『被災地支援競輪玉野競輪開設66周年記念（GIII）レポート』 3日目編
配信日：3月4日
平成28年熊本地震被災地支援競輪・玉野競輪開設66周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」は佳境の3日目。今日は準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。いずれも激しい争いとなったが、原田研太朗、岩津裕介に金子貴志が準決勝を快勝。岩津は明日の決勝戦で地元記念4度目の優勝を狙う。また、第9Rで熊本地震災害復興支援レースが一発勝負で行われる。
本場ではほほえみマリン大使・ガッツ玉ちゃんによるお出迎え。グラビアアイドルの佐々木麻衣さんのトークショー&ツーショット撮影会（5R、8R発売中）や玉野ご当地ヒーロー「東児ライダー8ショー」（4R、10R発売中）などさまざまなイベントを予定して開催最終日を盛り上げます。注目の決勝戦はぜひ玉野競輪場でご観戦ください。
＜１０Ｒ＞
原田研太朗選手
神山拓弥選手 |
後ろ攻めの早坂秀悟の後ろは齋藤登志信と神山拓弥で競り。原田研太朗にフタをして打鐘で早坂が前に出ると、最終ホームでタイミングよく追い上げた神山がペースを上げる早坂の番手を取り切る。原田がすかさずまくり返すと、佐藤龍二のけん制で番手の三宅達也は離れてしまう。グングン加速した原田研太朗（写真）は中団で大きく空いた車間を詰めた勢いで豪快に前団を飲み込んだ。
「まくりに行ったけど達也さんと決められなくて申し訳ない気持ち。最近1周まくりが多いし、自分の持ち味は出せたかなと思う。かなり緩んでから（の仕掛け）だったから自分で踏み上げる形できつかった。登志信さんも（中団で）離れてたんで届くとは思わなかったですね。しっかり行けて残れてるんで明日もその気持ちで走れたら」
競り勝った神山拓弥（写真）が粘る早坂をとらえて2着に食い込んだ。
「とりあえず自分で勝負しての結果。よかったけど、脚の溜めかたが下手ですね。昨日も溜まらなくて一杯なんで。そこは修正したい。（赤板ホームで内側で）削られ気味で、あのまま入ってても危ない。引いてピンポイントで追い上げられればと、そこ狙いでいた。（取り切ってから）早坂さんが強くて一杯でした。無理して後ろ見て、波作ったけど何もできなかった。ほんと強かったです」
3着に敗れたとはいえ、早坂秀悟の先行も力強かった。
「後ろが競りでもギリギリの範囲で登志信さんとチャンスがあるようにと思った。原田が強かっただけで自分のなかでは完璧だった。日に日に上向き? 明日が一番ピークです」
原田の仕掛けに付き切れなかった三宅達也は「（佐藤の）あおりどうこうより切れてた。研太朗が強い」と7着敗退。
競り勝った神山の後ろで決勝進出のチャンスもあった武藤龍生は「もったいないですね。神山さんがすごく頑張ってくれたんで自分もと思ったけど、内行くか外行くかが難しかった」とレースを振り返った。
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＜１１Ｒ＞
岩津裕介選手
吉田拓矢選手 |
正攻法に構えた吉田拓矢は7番手まで車を下げたが、中バンクに上がってけん制する別線の動きもかまわず打鐘前から踏み込む。坂本亮馬のけん制もしのいで逃げる川口聖二を叩き切ると、高橋陽介のまくりを番手の岩津裕介（写真）がブロック。粘る吉田をゴール寸前でとらえた。
「タイミングを取るのが難しいレースでしたね。スピードが出る展開にはならなかったし、力でねじ伏せる感じでした。やっぱりファンの声援とか色々な後押しが大きいですね。気持ち的にも体的にも上がってきているし、いい状態で決勝戦を迎えられそうです」
別線の包囲網を力でねじ伏せた吉田拓矢（写真）が2着。今シリーズは勝ち星こそないが、連日積極的な走りで見せ場を作っている。
「坂本さんに持ってこられて。しかも前との車間も空いていたから出切るのに時間がかかってしまってキツかった。後ろがどうこうとか関係なく、攻める気持ちで走れている。疲れもたまってきてキツいけど、フレームの感じが良くて最後まで踏めていますね」
3番手の堤洋までしっかりと続いて優参を決めた。
「岡部（芳幸）さんとからんで危なかったけど、なんとか離れなくて良かった。昨日をしのげたのが大きいですね」
惜しくも4着の岡部芳幸は悔しそうにレースを振り返る。
「（高橋が止められて）勢いを殺して下がるとチャンスはない。行けたと思ったけどね。（ゴールした時に）届いてないとわかった。くそーっ」
高橋陽介は好回転のまくりで吉田に襲いかかった。
「行ったと思ったけど岩津がさすがですね。内に（川口が）いるから持ってこないと思ったら、持ってきましたね。絶好の展開。得意パターンだったけど、しょうがない。（調子が）いいときなら行けたかもしれませんね」
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＜１２Ｒ＞
金子貴志選手
石井秀治選手 |
俊敏に動いた村上義弘が逃げる金子哲大の3番手を確保。ホーム過ぎから仕掛けた石井秀治に合わせてまくると、続いた金子貴志（写真）が抜け出した。
「（村上の番手で）緊張しました。すごいですね。すごい気迫が感じられた。いい経験になりました。ここかなってとこで踏んでくれるんですごいですね。稲垣（裕之）、村上さんの3番手はあったけど、（番手は）不思議な感じでした」
村上に合わせて出られた石井秀治（写真）は三宅伸との外併走を耐えると直線再度伸びて2着に食い込んだ。
「金子（哲大）が焦って行っちゃったから、あれじゃまくって下さいですよね。ホームから行ったけど、スピードが合っちゃって緊急事態で（併走になった）。首は初日より楽になってきたんで、（決勝は）その分も頑張ります」
3着に敗れた村上義弘だが前々に俊敏な走りを見せた。
「金子（貴志）は脚があるんで、僕がどんな展開になっても（優出を）決めると思った。でも伸さんも付いてくれてたので…。イメージしてたよりも脚がなかったです。修正して決勝に臨みたい。自分でしっかり力出して頑張ります」
石井にからまれた三宅伸は4着。
「あれは飛ばせんな。前（に付いて行くので）精一杯だった」と、あと一歩のところで4年ぶりの地元記念優出を逃した。
逃げた金子哲大は「焦って前に踏んだ分、早めにペースが上がっちゃった。なるべくペースと思ったけど、その前にまくられました」。冷静さを欠いた組み立てを反省した。
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＜最終日・９Ｒ 熊本地震災害復興支援レース＞
郡司浩平選手
横山尚則選手 |
最終日9Rに行われる熊本地震災害復興支援レースには好メンバーがそろったが、人気の中心は郡司浩平（写真）。横山尚則や石塚輪太郎の挑戦を力で退ける。
「自力が2人とも勢いがある。僕もそこに負けられないんで。取手のあとも普通どおりにやってきた。変わらず、いい状態は続いてると思う。（人気になる）そういうなかで勝ち切る選手にならないといけないし、その自覚を持って戦いたい」
横山尚則（写真）はG1初出場だった地元戦で大健闘。その余韻にひたることなく、新たな戦いをスタートさせる。
「そこ（全日本選抜）に照準を置いてやって、結果を残せたのは自信になった。やるべきことを4日間明確にして、そのなかでレースができました。そこは評価できるし、大きいですね。終わってひと段落はあったけど、切り替えて来れた。2人とも強いんで挑戦者として挑んでいきたい」
前回の小倉で決勝2着。今期からのS級戦でも存在感を発揮している石塚輪太郎も侮れない。
「S級初勝利はまだ。2着ばっかりですね。でも今のところ思うようなレースはできてるし、結果はあとから付いてくるものなんで。一戦一戦必死だけど、自分の力を出して。ラインで決まることを考えて走りたい」
任せる市田佳寿浩は「取手は成績はアレだったけど順調だったと思う。直前も普通に練習はやってきた」。初連係となる石塚の番手で別線の強力な機動型と好勝負を演じる。
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