『広島競輪開設66周年記念念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:12月7日

 広島競輪開設66周年記念「ひろしまピースカップ」は2日目。優秀の「もみじ賞」をメーンに二次予選6個レースで準決勝進出が争われた。初日からグッと気温の下がった広島市内だったが、バンク内では熱い戦いが繰り広げられた。「もみじ賞」は松浦悠士の仕掛けに乗った中川誠一郎が快勝。二次予選の地元勢からは池田良ら4名が準決勝に勝ち上がった。
 シリーズ後半戦はイベント盛りだくさん。競輪応援ゲームやバンク内観戦&走行会、FMちゅーピーの公開生放送も予定されています。週末はぜひ広島競輪場で迫力あるレースをお楽しみください。

<6R>

尾崎剛選手
尾崎剛選手
 赤板ホームから上昇した山岸佳太は打鐘前から誘導員を下ろしてペースに持ち込む。2コーナーまくりの松谷秀幸をけん制した尾崎剛が直線踏み込むと、山岸、尾崎で並んでゴール。結果は関東両者で1着同着だった。番手でいい仕事を見せた尾崎剛(写真)は満足げにレースを振り返る。
 「山岸が思ったよりスンナリ駆けられたし強いですね。(10月)松戸記念の二次予選は仕事をして山岸を抜けなかったけど、それは自分で納得してるので。今回は抜いたと思ったら同着でしたね(笑)」
 山岸佳太も別線を完封して逃げ切った。
 「先行一車みたいな感じだったんで。あとは藤木(裕)さんのカマシだけ警戒して。松谷さんは110点の選手だし、まくられたらしょうがないなと思って駆けてました。尾崎さんが松戸記念と同じような感じで仕事してくれました。もうちょっとバックは踏み上がる予定だったけど、ちょっとバタバタした。でも初日よりはしっかりしたレースができたし、感覚も初日よりいいんで、また頑張ります」


<7R>

三宅伸選手
三宅伸選手
 真船圭一郎の上昇に対してサッと車を下げた黒田淳は山本紳貴を受けて中団を確保。そこを原口昌平がカマして離れ気味になった松尾信太郎と山本がからんだところを2コーナーからまくると、続いた三宅伸(写真)が直線で黒田を鋭くとらえた。
 「普段からこんなレースをしてくれればいいのにね。それにしても黒田を差したってことに価値がある。ジャンのところが大きいね。調子がいいときは走る前から気持ちが楽。ちゃんと最低限のことができている」
 打鐘からの好判断で流れを作った黒田淳は三宅とのワンツーを素直に喜んだ。
 「ワンツーが決まってよかった。自分らしいいいレースができたと思う。まくりに行ったときは山本君に合されたかと思ったけど出切れてよかったです」
 原口昌平は後ろが離れる苦しい展開でも3着に逃げ粘り初の記念準決勝に勝ち上がった。
 「いつもどおりのところで仕掛けられた。4着かなと思ったけど、粘れていてよかったです。前回(11月豊橋FI)よりいいですね。前回が悪かったので日数はほとんど空いていなかったけど、練習した成果が出たのかな」


<8R>

大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
 打鐘前に切った三登誉哲を吉田昌司がすかさず叩いて逃げる。合わせて動いた小川勇介が俊敏に3番手を取る。桐山敬太郎が8番手に置かれて、一列棒状で最終ホームを通過。3番手の小川勇介が車間を詰める勢いで追い込みにかかると、そのスピードをもらった大塚健一郎(写真)が直線で中を割って突き抜けた。
 「(小川)勇介が頑張ってくれました。ポイント、ポイントで前々に踏んでくれました。キーマンは桐山ですし、桐山よりも前にいれたのが勝因ですね。(セッティングは)まだちょっといじります」
 小川勇介は冷静な立ち回りで大塚と九州ワンツー決着を決めた。
 「後ろ2人に付いてもらっていたので、しっかり位置は取ろうと思ってました。2コーナーで仕掛けられればいいんでしょうけど、位置だけでした。脚は悪くないです」


<9R>

大川龍二選手
大川龍二選手
 佐藤朋也が動いたところを小原太樹が打鐘で切ると、そこを竹内翼が叩いて主導権を握る。佐藤に内をすくわれた小原はタイミングの取れないまま仕掛けたが、3番手の外で一杯に。小原を飛ばした大川龍二(写真)が広島ライン3番手から突き抜けた。
 「上がれば上がるほど車番が悪くなるし、相手も強くなる。隙があればそこを突かれるし、今までの反省を頭に入れて走りました。落ち着いて、今までやってきたことが結果に出せたんで。初の(記念)準決勝が地元でうれしいです」
 ゴール寸前で大川に1着をさらわれた池田良は苦笑いするばかり。
 「あんだけ(竹内が)頑張ってくれたし、残さんと悪いなと思ってた。そしたらまさかの3番手です。敵がおったっすね。しょうがないです」


<10R>

吉永好宏選手
吉永好宏選手
 中西大を警戒しながら、一戸康宏が打鐘過ぎから飛び出すが、そこを中西大が強引に叩いて最終ホームから主導権。一戸や阿部拓真の巻き返しを封じて押し切るかに、近畿3番手を回った吉永好宏(写真)が中割り鋭く突きぬけた。
 「前のおかげです。自分は3番手の仕事をして脚を溜めていただけ。9レースの大川(龍二)の突き抜けがしびれましたね。(地元の)記念に呼ばれることもそうそうないし、最後だと思って走った。地元記念で準決に上がれてよかったです」
 中西大は別線を完封する先行で2着に粘った。
 「初日のような失敗をしないようにした。同じ失敗したら成長がないので。一戸さんとモガき合いして阿部(拓真)君にまくられるよりも一戸さんが行ったところをすかさず仕掛けたほうがラインで決まると思った。3番手の吉永さんに差されているし終わったあとに疲れているので、バンクコンディションか風か自分の状態が悪いのかな」


<11R>

神山拓弥選手
神山拓弥選手
 赤板過ぎに先頭に立った吉澤純平を松岡篤哉が押さえて出る。前受けから後方に下げた松岡孔明は2コーナーから一気に踏み込んで主導権奪取。そのままハイピッチで駆ける。これで7番手となった吉澤はホーム前から反撃。バックで九州勢をねじ伏せると、続いた神山拓弥(写真)がゴール寸前で粘る吉澤をとらえた。
 「(吉澤)純平さんにお任せしていたし、全部やってくれました。すごいスピードでした。自分はただ付いていって抜いただけです」
 神山に差されたとはいえ、吉澤純平は抜群のスピードを披露した。
 「緊張感を持って走れました。詰まって、前が空いたんで、行きました。初日よりも新車の感じはよかったです。でも、もう少しスピードは出ると思うので、セッティングを煮詰めていきたいです」
 関東コンビの3番手を選択した湊聖二が3着に流れ込んだ。
 「吉澤君、神山君の前2人のおかげです。全然、(吉澤の)スピードが違ったので、行けると思いました」


<12R>

中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 優秀の「もみじ賞」は自力選手それぞれが小細工なしの真っ向勝負。赤板ホームから誘導員を下ろして先行態勢に入った小松崎大地を力任せに三谷竜生が叩くと、この動きに続いた松浦悠士が2コーナーまくり。乗った中川誠一郎(写真)がゴール前で抜け出した。
 「(松浦がすかさず仕掛けたのに)ビックリして、ちょっと遅れた。さすが地元ですね。2人で決まったと思ったら外に諸橋さんが見えたんで踏ませてもらった」
 単騎の諸橋愛はまくり気味に2コーナーから踏み上げると、直線外を鋭く伸びて2着に突っ込んだ。
 「決まり手が差しでよかった(笑)。準決勝のために脚を残したかったけど、赤パンツなんで。今日はいっぱいになりました。だんだんいい感じになってると思うし、調子は悪くないのかな。あとは疲れを残さないように」
 松浦悠士はうまくレースの流れに乗って仕掛けもバッチリ。3着にはなったが、納得の表情でレースを振り返る。
  「(中川)誠一郎さんに任されていたので、思い切って仕掛けようと思ってました。小松崎さんが早めに踏んでくれて、(三谷)竜生さんが来て出切れそうな感じだったので、うまくスイッチして、詰める勢いで行けました。最後は抜かれると思っていたけど、しっかりタイミングを取って仕掛ければ、あれくらい出ることが分かりました」
 7着に敗れた三谷竜生だが小松崎をねじ伏せた走りは力強かった。
 「駆けるなら(自分か小松崎の)どっちかだと思ったんで。力勝負しようと思ってましたし、力は出せたので。松浦君が強かったですね。行けると思ったところから無理やり仕掛けたので出切れたのはよかった。松浦君に行かれたのは悔しいけど、しっかり修正できるように、また頑張ります」