『広島競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:12月23日

 広島競輪場開設65周年記念「ひろしまピースカップ」は後半戦となる3日目に突入。準決勝3個レースをメインに熱戦が繰り広げられた。10レースは地元の松浦悠士がゴール前で落車して大波乱の決着。それでも残りの2レースは本命サイドで収まり、稲垣裕之に村上博幸、地元の池田良、河端朋之、原田研太朗ら好メンバーが勝ち上がった。24日の決勝戦で今年最後の記念覇者が決まる。
 最終日は広島東洋カープの曾澤翼選手、一岡竜司選手が登場。場内広場特設ステージでトークショー&握手会が行われます。さらにBMXショー、和太鼓パフォーマンス、選手会チャリティカフェなどイベントは満載。ぜひ広島競輪場でお楽しみください。

<10R>

河端朋之選手
河端朋之選手

川崎健次選手
川崎健次選手
 竹内雄作が打鐘で先行態勢を取り、松谷秀幸が3番手に追い上げる。前受けから6番手まで下げた河端朋之(写真)がホーム前から巻き返し、かかり切る前の竹内を一気に抜き去る。バック前では松浦悠士に小倉竜二まで続いて3車で出切り、このままラインで上位独占に思われたが、直線で松浦と小倉が接触、そこに松谷秀幸も乗り上げて3名が落車するアクシデント。河端がそのまま押し切り、大波乱の決着となった。
 「自分だけ勝ち上がって複雑な気分です。自分の行くべきところでは仕掛けられていますね。竹内君はペースになると強いのでペースに入れられる前にいった。調子は初日からよくも悪くも変わってないですね」
 直線で外を回した川崎健次(写真)が2着で久々の記念優参を果たした。
 「道中はやることがなかったけど、余裕は少しあった。まわりが見えていたし、直線では危ないと思ったから、ちょっと外を踏みました。伸びたというよりは前が落車で流れ込んだだけです。記念の決勝は3回目です」
 最終バック前に中四国勢の後位に切り替えた北野武史が落車を避けて3着に入った。
 「落車もあったし、もろてをあげて喜べないですね。河端君のスピードがすごくて気付いたらヨコまで来ていた。雄作にスマンと思いながら切り替えさせてもらいました」

<11R>

池田良選手
池田良選手

原田研太朗選手
原田研太朗選手
 赤板で切った小松崎大地を元砂勇雪が打鐘前に叩く。7番手となった原田研太朗は打鐘の3コーナーから巻き返して、最終2コーナーで逃げる元砂をまくり切る。ピタリと続いた池田良(写真)がゴール前で交わして1着を手にした。
 「(原田)研太朗のおかげです。いつもよりも早めに行ってくれて、その気持ちがうれしかったです。2人で決まるなって感じがあったので、あとは抜くだけでした。ワンツーでよかったです。決勝は松浦(悠士)の分も頑張りたい。今回はデキすぎですが、ここで満足せずあと一走頑張ります」
 2着の原田研太朗(写真)が地元勢を連れて、早めのスパートを決めた。
 「昨日(二次予選)よりも早めに仕掛けて行きました。村上(博幸)さんのけん制を乗り越えられてよかったです。(初日終わってから)ギア盤を換えたら、重たいけど引っかかる感じが出てきました」
 3着には最終バック過ぎで俊敏に切り替えた村上博幸が食い込んだ。
 「元砂君がいいレースをしてくれたけど、原田君が強かった。最後は内か外か悩んだけど、外で正解でした。気分的にも落ち着いて走れています」
 元砂勇雪は二次予選に続き、原田に完敗した。
 「打鐘からピッチを上げていい展開になったと思ったんですけど、いい感じで巻き返されてしまいました。昨日(二次予選)と同じような失敗です。センスがないですね」

<12R>

吉澤純平選手
吉澤純平選手

萩原孝之選手
萩原孝之選手
 打鐘で切った森川大輔を中井俊亮が押さえたところを吉澤純平(写真)がすかさず反撃に出る。ホーム過ぎに出切った吉澤に萩原孝之がピタリと続き、3番手の勝瀬卓也は離れながらも前の2人を追いかける。吉澤のスピードは最後まで衰えず、萩原の追撃をそのまま振り切った。
 「行けるところからって感じで作戦は特に決めてなかったです。中井君に思い切り行かれたら厳しいと思っていたんですが、前が少し踏み合って、行きやすくなりました。今回はしっかり力を出し切って、あとは粘り込めるかどうか。結果はあとからついてくると思ってます。決勝はきついメンバーですけど、やりがいがあります。自分の持ち味をしっかり出したいと思ってます」
 好マークから萩原孝之(写真)が際どく詰め寄った。
 「絶好のカマシ頃になりましたね。出脚もすごかったし、道中もすごかったです。最後は差せたかと思ったんですけど、踏み直されました」
 叩かれた中井が厳しいと判断した稲垣裕之はバックから外を踏み込んで3着に食い込んだ。
 「予想外の動きもあって厳しい展開になったんですけど、中井君は前々に攻めてくれました。やっぱり吉澤君を後ろに置くようなレースをしないといけないし、そこの辺は反省です。今回は1着を取れてないので、自分としては不完全燃焼ですね。決勝は今年最後のレースになるので、しっかり悔いのない走りをしたいと思います」
 中井俊亮は力を出し切れないまま7着に敗れた。
 「先行態勢を取ろうと思った時に4番(森川)とからんでしまって、吉澤さんの仕掛けやすい展開になってしまった。中途半端に終わったので悔しいですね」

<最終日9R・レインボーカップA級ファイナル>

山本直選手
山本直選手

市橋司優人選手
市橋司優人選手
 レインボーカップA級ファイナルが最終日の9レースに行われる。A級屈指の実力者9名が広島バンクを舞台に激突する。ここで3着以内に入れば、S級特別昇級が決まる。今期の競走得点が一番高いのは山本直(写真)だ。直近6場所で優勝3回、準V2回と圧巻のパフォーマンスを見せている。
 「しっかり練習はできています。ここに向けていい感じでやれたし、調子は抜群です。A級に落ちてから練習量を増やして、脚は上がっていると思います。自分でやるだけですね。しっかり考えて走ります」
 福田知也は12月の川崎、前橋と2場所で完全優勝を飾った。ここは山本の番手を主張して即席でラインを組む。
 「山本君が一番強いですからね。番手にいきます。最近は恵まれていますね。来期に向けていろいろ試しながらやっているけど、調子はいいと思います」
 来期A級予定の市橋司優人(写真)にとっては勝負駆けの一戦だ。しっかり準備はしてきた。
 「今期は前半がよかったのに、後半から悪くなってしまいました。練習はしっかりやっているし、セッティングをいじったりして、万全の態勢です。メンバーがメンバーなんで厳しいですけど、自力でしっかり頑張ります」
 同じく来期A級予定の宗崎世連は単騎戦を選択した。
 「山本君の後ろにいこうか最初は迷ったんですけどね。そっちのほうが確率は高いと思うけど、やっぱり自力で決められたほうが自信になる。それでダメならまた頑張ればいいだけですから。ジタバタしてもしょうがない。行けるところから仕掛けて狙います」
 松田大は10月武雄の落車で大ケガを負ったが、復帰戦の12月四日市ではまずまずの走りを披露した。
 「ケガは鎖骨、肋骨の骨折と肺挫傷でした。練習は12月に入ってからで、四日市はちょっとダメかと思っていたんですけど、その中では走れたほうだと思います。1走して上がってきています。いいとは言えないけど、勝負できる状態です。先行基本にいいレースをしたいですね」