『東日本大震災被災地支援 玉野競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:3月20日
 本日(20日)、岡山県・玉野競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・開設61周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」(GIII)の最終日が開催されました。昨年(60周年)は震災の影響もあり中止となった当開催ですが、見事に優勝を飾ったのは59周年の覇者でもある地元の岩津裕介選手でした。永井清史選手が先行し、番手から三宅達也選手が捲り発進。その三宅選手をゴール前で差し切り、地元勢のワンツー決着となりました。
決勝戦 レース経過
 誘導以下、村上義弘-桑原大志、伏見俊昭、石橋慎太郎-新田康仁、永井清史-三宅達也-岩津裕介-友定祐己で周回を重ねていく。まず永井が上昇を開始すると、石橋も合わせて上昇していくが、打鍾前では永井が石橋を抑えてそのまま主導権を握っていく。中団に石橋、7番手に村上、9番手に伏見の態勢で打鐘を迎えると、永井の先行で、中団の石橋はどんどん車間が開いていってしまう。7番手の村上は最終ホーム過ぎから捲りを打って前団を追っていくが、最終2コーナー過ぎから三宅が番手捲りを放つ。村上も懸命に前を追うが、出切った地元勢が絶好の展開のまま4コーナーを回り、最後は三宅を追走した岩津が差し切って地元記念連覇。2着に三宅で地元ワンツー。3着には村上マークから桑原大志が入線した。


岩津裕介選手
岩津裕介選手
 岩津裕介が地元記念連覇を達成!
「連覇は嬉しいですね。まさかあそこまで(永井が)いってくれるとは。永井もあそこまでいくつもりはなかったとは思うけど、石橋(慎太郎)が合わせてきたので、ペースが上がったし、緩めたら巻き返しが来ると思ってそのままいってくれましたね。その分、僕が楽に回ってきたような感じです。(三宅)達也さんも早めにいってくれましたしね。今回は上り調子だったと思いますし、調子もあるけど、前の選手が頑張ってくれたので流れが向いてくれました。ありがとうございました」

 番手捲りで2着の三宅達也、地元勢のワンツー決着となった。
「もう95%、永井(清史)ちゃんのおかげです。地区が違うのにあんなにいってくれて、嬉しかったです。VTRで見たら仕掛けもバッチリだったと思います。後ろは見えなかったんですけど、永井ちゃんも垂れてきていたし、風もすごかったので、思い切っていかせてもらいました。永井ちゃんに男気を見せてもらいました。徐々に良くなってくれましたし、なんとか戦えました。ワンツースリーまでは決まりませんでしたけど、ワンツーは満足です。また頑張ります」

 村上義弘を追走した桑原大志が3着に入線する。
「村上(義弘)さんのおかげです。離れないように、そこだけしか考えていなかったですよ。出たとこ勝負で、付いていくだけでした。ドキドキしたんですけど、気持ちだけは絶対に負けないようにして走りました。(3着は)嬉しいですね。またちょっともうひと頑張りできそうな気がします」

 単騎戦となった伏見俊昭が4着。単騎の難しさを改めて痛感。
「やっぱりある程度、村上(義弘)さんのラインからと。村上さんは絶対に仕掛けますからね。それで行っても行かなくても、その惰性をもらってどこを踏めるかなという感じでした。でも村上さんが踏むところがなくては…。単騎は人任せの部分もあるので、なかなか難しいですね。じっと脚を溜めるしかないし、位置取りも難しくなってきますし。徐々に良くなってきたと思うし、今日も悪くなかったのに全然踏むところがなくて残念でした。単騎の難しさ、このクラスで単騎になるときついのは分かっていたけど、3日間先行選手が頑張ってくれましたし、良い経験になったと思います」

 岡山勢の3番手・友定祐己は5着。
「すごいハイペースでしたね…。あの展開ならサポートして3着以内はと思ったんですけど、脚が一杯でした。風もきつかったです。車間をあけなかった方が良かったかも。車間をあけて最後に来たら踏み込もうと思ったら、逆に一杯になってしまいました。でも今開催は調子も上向いてきたし、自信にもなりました。次また頑張ります」

 ホーム過ぎから仕掛けた村上義弘だったが、三宅の番手捲りを捕える前は至らず6着。
「僕の判断ミスだったと思います。あそこまでハイピッチなレースになると思っていなかったですし、難しいレースだったと思います。シリーズを通して、ダービー前からこういう状態ですけど、そのなかでも2勝を挙げられたし、こういう着の積み重ねで、今は自分の納得できるレースが出来るようになるのを待つというか、掴みにいく感じですね。現状のデキ、練習の感触から考えたら収穫はあった開催だったとは思います」

 中団に入った静岡勢だったら不発に終わり、新田康仁は7着、石橋慎太郎は9着大敗となった。
新田康仁は「2車だけの先行の作戦。だけど、向こうの方がうわてだったという感じでしたね。昼間はバック追い風で、番手捲りにいってもスピードに乗せられる感じだったのに、顔見せのときは全部風を受けている感じで重かったです。それでもあとは石橋に頑張ってもらって、番手から出て抜かれるか、抜かれないかの勝負が出来るかなと思ったんですけどね。4・25のギアは後ろでも違和感はそんなになかったし、自力でも使えるんじゃないかなという感触は掴めました。収穫はあったかなとプラスに考えます」

石橋慎太郎は「(初手が)後ろだったらそのまま抑えて、誰も行かなかったら前で突っ張り含みで。中団でも永井(清史)を突っ張ろうと思っていたんですけど、風が強くてダメでしたね。永井も強かったけど、詰まっていかなかった、弱いですね。今は先行したら弱いです…。今は自分の持ち味を活かせなかったらダメです。脚もないし、自分から動くとゴマカシがきかないですからね…」

 主導権を握った永井清史(8着)、地区こそ違えどラインの上位独占に貢献。
「風にやられましたね。ホーム向かい風で重かったです。ホームでかからないよりは、バックで乗せちゃおうかなと思ったんですけど止まってしまいました。(石橋の合わせがあったが)石橋さんはそういう選手だと思っていたので。ワンツーが決めてくれたのは良かったと思います。そのうち、自分に流れが来ると思います」

ゴール
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