『広島競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:12月15日
 広島競輪開設62周年記念「ひろしまピースカップ」は後半戦となる3日目に突入。メーンの準決勝3個レースは脇本雄太、神山雄一郎、武田豊樹がそれぞれ勝利。そのほか小松崎大地、渡邉一成らベストナインが出そろった。明日の決勝戦で豪華メンバーが激突する。なお、最終日9レースにおいてレインボーカップ・チャレンジファイナルが一発勝負で争われる。こちらも必見だ。
 最終日も先着500名様に選手会広島支部カレンダーをプレゼント。場内では選手会のチャリティーオークション、未確定車券抽選会などが予定されています。ぜひ広島競輪場でお楽しみください。
<10R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
渡邉一成選手
渡邉一成選手
 準決勝一発目のレースは最終4コーナーで成田和也、池田良の2人が落車するアクシデント。後方から豪快にまくった脇本雄太(写真)が激戦を制し、決勝一番乗りを果たした。
 「自分にできることをやるしかなかった。まくりでもしょうがないと思ってました。恵まれましたね。いけるタイミングから仕掛けたけど、成田(和也)さんのブロックがあるので、そこは注意してました。バンクは軽かったし、最後まで踏み切れました」
 渡邉一成(写真)は打鐘で脇本を叩いて先行。後続のもつれもあって2着に粘り込んだ。
 「初手で中団が取れて、いい感じでしたね。脇本が(鈴木謙太郎を)突っ張るのは予想外でしたが、タイミングを見てしっかり仕掛けられました。成田さんが後ろなので安心して駆けられました。でも、落車してしまって申しわけない気持ちです。後半はタレたけど、残れて良かったです」
 落車を避けて外を踏み込んだ牧剛央が3着に突っ込んだ。
 「記念の決勝は2008年の高松以来。池田君が内に入ってヤバイと思って外に回避して踏んだのが良かったです。落車があって素直に喜べないけど、流れがいいですね。タナボタで決勝に乗れました」
 鈴木謙太郎は赤板で脇本に突っ張られたのが誤算だった。
 「けっこういいスピードで押さえに行ったので大丈夫だと思ったんですけどね。あんなに突っ張られるとは。下げてからまた仕掛けたけど、(渡邉)一成さんに合わされました」

<11R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
小松崎大地選手
小松崎大地選手
 前受けから7番手まで下げた小松崎大地が打鐘で一気に巻き返す。才迫開を最終ホームで強引に叩いて主導権。これに乗った神山雄一郎(写真)が直線で鋭く差し切り、きっちり人気に応えた。
 「小松崎君が頑張ってくれました。前に付いた時にすごい強かったので、離れないように集中してました。小松崎君は長い距離を踏んでも強いですね。出切ってもらってから少し余裕はありました。最後は外に(伊藤保文が)見えたので、踏ませてもらいました。小松崎君はそれでも2着に残るんだから強いですね」
 小松崎大地(写真)は才迫をパワーで圧倒。力強い逃走劇でラインを上位独占に導いた。
 「勝負どころでしっかり仕掛けられました。いい感じで踏めたと思います。風もそんなに気にならなかったし、疲れもないですね。今回は豪華なメンバーなんで、収穫がすごい多い。決勝もすごいメンバーだし、中途半端な走りはしない。自力でしっかり力を出し切ります」
 この3番手を回った伊藤保文が3着に流れ込んだ。
 「小松崎君は強かったですね。京都の子達と同じぐらい強いかも。僕はただ付いていっただけ。恵まれました」
 中四国ラインの3番手から伸びた國村洋は4着まで。
 「三宅(達也)さんがもうちょっと早めに踏んでくれれば、もしかしたら惰性をもらって3着に入れたかもしれませんね。でも、良く伸びていると思います」

<12R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
和田真久留選手
和田真久留選手
 中本匠栄が打鐘前から先行。後方から早めに巻き返してきた和田真久留に合わせて吉本卓仁が最終2コーナーから番手まくり。中団の内に包まれていた武田豊樹(写真)だが、バックで外に持ち出すと、そこから力強くまくって人気に応えた。
 「相手は誰でも厳しいですね。ここ何場所か位置を取ってまくりを出していなかったんですけど、ああいう混戦でも1着を取れているし、状態はいいですね。ラインで決められなかったんですが、自分が1着を取る走りはできました。でも、前の3車(九州勢)も隙はあったし、反省点はありますね。決勝も全力を出して頑張ります」
 和田真久留(写真)は吉本の番手まくりにうまくスイッチする形で2着に入った。
 「武田さんは組み立てが完璧ですからね。自分から先に仕掛けるしかないと思ってました。出切る感じで踏んだけど、吉本さんに番手から出られてしまいましたからね。吉本さんの後ろに入れたし、武田さんが来るのが見えてから踏むことができました。連日、自在っぽい感じなんですが、動けていると思います。決勝は単騎で頑張ります」
 和田を好追走した佐藤康紀がしぶとく3着に続いた。
 「和田君が予想以上に頑張ってくれましたね。武田さんの3番手を回る選択もあったけど、和田君の気配が良さそうだったから付けて正解でした。感じも悪くないですね。決勝は福島の後ろで3番手の仕事をするだけですね」
 番手まくりの吉本卓仁は末を欠いて4着に沈んだ。
 「中本が頑張ってくれました。あの展開で決勝に乗れないのは弱いですね。それだけです」

<最終日9R A級チャレンジファイナル>
伊早坂駿一選手
伊早坂駿一選手
石塚輪太郎選手
石塚輪太郎選手
 レインボーカップ・チャレンジファイナルが一発勝負で争われる。3着までに入ればA級2班に特別昇班できる。伊早坂駿一(写真)は105期の卒記チャンプ。デビューから確定板を外したのは1度だけ。持ち前のダッシュを生かして攻め切る。
 「同期はもう10何人も特班してますからね。特班できなかったし、この成績には納得してません。持ち味はダッシュ力。このメンバーでも誰にも負けない自信はあります。前回から1週間ぐらいあって、練習は問題なく今までどおりやってきました。(関東の中では)単騎なんですが、ここと決めたポイントでしっかり仕掛けたいですね。今回で特班できるように頑張ります」
 北浦和人は前回松戸の決勝で落車負傷。今回が復帰戦だ。
 「松戸はデビューして初めての落車。そこまでは順調だったんですけどね。股関節を痛めて、2場所欠場しました。2週間ぐらい練習したけど、感じはそんなに良くないですね。伊早坂君と話して番手を回らせてもらいます」
 石塚輪太郎(写真)はデビューから12場所で優勝5回。連対時の決まり手の7割が先行によるもの。パワーは引けを取らない。
 「何が何でも特班という気持ちはない。自分のスタイルはしっかり貫こうと思ってます。最終バックを取れば3着以内には残れる自信がある。自力で力を出し切りますよ」
 展開の利があるのは一戸康宏だ。同門の野中祐志の番手で勝機をつかむか。
 「野中君とは同級生。一緒に練習する仲だし、連係は3回目。前と後ろ両方あります。番手の時は優勝させてもらいました。去年の3月に胸椎を骨折して1年4カ月休みましたが、復帰してからは順調に上がってきています。最近は調子も成績もいい。ここで特班を決めたいですね」
↑ページTOPへ