『玉野競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:3月3日
 玉野競輪開設64周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」は3月3日、4日間の熱戦に幕を下ろした。武田豊樹、新田祐大に稲垣裕之とG1クラスの機動型が激突した決勝戦は逃げる新田の4番手を確保した武田がホーム過ぎから新田との踏み合いを力でねじ伏せ、今年1月の和歌山に続き、今年2度目の記念優勝を飾った。
決勝戦 レース経過
 号砲で武田豊樹が外の選手の様子を見ながら踏み上げ、正攻法の位置へ。神山雄一郎、後閑信一、兵藤一也と続き関東勢が前団、新田祐大―岩津裕介―石丸寛之が中団、後方に稲垣裕之―笠松信幸の並びで落ち着く。
 青板のバックで稲垣が上昇し、赤板で武田に並びかける。さらにその上を新田が押さえると、2コーナーで踏み上げ主導権を握る。アンコになった稲垣は後退。一方、前受けから引かずに突っ張る素振りを見せていた武田も冷静に中団を確保。しかし武田は、すかさずホーム前から反撃を開始すると、ペースを保っていた新田もトップギアに入れ先行態勢へ。両者一歩も引かない力勝負となり、武田も苦しい展開に。それでも武田は岩津のけん制を乗り越え直線で新田を捕らえると、力でねじ伏せ優勝を飾った。2着には武田マークの神山、3着にも後閑が続き関東で上位独占となった。

武田豊樹選手
武田豊樹選手
 他のメンバーが「強かった」と口をそろえる圧巻の走り。前受けから上手く中団を確保した武田豊樹(写真)はラスト1周、新田祐大との壮絶なモガき合いを制して優勝を飾った。
 「ほんとはもっと早めに主導権を取りたかったけど、前受けだったんであの位置からの仕掛けになった。何とかラインで決まってよかったです。今日の決勝はG1決勝みたいなメンバー。誰が勝ってもおかしくないし、楽じゃなかったですよ」
 前回の四日市記念から中2日というタイトなスケジュール。「そういうほうが俺も気合いが入るし、頑張らないとと思う」と話すが、続けて「さすがにキツイね」と苦笑い。しかし、ここからは2週間近い配分間隔がある。「また気を引き締めてダービーですね」。前半戦最大の山場であるダービーでは、さらに強い武田豊樹が見られるだろう。

 神山雄一郎もゴール前激しく武田に詰め寄ったが、逆転はならず。
 「合わされ気味だったけど、最後武田は行っちゃったね。苦しいレースだったと思うけど、最後もう1回加速したからね。その武田に外から迫れたので自分的にはいいと思います。そこは収穫があった」

 関東3番手の後閑信一も外を踏んでしっかりと3着に続いた。
 「武田は強いですね。底力を感じました。(4番手に)入ってすぐに行く雰囲気があったし、すごいですね、アイツ。ダービー直前にこのメンバーで走れてよかった。僕も日に日によくなってきました」

 新田を目標に地元記念連覇を狙った岩津裕介だったが、最後まで勝てるコースは空かなかった。
 「新田がフラフラ走ってたし、(武田と新田の)間しかなかった。武田さんが強かったですね」

 武田を合わせたかに見えた新田祐大も悔しさを隠せない。
 「ダメでしたね。やっぱり武田さんは強いです。3番手の石丸(寛之)さんは口が空いてたみたいで、武田さんそこで休んだみたいですね。合わせたかと思ったけど、そう簡単にいかないですね」

 後ろ攻めからレースを組み立てた稲垣裕之は、「(武田に)位置を取られたんが…。また次頑張ります」。後方に置かれてしまったレースを言葉少なに振り返った。


ゴール
↑ページTOPへ