『玉野競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:2月28日
 玉野競輪開設62周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」が今日から開幕した。2月とは思えない陽気の中、全11レースで熱戦が繰り広げられた。明日は特選を勝ち上がった9名により「ももたろう賞」が争われる。
 明日も場内ではガールズケイリントークショーや緒方浩一氏、佐々木昭彦氏によるおすすめレース展望など多彩なイベントで皆様のご来場をお待ちしております。
<1R>
 オープニングレースは先行態勢に入った箱田優樹を上田隼が叩いて最終主導権。これに乗った朝日勇が番手から鋭く追い込んだ。
 「まくりだと思って構えていたら、いってくれました。あれで正解。ものすごい踏み直しだったし、強かったです」
 上田隼は持ち味を出し切って3着。予選をきっちり突破した。
 「箱田君もゆるい感じで踏んでいたので、出切ることができました。あれより遅くなると渡辺(十夢)さんが切り替えてしまいますからね。勝ち上がれて良かった。十分でしょう」
 渡辺十夢は中部コンビ追走から2着に突っ込んだ。
 「高田(真幸)さんは思った以上にいいスピードでしたね。自分があたらなければ、飲み込んでいたでしょう。ブロックしてから外を踏んだけど、内を突いても良かったですね」

<2R>
島野浩司選手
島野浩司選手
 倉野隆太郎が絶妙のペース配分で逃げて、別線をシャットアウト。番手絶好の島野浩司(写真)がゴール前できっちり捕らえ、連勝を4に伸ばした。
 「倉野君がいいレースをしてくれました。ブロックして戻ったら、また加速していきました。ワンツーは最高の結果ですね。これで前回の奈良記念(の2日目)から4連勝。たまにはこんなことがあってもいいでしょう。勝てているし、調子はいいですね」
 倉野隆太郎はハイパワーで2着に逃げ粘った。
 「島野さんには本当にお世話になっているのに、いつも先行できなくて迷惑をかけてばかり。今日は先行しようと思っていたし、ワンツーが決まって良かったです。重く感じたけど2着に粘れているから悪くないですね」

<3R>
大前寛則選手
大前寛則選手
 地元コンビが魅せた。紀井孝之が打鐘過ぎから果敢に風を切って先行。大前寛則(写真)が番手絶好展開を生かして今年初勝利を飾った。
 「今日は紀井のおかげ。ギアを落として別人になっていました。いいタイミングで仕掛けてくれたし、よくかかっていました。あれでは後ろも来れないでしょう。ギアを上げていたから追走は楽でした。上げていなければ抜けていなかったと思います」
 紀井孝之は前回から気配一変。地元で持ち味を存分に発揮した。
 「後手だけは踏まないようにと思っていた。あのタイミングしかなかった。最後はちょっとタレましたね。一気にいかれて残っていないと思ったけど、勝ち上がれて良かったです。やっぱり3.79のギアの方が自分に合っていますね」
 藤田大輔は後方からまくり追い込みで2着に猛襲した。
 「中団、中団を考えていたけど、踏み遅れて、入られてしまってはダメですね。あの展開から2着まで届いているので、調子自体はいいと思います」

<4R>
 東龍之介の逃げを菊谷信一が中団外併走から力強くまくり切る。山本佳嗣をさばいた望月永悟が4角で車を外に回して一気に突き抜けた。
 「菊谷君は一発で止まったと思ったんですけどね。3コーナーでもっと引きつけてからブロックすれば止まったかも。うまくやればラインで決まったと思うので残念。自分の感触は問題ないです」
 まくった菊谷信一が2着に入り、高配当を演出した。
 「自分には踏む距離が長かったので、出切れなかった場合は番手、3番手に斬り込むことも考えていました。ブロックで腰砕けになったけど、それでもまくり切れたので悪くないですね」

<5R>
野本翔太選手
野本翔太選手
 石川雅望の先行を三ツ石康洋が中団から先まくり。乗った野本翔太(写真)が直線で鋭いキメ脚を発揮した。
 「恵まれました。三ツ石さんが余裕を持っての中団だし、西谷(岳文)さんにかぶる前にいいタイミングで仕掛けてくれました。自分は付いていっただけ。無理やりいった分、最後は差せました。明日が勝負ですね」
 三ツ石康洋は理想どおりの組み立てで人気の近畿ラインを破った。
 「4番車であんまり警戒されていなかったので、すんなり中団が取れました。弱ければいいこともありますね。西谷さんをヨコに置いて、もっと回せれば良かったです。全体的に余裕がなかった。1着が取れなかったし、これが今の現状でしょう」

<6R>
 井上嵩のカマシ先行に別線は沈黙。番手好追走の浦川尊明がゴール寸前で粘る井上を差し切った。
 「今日は前を取って、井上がやりやすいようにと考えていました。本当に強かったです。車間を空ける余裕もなかった。最後は抜きにいったけど、差せないと思ってました。脚に来るのが早かったし、前回の落車の影響が少しあるかもしれない」
 井上嵩は抜群のスピードで別線を圧倒した。
 「来るのが遅ければ突っ張りも考えていたし、主導権はしっかり取ろうと思っていました。馬渕(紀明)さんまで付いてくれたので、3人で決まって良かったです。ただホームは風が強くて苦しかった。得意パターンで抜かれてしまったので、修正する点はありますね」

<7R>
 矢野昌彦の先行を廣川泰昭が後方から豪快にひとまくり。踏み出しで離れ気味になりながらも必死に追った富永昌久が直線でズブリ。今年初勝利を飾った。
 「点数もないし、自分が後ろを回って正解。廣川君ならまくり切れると思いました。追走が下手ですね。遅れてしまったので、まくりのような感じだったけど、脚には余裕がありました。気持ちで走るタイプなので、この1勝は大きい。明日も頑張ります」
 廣川泰昭はロングスパートで人気の矢野を着外に沈めた。
 「引いたらすぐに巻き返そうと思っていました。ホームで仕掛けられたのが良かった。8番手からいけているから悪くない。新車の感じはいいですね」

<8R>
有坂直樹選手
有坂直樹選手
 最終ホームで3人が落車するアクシデントが起こったが、結果的には人気の北日本勢で上位独占となった。逃げた早坂秀悟の番手から有坂直樹(写真)が余裕を持って抜け出した。
 「早坂が頑張ってくれた。記念の予選は久々で緊張したけどね。来期は2班なので、1着を取るクセをつけていかないと。ここは記念で優勝しているゲンのいいバンクだし、いいきっかけになりそう」
 早坂秀悟は落ち着いた走りで危なげなく初日を突破した。
 「ここに来る前は雪であまり練習できなかったんですけどね。今日は力を出し切れたし、状態はいいと思います。1本走ってアタリがついたので、あと3日間は乗り切れると思います」

<9R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
 根田空史が打鐘からハイペースで逃げる。4番手からまくった三宅達也は不発。佐藤友和(写真)が6番手からその上を豪快にまくって圧勝した。
 「1着取れたし、悪くない。今年は例年に比べて仕上がりは早い。調子の方は大丈夫です。明日はギアを4.17に上げる。メンバーがいいから楽しみですね」
 佐藤慎太郎は追走いっぱい。何とか2着をキープした。
 「今日は友和が本当に強かった。ちょっと次元が違いますね。ワンツーが決まって良かった」
 三宅達也は根田をまくれず不発に終わった。
 「根田はよくかかっていました。車の出は良くなかったですね。力のなさを感じました」
 根田空史は格上を相手に先行で真っ向勝負を挑んだ。
 「久々の押さえ先行できつかったです。ホームでいっぱい。三宅さんを併せたところで終わりました」

<10R>
小野俊之選手
小野俊之選手
 吉本卓仁がパワフル先行で別線を圧倒。番手絶好となった小野俊之(写真)がきっちり勝機をものにした。
 「今日は卓仁が頑張ってくれた。うまく駆けてくれたし、ワンツーは最高ですね。(鈴木)謙太郎が調子いいから、そのなかで卓仁もやるだけのことをやって勝てれば自信になりますから。自分も交わせているので悪くない」
 吉本卓仁は好調な鈴木謙太郎、地元の友定祐己を相手に見事な逃走劇を披露した。
 「今の鈴木君を逃がしたら勝負にならないですからね。誘導員を追うのに脚を使ったと思うし、それで勝てたんだと思います。初手の位置取りと展開でしょう。それでもいいタイムが出たし、このメンバーで結果を残せて自信になります」
 鈴木謙太郎は後方から外を懸命にまくり上げたが、4着までが精いっぱいだった。
 「スタートけん制で誘導員を追うのに脚を使いました。ホームで詰まって仕掛けようか迷ったけど、無理だと思って構えました。車の出は悪かったですね」

<11R>
後閑信一選手
後閑信一選手
 最終レースは脇本雄太が制した。打鐘で北津留翼に突っ張られたが、番手にはまり、ホームから再スパート。後続の追撃を力強く振り切った。
 「突っ張られて少し焦りましたが、そのあとは冷静に走れました。ああいう展開になることもあるので、しっかり対処していかないと。明日はいいメンバーだし、こういう組み合わせだからやってみたいこともあるんですが、関東の2人が付いてくれるみたいなので、そうも言ってられないですね」
 後閑信一(写真)は前々に踏んで最終的に脇本の後位をさばいた。
 「前々に攻めた結果。動きも良かったし、いい感じですね。身体が勝手に反応した感じ。明日は脇本君の番手にいきます。連係はもちろん初めて。別線で走ってワンツーはけっこうあるんですけどね。後ろで勉強させてもらいます」
 有賀高士が最終バックで後閑の後位に切り替え、3着に続いた。
 「もつれて結果的に村上の内にいくことになって申しわけなかった。最後まで踏めていたし、脚は問題ないですね」
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