『被災地支援競輪玉野競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:3月1日
 平成28年熊本地震被災地支援競輪・玉野競輪開設66周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」が明日2日から開幕する。村上義弘、金子貴志、石井秀治らの強豪をS班の岩津裕介を筆頭に友定祐己、三宅達也ら地元勢が迎え撃つ。予選にも太田竜馬、竹内翼と注目の若手がそろい見どころの多いシリーズになりそうだ。
 本場ではさまざまなイベントで記念開催を盛り上げます。期間中は毎日、緒方浩一氏、佐々木昭彦氏、山口幸二氏、山田裕仁氏によるレース検討会や未確定車券抽選会(未確定車券2000円分で1回抽選)が。明日2日は山口幸二氏、山田裕仁氏によるトークショー(7R発売中)も予定されています。明日から始まる「瀬戸の王子杯争奪戦」をぜひ本場でお楽しみください。
<1R>
川口聖二選手
川口聖二選手
 オープニングレースは好調を実感する川口聖二(写真)が主役。圧倒的な機動力を駆使して別線一蹴を誓う。
 「調子はもちろんいいですけど、1レース1番車ってのが久々で。2年ぶりくらいですかね。朝が苦手ってわけじゃないですけど、やっぱり少しだけ緊張しますね。今回は4日間連対するくらいのつもりでしっかり戦います」
 番手を務めるのはリズム良く参戦する松尾淳だ。
 「いや、この成績は本当に恵まれ一本なんですよ(笑)。川口君とは久々だし、こんなに強くなってからは初めてなので、油断せずにまずはしっかりついて行きたい」
 西武園、川崎とF1戦2場所連続で優参中の宮下貴之も不気味な一人。
 「何を変えたってことはないんですけどね。やっぱり流れって大事ですね。でも、目先の点数とか着とかを気にし過ぎるのをやめて、自分のレースをしようと思うようになって結果が出てきてますね」

<2R>
 パワー自慢の橋本智昭が一次予選突破へ自信をのぞかせる。
 「玉野は昨年も呼ばれているので記念は2年連続。重さも気にならないし苦手イメージはないですね。いわき平と大宮は良くなかったですけど前回の伊東は感じ良く踏めたし、戦えたので。調子自体は上向きなので、前回より良いと思います。自分のレースをしっかりして、勝ち上がります」 
 橋本に挑むのは地元記念初登場となる月森亮輔だ。
 「初めてだけど緊張よりも楽しみな方が上ですね。昇級後の成績は良くないですけど、自分の中ではそこまでダメって感じはしないので。地元だし初日くらいは突破していいところを見せたい」
 高校時代まで岡山県で過ごしていた筒井裕哉は準地元記念ともいえるシリーズとなるが気負いは一切なし。
 「特別な思い入れとかはないですね。いつもどおりに戦うだけかな。前回は落車の影響が出てしまって。そこから1週間くらいしか空いてないので、そこまで変わっていないと思うけど頑張ります」

<3R>
 高橋和也は前回の奈良で優勝。予選では負けられない。
 「前回は人の後ろで2勝して優勝できた。後ろの勉強にはなったけど、まだまだ自分でやりたい気持ちが強いんで。状態は変わらず。ここは一昨年の記念で9911着だったんで、初日が大事ですね」
 新山将史は今年早くも6勝。惜しいところでF1の決勝進出を逃しているが、調子は間違いなく良さそうだ。
 「調子は悪くないし、今回は二次予選を突破したい。去年、玉野記念を走ったときは(3919着で)成績が微妙だった。今回はそれを越したい」

<4R>
 山岸佳太は昨年10月のS級特進後も好成績を続けているが、本人としては納得のいかない部分も多いようだ。
 「状態はそこまで問題はないと思います。基本的にしっかりと練習はしてきたので。最近は情けないレースが多いんでね。勝ち負けも重要だけど、もっと先行を意識していきたい」
 五十嵐力は山本健也を目標に一次予選突破を狙う。
 「最近は番手回りが増えたり、自力とのバランスが難しいけど対応はできてる。そういう練習もしてるので。初日は山本君がいるんで任せるだけ。連係もあります」
 才迫開はここ3場所で4勝。大きな着も目立つが、少しずつ成績が戻ってきている。
 「ちょっと鼻が伸びて来てますか?(笑)。今年に入ってから危機感が出て、まじめに練習するようになった。ちゃんと自転車に乗るようにしてるし、調子も上がって来てますね」

<5R>
竹内翼選手
竹内翼選手
 竹内翼(写真)は1月松山に続き、今回が2度目の記念参戦。前回の高知では決勝3着に入るなど、S級のペースにも慣れ、今回も活躍が期待される。
 「先行で頑張るだけですね。前々回の久留米は連戦で脚がなかったけど、それもいい経験になった。でも高知の前にしっかり休めたし、練習もできたので前回から調子はいい。玉野は去年12月にミッドナイトで走ってます」
 竹内の番手を得て気合いが入るのは原誠宏だ。
 「前々回の豊橋は(2月松山で)落車の影響はないと思ってたんですけどね。修正点を見つけたし、前回は展開がよかったのもあるけど、豊橋よりも良かった。今回も前回の高知よりはいいと思います。竹内君とは前回の準決勝でも連係してますよ」
 このレースで点数最上位の存在は岡光良。雨谷一樹の番手で一次予選突破を狙う。
 「練習はちょっとできたんで良くはなってるかな。雨谷君はダッシュ型なんで踏み出しにしっかり遅れないようにしたい」

<6R>
 ここは金子哲大の機動力が中心。細切れでライン3車の利を生かして、主導権を握るか。
 「時期的に寒くて重いこの時期はあまり得意じゃない。調子が悪いとは思ってないけど、今は耐えてる感じですね。細切れで3車だしやりやすいと思うんで、まずは3人で勝ち上がれるように」
 番手の河野通孝も近況は安定している。
 「特に変わらずですかね。良くも悪くもない感じ。金子君が強いのでしっかりついていきたい」
 田中孝彦は変幻自在の走りで関東勢に迫る。
 「金子君が強いんでね。あまり走ったことがないけど、先行するイメージがある。状態は良いと思うので、あとは展開というか上手く走りたい」

<7R>
 栗山俊介は前回、名古屋で今年初優出。気を良くして記念開催に乗り込んで来た。
 「前回は自分の展開のレースをモノにできた。ただ、相手が強くなってくると先行だけじゃ結果が出ない。なので、ただ先行するんじゃなくて、出られたときにヨコの対応も少し身につけたい」
 掛水泰範は2月豊橋で821着、補充出走の高知で1着と一時の不調は脱した感じだ。
 「勝ってるのは一般戦だし、勝ち上がれてはいないんでね。豊橋、高知と前のフレームを使ってたけど、また今回から1月に使ってた新車に戻す。松山記念ではセッティングに悩んでたけど、セッティングというより僕の脚が負けてる感じ。初日は後ろが(野本)翔太なんで行けるとこで目いっぱい行きます」

<8R>
堀内俊介選手
堀内俊介選手
 堀内俊介(写真)は前回の川崎でS級初優勝。今シリーズも活躍が期待される選手のひとりだ。
 「成績はいいけど、足りないところはたくさんあります。まずパワーが足りないですね。今回は記念だし上位の選手と戦うチャンス。上位と戦えるようにしたいし、そこで課題を見つけて、その課題をつぶせるようにしたい」
 猪俣康一は前回の西武園で久々の優出。連勝で勝ち上がるなど、動きの良さが光った。
 「しっかり考えて走りたいですね。直前は金子(貴志)さんと合宿で距離を乗って来たし、感じ的にもいいかなと思います」

<9R>
太田竜馬選手
太田竜馬選手
 太田竜馬(写真)が予選のメーンを務める。玉野はデビュー間もない8月にバンクレコードを塗り替えた思い出のバンクだ。
 「前回の川崎は初日風がキツくてダメだったけど、2日目はいつもどおりの力が出せた。決勝もイケるかなと思ったけど、次につながればですね。ここでバンクレコードを出してから衰退期に入ったんで(苦笑)。でも(タイムが)出るってことは苦手ではないと思います」
 西岡拓朗は太田のダッシュに警戒心を強める。
 「僕の状態は悪くない。中4日であまり練習はできなかったけど、休みながら調整もできました。まずは千切れないようにですね。最初の3歩だけ集中していきたい」

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友定祐己選手
友定祐己選手
 ここからは特選。吉田拓矢は先日終わったばかりの地元G1戦をこう振り返る。
 「全日本選抜は地元のG1で思い入れがあったけど、収穫もありましたね。脇本(雄太)さんと真っ向勝負して力の差も分かったし、諸橋(愛)さんから逃げ切れたのもよかったかなと思います。その後は玉野記念に向けて切り替えてやってきました。力を出し切るレースで勝ち上がっていきたい」
 吉田の番手を回るのは芦澤大輔だ。
 「全日本選抜はそんなに良くはなかったですね。ここからはダービーに向けて調子を上げていきたい。(全日本選抜から)そう上積みはないですけどね。まずは一走走ってみて」
 2月は奈良記念の根田空史にはじまり、千葉勢が記念で大活躍している。今回追加参戦の近藤隆司もこの流れに続きたい。
 「追加は3日前ですかね。大丈夫です。3週間空いたんでのんびりできるなと思ったんですけどね。練習は変わらずやってたし、(追加で)ウエイトの予定が狂ったけどフレッシュな状態で来てるんで。その辺は走ってみてですね。千葉すごいですね。僕も引き継げるように頑張ります」
 地元記念に気合いが入るのは友定祐己(写真)だ。
 「一昨日ぐらいにだいぶ感じが良くなってきた。もうちょい上げられたら良かったんですけどね。(北津留)翼はいつも頑張ってくれるので任せます」

<11R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
 地元のエース、岩津裕介(写真)は11レースに登場。4度目の地元記念制覇へ、初日は原田研太朗の番手でシリーズの好スタートを切る。
 「全日本選抜は悪かったです。終わってからは意識して、修正できるようにやってきた。(優勝を意識するのは)まずは決勝に乗ってからだと思うので、そこを目標にやっていきたいですね」
 原田研太朗は全日本選抜でも2勝と好調を維持している。
 「G1後というのもあるので、その惰性で練習はしていました。体調も崩してないです。意識的にだけど、最近はバックも増えてきた。岩津さんとの連係は最近多いし、成績も良くなってきてます」
 山田久徳は約1カ月ぶりの実戦となる。
 「日が空いたので、練習はしっかりやって来ました。脚は変わらないと思うけど、あとはレース勘だけですね」
 金子貴志は全日本選抜のあとに合宿をこなして玉野に乗り込んできた。
 「取手から中1日で石垣島に愛知の合宿で行ってきた。疲れはないと思う。全日本選抜も悪くはなかったと思うし、石垣島でロードの練習をして得るものもありましたね。感触もよかった。久徳はたぶん初めて。でも強いのは知ってますから」

<12R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 昨年はグランプリを制し、初のMVPにも選ばれた村上義弘(写真)。玉野記念は3年ぶりで、62周年記念では優勝もしている。
 「(最優秀選手に)選んでもらって、(表彰式で)改めて実感もしたし、しっかり頑張っていかないと。取手(全日本選抜)のあとは表彰式もあったけど、腰痛も出たんでうまく調整はできてない。(初日は中井俊亮と一緒だが)中井は前後で迷う選手じゃないでしょう」
 中井俊亮が村上の前を走るのは3回目。昨年10月の熊本記念で2度連係したときに村上は勝っているが、中井は2度ともに着外。今度こそ決めたい。
 「脚の状態は良いと思う。練習はしっかりできたので変わらずの調子でしょう。村上さんに任されたし、自分のやることをやる。今回は自分も3着までに入るようにしないと」
 千葉勢の快進撃は「俺からでしょう」と笑顔で話すのは石井秀治。1月奈良を途中欠場しているが、続く全日本選抜では2勝3連対とその不安を一掃する走りを見せた。
 「奈良はインフルエンザで欠場になったけど、状態を戻すこともできたし、奈良の前にレベルアップしていくことができましたから。今はパワーの数値もすごく上がってる。間隔的にもちょうど良いくらい空いてるから今回も大丈夫でしょう」
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