『被災地支援競輪玉野国際自転車トラック競技支援競輪(GIII)レポート』 3日目編

配信日:9月26日
 熊本地震被災地支援第3回国際自転車トラック競技支援競輪・晴れの国おかやま! 瀬戸の王座争奪戦(G3)は後半戦へ。3日目は早朝からの豪雨により、バンクコンディションが悪化し第1レース発走が大幅に遅れるハプニングに。しかし、11時35分に1レースの号砲が鳴るといつもの熱気が戻り、最終レースまで激しい戦いを繰り広げた。メインの準決勝はパーキンス、ブフリ、岩津裕介がそれぞれ勝利し、ベストナインが出そろいました。
 なお、本場ではたくさんのイベント、ファンサービスが予定されております。まずは先着1,000名様に粗品をプレゼント。また、毎日100名様に瀬戸の王座争奪戦オリジナルクオカードが当たる抽選を実施いたします。また、地元岡山の選手が1着になった場合には選手によるTシャツの投げ入れ。競輪グッズの販売コーナー、本田晴美氏、山口幸二氏、山田裕仁氏ら元選手による予想会、豪華賞品が当たる未確定車券抽選会(3,000円分で1回)が行われます。さらに、27日(火)の最終日は、ほほえみマリン大使・ガッツ玉ちゃんによるお出迎え、決勝戦出場選手特別紹介(第7R発売中)、豪華景品が当たる「優勝者当てクイズ」、決勝戦表彰式が行われます。お楽しみに。
ケイリンエボリューション出場メンバーが集う
ケイリンエボリューション出場メンバーが集う
<10R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
和田圭選手
和田圭選手
 レースが動いたのは赤板手前。後ろ攻めの松岡篤哉が上昇し打鐘で叩くと、前受けから車を下げた渡邉一成と追い上げたシェーン・パーキンスで3番手が併走になる。澤田義和のけん制をかいくぐったパーキンスは2コーナー手前で外併走から反撃を開始。グングンとスピードを上げていくと後ろ置き去りにし、無傷の3連勝で決勝進出を決めた。
 「最初は1(渡邉)ラインを追うつもりだったけど、難しかったので別のプランに変えてそれがうまくいった。(澤田のけん制は)あれが競輪だから分かっていました。あとは天性のインスピレーションで。(最終)バックでダッシュをかけた時はスムーズにいけました。ピンピンピンで来られたけど、明日はG3の決勝だしハードなレースになると思う。明日もファイトします」
 パーキンスと併走になった渡邉一成(写真)は、1センターで澤田の内をすくうと、パーキンスを追う形で2着に入る。
 「片寄(雄己)さんが斬ってパーキンスを受ける雰囲気だったので、それだと後方になってキツいかなと。ただ松岡さんがうまく駆けてくれたので、3番手に飛び付いたんですけど、パーキンスも来ていましたね。その辺りはさすがです。(パーキンスの車輪が)かかっていて、体を当てられなかったので、申し訳ないけど澤田さんの内を狙ってました。磯田(旭)君と併走になった時は、必死にタテに踏んで(しのいだ)。明日の決勝は良いレースをしている(短期登録選手の)2人が相手ですね。記念すべき大会だし、すんなり(優勝を)持っていかれたら面白くないので、北3人で結束して頑張りたいです」
 渡邉マークの和田圭(写真)が好追走を見せ、3着で決勝進出を決めた。
 「自分は(追走に)夢中でした。一成さんが澤田さんの所に入っていくとは思わなかったですね。前が強すぎて、とにかく付いていくだけだったんで恵まれました。調子は普通だと思います。明日もしっかり前に付いていきたいです」
 二次予選で連係したパーキンスとは袂を分け、自力で挑んだ片寄雄己だったが、見せ場を作ることはできず。
 「ちょっと意外な展開になってしまって…。松岡君(の動き出し)が思ったより遅かったので。残念ですけど仕方ない。ギアは戻したので、感覚自体は大丈夫です」

<11R>
マティエス・ブフリ選手
マティエス・ブフリ選手
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 マティエス・ブフリ(写真)が3連勝で決勝に進出した。レースは北津留翼が後ろから上昇して誘導員の後ろが入れ替わる。ブフリは前受けから7番手に車を下げると、打鐘の2センターから一気の反撃に出た。最終ホームで北津留を軽々と叩いて主導権を奪うと、そのまま世界レベルのパワーで押し切った。
 「今日は去年を含めて1、2を争う良いレースができました。それは仕掛けるタイミングが良かったのと、ダッシュをしたときに踏みっ放しにできたので。(3走して)自信は付いたけど、1レース、1レースごとに内容は違うので。とにかくG3の決勝に乗れて嬉しい。決勝もすばらしいレースがしたい」
 伏見俊昭(写真)はブフリの踏み出しに口が空くも、最終1センターで付け直してマークの2着。
 「分かっていても離れてしまった。踏み出しの練習をします。(ブフリは)お尻を降ろしながらいっていたね。(付け直してからは)外はこないと思って、内だけ締めて。あれは2周行っても抜けない。構えないで先行してくれて感謝です」
 ブフリライン3番手の紺野哲也は千切れ、北津留翼が3番手を確保。そのまま3着に流れ込んだ。
 「強いですね。ダッシュ力がある。伏見さんもいたし、郡司君もきていて。いくスペースがなかったです」
 ブフリの仕掛けを追った郡司浩平は4番手の外でひと呼吸入れると、最終2コーナーから再度アタック。軽快なスピードを見せたが、ブフリに合わされ4着に終わる。
 「あー悔しい。打鐘の所で古屋(琢晶)さんを入れるかどうかで迷ってしまい、引いてワンテンポ遅れた。北津留さんの前までいければチャンスだったけど。スピードが良かったから、行けたと思ったけどダメでしたね。一瞬夢を見たけど。ブフリは流していて、思い切り踏み直されました。3着に入れるチャンスはあったんだけどね」

<12R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 赤板で稲毛健太が、さらに矢口啓一郎が押さえた所を原田研太朗が打鐘でカマして主導権。原田が軽快に逃げていくなか、岩津裕介(写真)は車間を空けて援護していく。8番手から稲毛がまくるも車は伸びず。さらにバックで矢口もアタックするが1車進んだだけ。最後は岩津が追い込んで1着を手にした。
 「原田君は掛かってましたよ。残り2周半から駆けて、まくらせないペースで行ってたし。僕は付いて余裕がなかった。武田さんが見えたので最後抜かれたかと思った。明日は作戦を考えたら寝られなくなるんで出たとこ勝負で。相手は強いからね。調子は変わらないけど、気持ちを上げていきます」
 目標の矢口が止まると、武田豊樹(写真)は自分で前に踏んで2着に入る。
 「今日は矢口君に任せていたし、作戦を立てて走ったけどね。原田君のラインが長かったけど、そこだけではないので。佐藤(幸治)君がポイントでしたね。あれで矢口君も脚力をロスしたし、まくれなかったし。無理矢理行ってくれたけど、展開が厳しかったですね。今日は1着に届いてる感じで踏んでたけど…。疲れを感じますね。連戦してるからね。でも残り1戦なんで、決勝は自力で頑張ります」
 逃げた原田研太朗は3着に踏み止まる。
 「久しぶりに奇麗に先行したけどキツかったですね。今日は重たかったけど、岩津さんもけん制してくれてたし、僕は前を見て踏むだけだったので。風を受けて走れたのは大きいと思います」
 筒井敦史は直線勝負に敗れて4着。地元で決勝進出ならず。
 「俺が弱いだけだね。ずっと内を締めていないとダメだし、最後武田さんが見えたから踏んだけど遅かった。いつもそうなんだよね。ゴール後に伸びていく感じなんですよ」
 「緩んだ所でカマそうと思ってたけど」と話すのは稲毛健太
 「8番(松本大地)が浮いていたのを見てしまったし、しっかり武田さんの後ろに付けていればよかった。そこから6番(佐藤幸治)の動きを見てしまい、出るタイミングが遅れてしまって。そのまま行けばよかったですね」

<最終日・9R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)>
テオ・ボス選手
テオ・ボス選手
フランソワ・ペルビス選手
フランソワ・ペルビス選手
坂本貴史選手
坂本貴史選手
 国際競技大会のルールで争う「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」が最終日の9Rに行われる。今回は初めて外国選手も参加して大注目の一戦だ。テオ・ボス(写真)は9年ぶりに来日。一時期はロードレースに転向したが、トラック競技の世界に舞い戻り、リオ五輪にも出場した。
 「オリンピックが終わってからは疲れていたので、2週間休んで。(その後は)1週間前から良い状況です。ここまでは基本のトレーニングをしてきました。特にジムで耐久力のトレーニング。オリンピックのときはスプリントが多いし、競輪には体力が必要なので。(9年ぶりの来日だが)時間が早く感じるよ。明日は勝って、ファンにテオ・ボスが帰ってきたことをアピールしたい」
 フランソワ・ペルビス(写真)は、今回が来日6回目。過去には和歌山など3つのバンクレコードを更新するなど、異次元のスピードを誇る。
 「オリンピックが終わって2週間休んで、ゆっくりしてきました。ここまでは普段通りのトレーニング。(状態は)パーフェクトじゃないけど、まあまあです。(エボリューションは)普通より簡単ですね。ラインもないし、プッシュもないので。(どう戦うかは)レース中に考えて。全体を見て決めたいと思います。でも、まくりスタイルですね。今のバイクは早いし、(今回の来日で)レコードを塗り替えたい」
 ナショナルチームに所属していた坂本貴史(写真)も侮れない存在。父・勉氏から受け継いだ鋭いタテ脚で敵を一掃するか。
 「カーボンは全プロ(記念)から乗っていなくて、今回は半日だけ乗ってきました。乗った感触は普通ですね。でも、体のコンディションは良いと思う。あとは自力で力を出し切れれば」
 本業の競輪では好成績を収めている山中秀将。カーボンフレームを巧みに操れば、逆転も十分可能だ。
 「(カーボンで)練習はしました。ここまではカーボンしか乗っていません。でも、地区プロも出ていないので、今までカーボンにあんまり乗ったことがない。タイムはそれなりに出ているけど、体の疲れが違いますね。状態は悪くないです」
 友定祐己は地元を代表して参戦。相手は強力だが、何とか爪痕を残したい。
 「色々とやって何となく乗れるようにはなったけど、そもそも年に2回くらいしか(カーボンフレームに)乗らないので、慣れている人に比べればその差は大きいと。普通の競輪ならイメージできるけど、今までは日本人だけだったし、今回はイメージできないですね」
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