『広島競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:12月24日
 伏見俊昭をはじめ、有力どころが相次いで脱落するサバイバルレースとなった広島競輪開設60周年「ひろしまピースカップ」。誰にでもチャンスがあるだけに、決勝戦は大混戦に。レースは後閑信一が男気を発揮して番手の芦澤大輔に絶好の展開となったが、後方で脚を溜めた山賀雅仁が一気のまくりで優勝、G3シリーズの今年最終戦を制した。
決勝戦 レース経過
 号砲で飛び出した山賀雅仁が正攻法に構えると、その後ろには萩原孝之。周回は山賀-萩原-村上博幸-山口富生-上原龍-爲田学-後閑信一-芦澤大輔-大竹慎吾の並びで進む。
 赤板前から上原が上昇を始めると、この動きに村上が続く。上原が2コーナーで誘導を下ろしてペースを落とすと、打鐘過ぎ3コーナーからライン3車の後閑が叩く。後閑はホームから徐々にペースアップすると、中団4番手は内に上原、外に村上で併走に。この決着がつく前に8番手の山賀がバック手前からまくり発進。車間を切って反撃に備えていた芦澤も振りながら前に踏み込む。芦澤、山賀の優勝争いは直線外を伸びた山賀に軍配が上がる。芦澤は惜しくも2着、3着には山賀マークの萩原が突っ込んだ。


山賀雅仁選手
山賀雅仁選手
 「今日は一か八かのレース。僕が動いたら併走になってしまうし、ゴチャゴチャした展開は苦手なんで、引いて一発に賭けました。今回は運が向きました。僕は運だけは良いんで」
 昨年10月に左腕骨折の怪我で長期間戦列を離れ、今年前半も成績が振るわなかった山賀雅仁が見事に復活。この優勝で競輪祭とダービーの出場権利をほぼ手中に収めた。
 「ダブルゲットですね。『怪我は言い訳にならない』といつも思いながら練習してたし、色んな人の支えがあっての優勝なんで皆に感謝します」
 これで来年の目標はG1最高峰のダービーだ。
 「たぶん走れると思うんでね。G1を走るためにはまだまだ力が足りないから練習します。僕は良いときと悪いときの差が激しすぎるから。横や位置取りも課題ですね。良い部分はもっと磨きをかけて、来年はもっと優勝できるようにしたい」

 芦澤大輔は優勝をつかみかけていたが、ゴール寸前でスルリとこぼれ落ちた。検車場に戻ってくると、ガックリ肩を落とす。
 「あそこまで引っ張ってもらったのに…、情けない…。中団がもつれていたとしても、自分が優勝に最短だった訳だから。獲りたかったです。山賀さんが強かったとはいえ、お客さんと後閑さんに迷惑をかけました」

 萩原孝之は懸命に山賀を追い、3着をキープした。
 「当日にギアを4回転に上げたけど、山賀君は4コーナーからまた伸びてく感じだった。強かったですね。ギアの課題が見つかったんで、また来年頑張ります」

 上原龍は内に詰まり、力を出し切れず。
 「不完全燃焼だったけど、良い勉強になりました。僕なんかまだまだ新人の域ですね。また頑張ります」

 村上博幸も中団を争って流れ込みに終わる。
 「関東の作戦は分かってたけど、僕もあの位置は譲れない所なんで。ただ、楽だったし位置を守ることはできたけど、あのギア(4.17)ではあそこから前に踏めなかった。追い込みではいいけど、自力になるとギアが制限されてしまって。ケツを上げることもできなかった。その辺が課題ですね。でも、今回はシューズを戻して感覚が戻ってきたんで、来年を視野に入れて頑張ります」

 後閑信一は作戦通りレースを進め、力を出し切り満足げ。
 「今日は先行しようと思ってたし、自分がもつ位置から仕掛けたけどちょっと重たかったですね。力がなかったんで、また脚を付けるために練習してきます」

ゴール
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