『広島競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:12月9日
 広島競輪開設61周年記念「ひろしまピースカップ」が12月9日、4日間の熱戦に幕を下ろした。無傷で勝ち上がった佐藤友和を筆頭に池田勇人、松岡健介らシリーズを彩った機動型がぶつかった決勝戦。レースは松岡の逃げに乗った川村晃司が番手まくりで優勝。デビュー14年目にして嬉しい記念初優勝を飾った。
決勝戦 レース経過
 号砲で佐藤友和がゆっくりと出て、正攻法に構える。隊列は佐藤―成清貴之が前受け、これに単騎の池田良が続き、中団に池田勇人―松坂英司、後方に松岡健介―川村晃司―東口善朋―三谷将太の並びで落ち着く。  打鐘前の2コーナーから中団の池田勇が先に動いて斬った上を松岡がすかさず叩いて主導権を奪う。踏み出しで少し離れた川村だが、すぐに追い付いて番手をキープ。東口、三谷もしっかり続いて近畿4車で出切る。池田は下げて5番手、佐藤は7番手で最終ホーム通過。全開で逃げる松岡のかかりは良く、完全に近畿勢のペースに。番手の川村は後ろの出方を確認して2コーナーから番手まくり。池田勇、佐藤は動けず不発に終わる。最後まで力強く踏み切った川村が待望の記念初優勝を飾った。懸命に追った東口が2着に流れ込み、近畿ワンツー決着。最終2センターで外に持ち出した池田勇は車が進まず、その内から伸びた松坂が3着に突っ込んだ。


川村晃司選手
川村晃司選手
 「(こみあげて泣いたり)そこまではなかった」と照れ笑いを浮かべたが、川村晃司(写真)にとってはこれが記念初優勝。松岡健介の頑張りがあったとはいえ、そのチャンスをきっちりとモノにした。
 「(打鐘で)離れたんでヒヤッとしたけど、離れなくてよかったです。あとは自分のタイミングで行きました」
 今年は6月静岡、9月オールスターで落車した。「2回目の落車がキツかった。熱も出たし、練習も一気に弱った。今年は厳しいのかなと思ったけど」。本人も驚きの回復力を見せている。
 37歳にしてつかんだ記念初優勝。「ほんまに弱かったし、G1に出るようになったのも34歳くらいなんで。でも年々成績は上がってるんで、まだまだ頑張ります」。記念優勝はあくまでも通過点。来年からはG1タイトルへの挑戦が再び始まる。

 近畿ライン3番手を回った東口善朋が2着に続いた。
 「前2人の頑張りのおかげ。それしか言いようがないです。自分の力ではね。これからも一戦一戦頑張るしかないです」

 池田勇人の仕掛けに乗った松坂英司が三谷将太を捕らえ3着に食い込んだ。
 「池田君がすごいかかってるところを、それでも行ってくれた。それで僕にコースができた。いい組み立てをしてくれました。(今回の伸びは)らしくなかったですね(笑)。来年また頑張ります」

 完全優勝の期待がかかった佐藤友和だったが、7番手不発に。第一声「失敗したなあ…」とつぶやくとレースを振り返る。
 「今日のメンバーでは前を取った人が後ろになる。池田は優勝するなら(松岡の)番手と思ったし、どっかで池田に任せてたところがありますね。打鐘前の2コーナーで全開で踏んでれば、(松岡の)番手に入れたしチャンスがあった。3日間よかったけど、甘いですね」

 池田良は最終バックで最後方に置かれる苦しい展開に。2センターから内を突いたが、5着までが精一杯。
 「展開待ちのレースになってしまったし、レースが見えてなかった。悔しいです…」

 「(初手で)中団になったから先に斬っとくしかなかった」と近畿勢を受けて中団を確保した池田勇人だったが、番手まくりを飲み込むだけの余力は残っていなかった。


ゴール
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