決勝戦 レース経過 | |
---|---|
号砲が鳴ると武田豊樹が飛び出すが、最内の脇本雄太がスタートを取った。並びは脇本―伊藤保文、武田―神山雄一郎―牧剛央、小松崎大地―渡邉一成―佐藤康紀、和田真久留の順でまとまった。 周回が進み、青板周回の2センターから小松崎が上昇をはじめ、赤板で誘導を下ろして先頭に出た。北ラインに切り替える者はおらず、引いた脇本が中団4番手、6番手に武田、最後尾に和田の一本棒で流れる。小松崎が後ろを警戒するなか、打鐘前から武田が反撃を開始。すると、小松崎も合わせて踏んで先行態勢に入る。両者のスピードが合うと、武田は内の佐藤をキメ、さらに1車内をすくい、4コーナーでは渡邉を退かして番手を奪取。神山はしっかり後ろに続く。最終ホームを過ぎ、小松崎が懸命に逃げる一方で、2コーナーから武田が番手まくりを敢行。バック前に出切った武田が懸命にゴールを目指すなか、最後は神山が寸前で追い込んで優勝した。脇本は7番手まくりから、直線で外を猛然と迫ったが2着まで。武田は3着となった。
「武田君が全てやってくれました。連係を外せないので、必死に追いかけました。(番手で)少し休んでほしかったけど、すかさず行きましたね。あの辺はやっぱりすごい。あれは後ろもすごい苦しいんですが、しっかり付いていって4角から武田と力勝負ができました」 11月高松に続いて記念を連覇。自身の持つ記念の最年長優勝記録をまた更新した。次走はいよいよグランプリ。競輪界のレジェンドがまだ獲っていない唯一のタイトルだ。悲願達成へ全てをかける。 「今回で色んなギアを試せたし、手応えはつかめました。4.58のギアは少し重たかった。本番はたぶん4.50になると思います。あんまり気負わず、いつもどおりの感じでいければいいですね。グランプリは15回目。最後になる可能性もあるし、精いっぱい頑張ります」 武田豊樹は勝負どころで内をすくって北日本勢を分断。最終2コーナーからすかさず番手まくり。結果こそ3着だったが、グランプリ前に最後の一戦で強さを示した。 「分断は全く考えてなかった。流れでいったけど、分断しといて自分だけ届くような走りはできない。バックは取ろうと。いい走りはできたし、悪くないと思う。でも、神山さんには抜かれるね。神山さんに抜かれるのはしょうがないけど、脇本にも抜かれたのは悔しい」 7番手からまくった脇本雄太は2着。抜群のスピードで前団に迫ったが、僅かに届かなかった。 「力不足ですね。それしかない。武田さんがどこから番手まくりしたのか分からなかった。最後に(渡邉)一成さんに一発もらったのも痛かった」 小松崎大地は赤板前から果敢に主導権を奪ったが、武田に番手に入られては厳しかった。 「力勝負しようと思ってました。相手もあるので、仕方がないですね。(自力型で並ぶのは)北日本の強みでもあるけど、弱みでもある。収穫の多い開催だったし、また頑張ります」 単騎の和田真久留は最後方に置かれて惨敗した。 「初の記念決勝でも緊張はなかった。でも、単騎は難しいですね。何もできなかった。ラインの大事さが分かりました」 |
|
レインボーカップチャレンジファイナル | |
「野中君が前で頑張ってくれたのと、後ろを固めてくれた須永(優太)君のおかげ。野中君に全て任せて信頼して付いてました。番手から出るのは少し遅くなったけど、何とか勝てて良かったです。1、2班戦でも9連勝してS級に特進できるように頑張ります」 101期として期待されながら昨年3月の事故で選手生命も危ぶまれる大怪我に見舞われた。今年7月に復帰してからはVを量産。苦難を乗り越え、見事な復活を遂げた一戸の今後の活躍に期待したい。 埼玉コンビの後位を選択した須永優太が2着に流れ込んだ。 「恵まれました。付いていて余裕はあったんですが、野中さんも一戸さんも強かったです。最後は抜きにいったんですけどね。詰め寄れているから悪くないでしょう」 4番手キープからまくった石塚輪太郎は一戸に合わされながらも最後まで踏み切り、3着に踏ん張った。 「絶好の4番手だったんですけどね。1着取れる展開で勝てずに悔しいのと、特班できてうれしい気持ちの半々です。番手から出られて厳しかったけど3コーナーで何とか我慢できました。今回は勝ちに行ったけど、上に上がってからは先行で力を出し切るレースをします」 伊早坂駿一は見せ場を作れず5着に敗れた。 「あの展開は予想してました。2段駆けの上を無理やり行っても失敗するし、石塚君が合わされたのを見て、2段駆けの後ろに付こうとしたけどダメでした。悔しいけど、また頑張ります」 |