『広島競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:12月8日

 広島競輪開設66周年記念「ひろしまピースカップ」は後半戦に突入。3日目は準決勝3個レースで決勝進出が争われた。いずれも激しいサバイバルレースとなったが、吉澤純平、中川誠一郎に松浦悠士が1着で決勝に進出。決勝戦には三谷竜生、山崎芳仁ら好メンバーが顔をそろえた。なお最終日6RにはS級ブロックセブンも行われる。
 最終日はセ・リーグ3連覇を果たした広島カープの一岡竜司投手、アドゥア誠選手が登場。トークショーで今シーズンの戦いを振り返ります。さらに元AKB48の小原春香さんによるイベントやパルクール体験&パフォーマンス、チャリティーオークションなど様々なイベントを予定しています。最終日も、ぜひ広島競輪場へお越しください。

<10R>

吉澤純平選手
吉澤純平選手

山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 内を盛り返してきた稲垣裕之と打鐘から踏み合いになってしまった吉澤純平(写真)だったが、2センターから山崎芳仁がカマして来ると稲垣との争いを制して3番手を確保。2センターからまくり気味に追い込んで、決勝進出一番乗りを決めた。
 「稲垣さんが来ていたが見えていなくて踏み遅れてしまった。山崎さんが来るだろうなとは思ったので稲垣さんより前にいなきゃと思った。あの展開で逃げるのは厳しいですね。仕掛けが最後の最後になってしまったけど、ワンツーでよかったです」
 直線で北日本コンビの中を割った諸橋愛だったが外の吉澤をとらえることはできず惜しくも2着に。
 「今日は楽でしたね。こじ開ければいいだけなので、後ろからよりかは楽な展開でしたね。吉澤君はもう少し遅く仕掛ければ、違った展開になったと思うし面白かったですよね。稲垣に粘られるかなと構えていたけど、稲垣もスルーしましたね。疲れもなく体調は問題ないです」
 山崎芳仁(写真)はライン2車でも勝負どころを逃さずカマして3着で決勝進出を決めた。
 「展開が良かったしいける所で仕掛けられた。ロングまくりのつもりで車間を空けていたので、一か八かでいったらあの展開になった。そのあとは(大森に)仕事してくれよと。決勝に乗れてよかったです」

<11R>

中川誠一郎選手
中川誠一郎選手

小松崎大地選手
小松崎大地選手
 赤板過ぎに先頭に立った中西大がペースを緩めていると、前受けから8番手まで下げた小松崎大地が打鐘からカマして主導権を取る。これで8番手となった中川誠一郎(写真)は最終2コーナーから豪快にまくり上げる。圧巻のスピードでシリーズ3連勝を飾り、完全優勝に王手をかけた。
 「2人(中西、竹内翼)があんなに踏まないとは思わなかった。これだと小松崎君が行っちゃうと思ったからスイッチしたかったんですけどね。詰まってバックを踏んでいる時に行かれてしまった。だいぶ焦りました。スピードの乗りは初日のほうがよかったし、余裕はなかったです」
 カマシ先行の小松崎大地(写真)が2着。最後まで力強く踏み切った。
 「細切れでどうなるか分からなかったんですけど、自分の力をしっかり出し切ろうと思ってました。あそこがチャンスかなって思って、思い切って動けたのはよかったです。和田君はびっくりしたみたいですけどね。ものすごく重くて、バックは苦しかったんですが、一生懸命踏んだだけです」
 踏み出しで小松崎に離れた和田圭だが、懸命に追いかけて最終バックで付け直し、3着をキープした。
 「離れましたけど、なんとか追いつくことができました。ただ付いていっただけですけどね。体調は少しずつ戻ってます。ラインに感謝です」

<12R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手

三谷竜生選手
三谷竜生選手
 前受けの三谷竜生が原口昌平を突っ張るそぶりを見せながら3番手に下げると、そこを山岸佳太が打鐘過ぎから叩いて主導権を握る。6番手になった三谷はホームからリスタート。神山拓弥のけん制を意地で乗り越えると、続いた松浦悠士(写真)がゴール前で逆転した。
 「池田(良)さんを連れ込みたかった…。(赤板ホームで)三谷さんがけっこう踏んだので突っ張るのかなと思った。スタートだけ決めて、あとは三谷さんにお任せだったし、行けなければしょうがないって感じだったので。(昨年大会は準決勝敗退)今年は横に振らずにしっかり前に踏もうと思ってた。想定した展開と違ったけどね。みんなバテバテのところで脚を使ってなかったので最後は抜けました」
 赤板から脚を使っていた三谷竜生(写真)だったが地元勢を背負う責任感で神山のブロックを乗り越えた。
 「(原口が)押さえに来るのが緩かったので突っ張った。でも止めてくれなかったし、長引かせてしまうと山岸君の展開になり過ぎると思って(下げた)。苦しい展開に持って行ってしまったけど、地元が後ろなので無理やり仕掛けて乗り越えられたのはよかったです」
 山岸の逃げに乗った神山拓弥が3着で決勝戦最後の切符をつかんだ。
 「山岸君のおかげですね。でも残せなくて反省の多いレースでした。番手の技術が情けないのかな。もう少しやれることはあったのにできなかったので。引きつけて体で当たらないと。その辺が甘くなってるなと思いました。決勝は栃茨で吉澤(純平)さんの番手。自分は自分の仕事を頑張ろうと思います」

<最終日・6R S級ブロックセブン>

井上昌己選手
井上昌己選手

田中晴基選手
田中晴基選手
 最終日6RにはS級ブロックセブンが行われる。レースは月森亮輔、坂本周輝に堀僚介で3分戦。井上昌己(写真)は悩んだすえに月森に前を任せることにした。
 「競輪祭はもうちょっとやれたかなっていのうはありますね。地元記念もあるし、今はそこに向けてやってるところ。がっつりいいって訳じゃないけど、ボチボチ上がってきてますね。同級生の中川(誠一郎)君も頑張ってるので自分ももうちょっと頑張りたい」
 月森亮輔は前回の取手で2カ月ぶりの優出と調子を戻している。
 「今期ギリギリなんで、1班の点数は取りたいですね。(10月四日市のあとに)ギックリ腰になってしまったけど、前回から戻ってきた気がするんで。頑張って穴をあけます」
 田中晴基(写真)はライン3車の番手回り。競輪祭の3走目で落車しているだけに、ここまではケアに重点を置いてきた。
 「エボリューションはあるけど、ブロック7は初めてなんでどう走っていいのか。ここまではケア重視でやってきたし、怪我の影響はもうないです。その分、練習の上積みはないですけど」
 堀僚介が月森、坂本ら点数上位の機動型にどう挑むのかにも注目だ。
 「そんなに調子は悪くないし、今回も練習はしてきたんで。広島はけっこう好き。前回(9月FIで183着)もよかったんで頑張りたいですね」