたね。僕も最近は競走得点が下がりすぎなので、ファンの人に忘れられる前に点数を上げていかないと。また明日からも頑張って行きますよ」
<6R>
佐々木昭彦選手
最終4角5番手から内に斬り込み直線を鋭く伸びた
佐々木昭彦(写真)
がうれしい今年初勝利。
「僕が一番好きなコースを踏めました。良く伸びましたね。みんな重そうに走っていたけれど、僕は1週間自転車に乗れていなかった事が逆に良かったんですかね?、感触は良かったです。これでようやく今年1勝目、長かったですよ」
一方、全く車が進まなかった
山田英明
は7着の結果にクビをひねる。
「チェーンのセッティングを間違えたのかな?、全く伸びませんでしたね。でも状態が悪い訳ではないし、明日までにはきっちり修正できるはず。気持ちを切り替えてまた頑張ります」
果敢な先行策をみせた
稲川翔
だったが直線で力尽き5着に沈む。
「掛かりがイマイチだったし、細切れ線だったからペース配分も難しかったです。状態自体はだいぶ上向いてきたけれど、まだ落ち着いてレースが出来ていませんね」
<7R>
高城信雄選手
最終ホームからカマした
高城信雄(写真)
がそのまま粘りこみ、この日初の逃げ切り勝利をマークした。
「今回から、タテパイプを立てた新フレームを使っているけれど、良い感触で、これから自分の武器になって行きそうですね。ずっと記念では結果が残せていなかったけれど、今日は良いカマシを打てた。ようやく自分のレースができました。ずっとどん底の状態だったので、この勝利は自信になるし、自信にしていかなくてはいけませんよね」
高城に叩かれると、すかさず三番手に飛び付いた
守谷陽介
は直線で車群に沈むも6着と首の皮一枚で勝ち上がりを決めた。
「高城さんに飛びつくのが精一杯。あそこで脚を使いきってしまった。それにしても焦って必死で踏んだので先行したときよりもキツかったです。でも、何とか(二次予選Bに)生き延びられたので、ここから這い上がっていきますよ」
<8R>
最終バック4番手から4角で内を突いた
大薗宏
が強烈な伸び脚を見せて1着。二次予選Aへと勝ち上がった。
「最近は後方に置かれる事が多かったけれど、こういう展開になれば僕もちょっとは良い所を見せられますね。練習からずっと感触は良かったし、今日もちょっと踏んだだけで車が結構進んでくれた。冷静なコース取りもできたし、コースが空いたところで瞬時に身体が反応できた。最近は記念での失敗が多かったから二次予選Aは本当に嬉しいね!」
最終ホームで豪快なカマシを見せた
篠原龍馬
は、5着の結果にも納得の表情を見せる。
「誰が前に出ても、絶対にペースを緩めると思っていたし、僕もラインが短いので、いったん引いてカマシを狙いました。ドンピシャのタイミングで仕掛けられたし自分のレースはできた。最後は力不足だったけれど、内容のあるレースができました」
後方に置かれ見せ場なくレースを終えた
柴崎俊光
は悔しさを滲ませる。
「打鐘で突っ張るべきでしたね。レースを見すぎたし、組み立ても失敗。菅田さんにからまれたのも痛かったです。悔しいですね…」
<9R>
岡部芳幸選手
特選レースの初戦を勝利で飾ったのは
岡部芳幸(写真)
。最終ホームからカマした渡邉一成の番手から直線で鋭く抜け出した。
「いやー、一成は強いね。踏み出しのタイミングが分かっていても口が空いてしまうからね。後ろに三宅達君がいたけど、彼も一成に飛びつくところで、だいぶ脚を使っていたみたいだし、何とかしのげました」
バック6番手から2センターで稲垣を捨て内を突いた
山内卓也
が岡部に続き2着入線。快心の伸びに笑顔を見せる。
「ずっと落ち着いてレースが見えていたし、コースも探せていた。それにしても、こんなに車が進んだのは本当に久し振り。正直、手応えは感じていますよ」
岩津裕介
は直線で渡邉と岡部の中を割るも、コースが空かず3着まで。
「突っ込んだ瞬間にコースが閉まってしまい詰まってしまった。あそこで締められなければ絶対に僕が1着に突き抜けていましたよ。脚自体はかなり良いと思います」
直線で力尽き6着に終わった
三宅達也
だが「一成に飛び付いた時点で脚を使ってしまったけれど、動けている分、どん底だった競輪祭から比べればだいぶ上向いているでしょう。地元ファンの声援も本当に励みになりました」と表情は明るい。
<10R>
松岡貴久選手
中団確保から最終バックで仕掛けた
松岡貴久(写真)
が、先行する北勢を豪快にまくりきって快勝。初日で1着失格に終わった競輪祭のうっ憤をはらした。
「今日はギアが勝因。初めて4回転を使ったけれど、中団も取れてまくり切れたのだから十分勝負出来るギアだと思いますよ。本当は競輪祭から使おうと思っていたけれど、使う前に終わってしまいましたからね(笑)。自分のレースは出来たけれど、後ろの先輩二人を連れていけなかった事だけは、悔やまれますね」
『先行のハコ』という絶好位を勝星に結び付けられなかった
成田和也
は悔しさを滲ませる。
「松岡のスピードが違いすぎて対応できませんでした。止めようと思って車を振ったら、もう自分の前にいましたからね。あわてて追いかけるのが精一杯でしたよ」
吉田敏洋が後手を踏み絶体絶命かと思われた
三宅伸
だが、最終バックから内をつき3着に突っ込んだ。
「普段あんなコースを突けるのは、ケン坊(大塚健一郎)と児玉(広志)だけ(笑)。僕も相当調子が上がってきているってことでしょう。うまく井上君の後ろに入れたことや、そのあと誰とも絡まなかったこともラッキーでしたね」
8着に終わった
吉田敏洋
は「打鐘の2センターで仕掛けるべきでしたね。そこで躊躇したのが敗因かな。それにしても玉野はバンクが重い。競輪祭の小倉と正反対なだけにきつかったけど、今日一本走った分、明日は良くなるでしょう」とレースを振り返った。
<11R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二(写真)
が怪物パワーを見せ付けた。中団で終始、内に詰まり下位に沈むかと思われた小嶋だが直線で大外から怒涛の追い込みを見せ、ゴール直前で豪快に突き抜けた。
「本当は(外併走になった)荒井が前を斬ってくれると思っていたんだけどね。読みが外れました。それでも道中は焦りもなかったし、けっこう余裕はありました。明日も自力で頑張りますよ」
小嶋後位からマークを外し内を突いた
村上博幸
だったが、踏み場がなく5着まで。
「小嶋さんにあのまま付いていっても、僕の着はないだろうと思い、内に行きました。でも、一切コースが空きませんでしたね(苦笑)。ただ、調子は悪くないし、脚にも余裕があった。今日脚を使ってない分、明日は頑張れそうです」
先行した牛山貴広の番手を回った
兵藤一也
も「牛山も良い競走をしてくれたけれど、あのコースから小嶋さんに来られてはどうしようもないですよ」とお手上げ状態。
先制した
牛山貴広
は「相手は格上だし、あの流れなら絶対に荒井さんが叩きに来ると思っていたから思いっきり全開で踏みすぎました。ペースで駆けれていればもう少し残れたのかな?」とレースを振り返る。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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