『玉野競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:11月29日


 玉野競輪場開設59周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦(G3)」も開催二日目を終了しました。三宅伸や岩津裕介、守谷陽介など、地元勢の奮闘が目立つ今開催。準決勝進出をかけて行われた二次予選と優秀競走「ももたろう賞」中心にレース後の選手の表情を紹介します。
 なお、明日(30日)も先着1000名様に石鹸が配られるほか、抽選で100名様にオリジナルTシャツをプレゼント。また、地元選手によるサイン会や、イベントホールでは緒方浩一氏による「後半3個レース展望」(第4レース発売中)など、イベントも盛り沢山なので、準決勝もぜひ本場でご観戦ください。


<5R>
足達重満選手
足達重満選手
   二次予選の初戦を制したのは足達重満(写真)。まくった山田英明の後位から抜け出し直線で鋭く伸びた。
 「英明が外に浮きながらも、前々に踏んでくれたおかげで僕の展開になりました。4角で気を抜いていたところでブロックを受けたけれど何とかしのげましたね。準決Aは今年1月の和歌山記念以来。直線も良く伸びているし状態は良いんじゃないですか」
 終始内に包まれ絶体絶命だった柴崎俊光だったが、直線で豪快な中割りで2着強襲。しかし、レース後は反省の弁が口を突く。
 「中団にこだわりすぎたし、連日レースになっていません。最後も軽く伸びたし、デキは良いんですけど展開と流れが悪いですね。そこが噛み合えばもっと良いレースを見せられるはず。明日の準決Bは開き直って頑張ります」


<6R>
稲川翔選手
稲川翔選手
   藤木裕が果敢な先行策を見せると、車間を切った稲川翔(写真)が四角から一気に踏み込んで抜け出し、見事1着に輝いた。
 「不慣れな番手の競走だったから、脚うんぬんよりも、気持ち的にしんどかった。車間の空け方も良く分からなかったですしね。それでも藤木があれだけ行ってくれたのだから、僕が1着を取らなければ失礼。何とかあいつの心意気に応えられましたね」
 単騎戦となった笹倉慎也は藤木ライン追走を選択したことが大正解。見事3着に食い込み記念競輪初の準決勝進出を決めた。
 「初めての単騎戦だったけれど、これはこれで楽しいものですね。途中山口さんに粘られたのは誤算だったけれど、僕も外併走は得意だしスイッチが入っちゃいました(笑)。結果的には良い位置をまわれたし、最後も良いコースを踏めました。明日からは今日みたいなレースは封印。準決Cでは先輩の西(徹)さんと総力戦で頑張ります」


<7R>
岩本和也選手
岩本和也選手
   レースを制したのは岩本和也(写真)。ペースで駆けた守谷陽介が押し切るかに思われたところを直線強襲、ゴール寸前に突き抜けた。
 「道中はずっと人の後ろをまわっていたので余裕はあったし、最後の伸びも良かった。親王牌失格の後は、やる事なす事が全部ダメで迷いがあったけれど、今日は久し振りに良いレースができましたね。記念の準決勝は久し振りだし、中部勢もみんな勝ち上がっているので、明日も頑張りたいですね」
 最後の最後で岩本に交わされた守谷陽介は悔しさを滲ませる。
 「昨日と違い、今日は脚を使わずに主導権をとれたし、思い通りに踏んだり止めたりもできていた。内藤さんもしっかり仕事をしてくれていたのだから、押し切らなくっちゃいけないレースですよね。最後は残ったと思ったんだけどな…。油断しましたね」


<8R>
和田健太郎選手
和田健太郎選手
   和田健太郎(写真)が快心のレースを披露。最終バックで佐々木健司が荻原尚人から離れたと見るや、瞬時に後位にはまり込む。直線では荻原との壮絶な踏み比べとなったが、1/4輪差で激戦を制した。
 「今日は自分で踏めたことが大きい。最近は踏む事もできないくらい流れが悪かったですからね。1着を取れたのは、オギ(荻原)があのまま、まくってくれたからで運が良かっただけ。たまにはこういう恵まれもあるけれど、自分で踏んでなければ、オギにハマることもできませんでしたからね。8月の富山記念以降、ずっと流れが悪かったから、今日のレースが大きな転機になりそうです」
 中団確保からまくった荻原尚人は2着の結果にも、納得の表情。
 「和田さんが来たのをみてから踏んだけれど、瞬時に反応できて、先まくりを打てたのだから反応は良いし、最後まで伸びていた。状態は問題ないですよ」
 地元戦の三宅達也は果敢な先行策も直線で力尽き9着に沈む。
 「状態が悪い時は展開も向かない。調子が良いときは自然と中団が取り合いになってくれたりするんですけどね。今日も最終バックからはタレる一方ですし…。練習だけはしっかりして、調子が上がってくるのを待つしかないですね」


<9R>
村上博幸選手
村上博幸選手
   稲垣裕之が先行策を見せると村上博幸(写真)が大きく車間を切ったり、牛山貴広のまくりを張ったりと好援護を連発。ゴール直前で差し図ったかのように交わし見事1着をゲットした。
 「稲垣さんが今までよりギアを上げていたので、いつもと追走の勝手が違い戸惑ったところもあった。それでも稲垣さんが思いっきり駆けてくれたので、僕も自分の仕事をしっかりしてワンツーを決められたし、結果には申し分ありませんね」
 最後は交わされた稲垣裕之も「ようやくまともな先行ができた感じ。ずっと中途半端な競走が続いていましたからね。新ギアにも日に日に対応できているし、後ろも仕事抜群の村上君だから、安心して思い切った仕掛けができました」とワンツーの結果に満足顔。


<10R>
井上昌己選手
井上昌己選手
   初手で前を取った渡邉一成がそのまま突っ張り先行を敢行すると直線で3番手から井上昌己(写真)が突きぬけ1着をもぎ取った。
 「今日は展開に恵まれただけ。僕はずっと人のうしろで脚も使ってないし、最後はコースが空くしツイてました。でも脚の状態は昨日よりは全然良かった。昨日は重すぎましたからね。日に日に良くなっている気はしますね」
 押えに行った所を渡邉一成に突っ張られ、万事休すかと思われた篠原忍だが、立て直し3着に食い込んだ。
 「まさか、突っ張られると思っていなかったし、突っ張られた時点で『終わった!!』と思ったけれど、その後に5番手に入れてもらえたのが大きかった。あれがなければ終わってましたよ。これで準決Aは2回目。記念はまだ、決勝に乗った事がないから明日も頑張りたいですね」
 内藤秀久の強烈なブロックに屈した吉田敏洋だが何とか6着に粘りこみ、首の皮一枚で準決勝Cへと勝ち上がった。
 「昨日よりもだいぶ脚は軽く感じたんですけどね。あのブロックで止まってしまうのは僕の力不足。何とか準決に残れたので明日は頑張ります」


<11R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   優秀競走は小嶋敬二(写真)が「ももたろう賞」の名に違わぬパワーまくりを披露。前日に続きこの日も、内に包まれ後方に置かれる苦しい展開となったものの、最終二角から仕掛けると、圧巻のスピードで大まくり。三宅伸の強烈ブッロクもものともせず、パワー全開で1着をもぎ取った。
 「二日連続で1着が取れているし、今日に関してはあれだけ強烈な(三宅)伸のブロックをしのげたのだから、状態は間違いなく良いでしょう」
 番手絶好も、小嶋のまくりに屈し2着に終わった三宅伸は「なかなか後ろからまくりが来ないので、車間を切ろうとした瞬間に、小嶋が凄い勢いで飛んできた。少し緩めた分、対応が遅れてしまい、止めきれなかったね」と、悔しさを滲ませる。
 目標の岡部が不発とみるや、自ら踏み上げた成田和也が3着に食い込むも「もうひと踏みなんですけどね。バンク自体は走りやすいけど、気温が低いぶん、重く感じますね。もう少し踏めるはずなんだけどな…」と首をひねる。
 先行ライン3番手から5着に終わった岩津裕介は「小嶋さんがこなければライン3車で直線勝負って思っていたけれど、あの勢いで来られてはね。小嶋さんが強すぎます」とお手上げ状態。
 自在戦となった兵藤一也も「三宅さんが車間を切ったからだろうけど、バックがかなり緩んだ瞬間に、カウンターのように小嶋さんが行ってしまった。僕も内に行こうとしたけど、岩津君がずっと締めていたし、最後までコースが開きませんでした。冷静にレースは見えているんですけどね」と無念の表情を見せる。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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