『防府競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:11月1日

 防府競輪開設70周年記念「周防国府杯争奪戦」が11月1日に開幕。オープニングの1Rを植原琢也が制すと、短走路を舞台に自力型が大活躍した。特選スタートの清水裕友は7着に敗れたが、予選の地元勢は宮本隼輔が1着、桑原大志が2着と好スタート。2日目は二次予選A、B合わせて7個レースで準決勝進出が争われる。
 2日目からは3日連続でお笑いLIVEを開催。2日目はコロコロチキチキペッパーズが登場して3R発売中にお笑いLIVEを行います。さらにJCBギフトカード3万円分などが当たる競輪ビンゴやグルメキッチンカーも競輪場にやってきます。3連休はぜひ防府競輪場で迫力あるレースをお楽しみください。

<1R>

植原琢也選手
植原琢也選手
 打鐘で小林史也に叩かれてしまった植原琢也(写真)だったが、冷静に3番手で立て直すと最終ホームからまくる。市橋司優人の飛びつきをしのいで続いた渡邉晴智の追撃を振り切った。
 「(初手は)前から2番目だったけど、出が悪くて。(残り)2周で出れたら突っ張ってだったけど、体が追いついてなかった。流してはないけど、踏めてなくて。(ウォーミングアップの)時間配分とかが合ってなかったですね。そこも2日目は考えて。防府はすごく気持ち良く走れる。あとは自分の問題なんで頑張ります」
 市橋にしゃくられた渡邉晴智だったが、しのいで続くとゴール前でも植原に詰め寄った。
「キツいっす。いっぱいですね。しゃくられてヤバいと思ったし、2番(市橋)を気にしてたので良く付いて行けた。植原君はあそこで踏めるのが強いっすね」


<2R>

伊藤信選手
伊藤信選手
 後ろ攻めから動いた竹山陵太が青板2センターで切ると、そこを島川将貴が叩いてペースに持ち込む。服部克久のカマシは合わせ切ったが、最終ホームからは伊藤信(写真)が一気のまくり。バックで島川をとらえると、東口善朋の追撃を振り切った。
 「良かったです。服部さんがやってくれて、島川君も踏んでたし、いいとこでタイミングがあったんで。最後は抜かれたかと思った。(先日、地区プロで走った)スプリントの感覚で行ったので、最後は思いのほかタレました。疲れてるけど、行けてるんで良かったです」
 まくられながらも3着に粘った島川将貴は伊藤の強さに脱帽だった。
 「強かったです、相手が。まあ先行出来たし、悪くはないんで、2日目もアレ(先行)で。服部さんを8割ぐらいで突っ張れたらと思ったけど、駆け切ったほうが良かったかも。でも久々に先行できたし、(新車の)感じも悪くない」


<3R>

櫻井正孝選手
櫻井正孝選手
 藤岡隆治、松岡孔明の順で動いたところを櫻井正孝が赤板ホームで叩きに行くと、前受けの藤井昭吾が櫻井に合わせて先頭に。藤木裕が遅れ、番手に入った櫻井正孝(写真)は藤井、藤岡の踏み合いをバックまくりで制した。
 「番手にはまって逆に動けなかった。そのあとは(増田鉄男を飛ばしたり)対応できて良かったけど、守澤(太志)さんを上に上げられないのは僕の仕掛けが遅いから。疲れが意外とすごい。パリッとしなくて…。でも初日より2日目は良くなると思うので」
 逃げた藤井昭吾が2着に粘った。
 「モツれてるのを尻目に(苦笑)。ちょっと焦ってました。櫻井を出させてから切りに行っても良かったかな。櫻井がちょっと遅れてると思って、隙ありと思って。後ろは分かりました。オレンジ色(7番車の櫻井)やったし。見て見て踏んでって、踏み直せて良かったです。踏み直せての2着だし、まくられてるけどいいんじゃないですか」


<4R>

 青板のバック過ぎで先頭に立った水谷将司を藤井栄二が赤板過ぎに叩いて主導権を握る。近畿ラインを松川高大が追いかける。前受けの長島大介は8番手まで下げさせられるが、打鐘の2センターから反撃。抜群のスピードで前団を飲み込んだ。
 「スタートけん制もあって前受けで8番手。展開は最悪でしたね。ジャンくらいから踏み出して行って、まくり切れているので調子はいいと思います。33が続いているので、仕掛けるところでは行けている」
 長島マークの芦澤辰弘は神田紘輔にからまれながらもしのいで、長島と1着同着となった。
 「理想の展開ではなかったけど、長島のレースセンスと脚力が上回っていましたね。いい選手ですよ。これだけ頑張ってくれると安心して任せられる。(自分は)必死でしたよ。踏み出しに付いていって神田さんをしのいで、最後も突っ込まれて。抜いた感じはしなかったけど、頑張って良かった」


<5R>

鈴木竜士選手
鈴木竜士選手
 青板バックで野口正則が皿屋豊にフタをすると、その外を押さえた鈴木竜士(写真)はペースを緩める。そこを皿屋豊が赤板めがけて一気に踏み込んで主導権奪取。3番手をしっかり確保した鈴木がハイペースで駆ける皿屋を最終2コーナーからまくり返して人気に応えた。
 「(10月西武園FIの準決勝で)皿屋(豊)さんをまくれていなかったので、同じパターンでまくってやろうと。結果的に勝てましたけど(皿屋が)強かった。流したら必ず来ると思ったし、レースは作れたと思う。車番が良かったですね」
 2着の林巨人は皿屋の強さを称える。
 「赤板からの先行だったのでまくられてしまったけど、ジャンくらいからの仕掛けだったらワンツーだったと思う。(鈴木竜士の)タイミングをズラせたんですけど、真後ろからですからね。もう少し上手い選手だったら止められたと思うので。ただ皿屋さんが強かったです」


<6R>

山本伸一選手
山本伸一選手
 青板3コーナーで掛水泰範が先頭に立つと、大石剣士は中団外併走に出る。内の山本伸一は赤板1センターであっさりと決着をつけると1センターからのまくり。合わせて番手から出る篠原龍馬を飲み込むと、続いた松岡健介がゴール前でとらえた。
 「余計な力を使わずに済んだんで、(山本は)楽に仕掛けられたと思う。叩いて力勝負するって言ってたけど、勝負せずに済んだんで。篠原君が番手から出てたし、3コーナーでからまれんように。(今回は新車)色々いじってみようと思います」
 山本伸一(写真)は大石を相手にしっかりと中団を確保。格の違いを見せた。
 「(大石が)こだわってきたんで、そこは僕もこだわらんとアカンとこ。大石が行って僕とモガき合いだろうなと思ってたし、キツい勝負せないかんなと思ってたけど冷静に対処できた。ジャン過ぎから詰まってたけど、新しい自転車なんでアタリ方を見たかった。あっさり行けたんで、悪くないと思います」


<7R>

 前受けの吉田智哉が市川健太を突っ張り上昇を阻んだところを竹内雄作が赤板で叩いて逃げる。単騎の2人が中近勢を追って、竹内が徐々にペースを上げると、後続の4車は大きく離される。最後まで力強く踏み切った竹内が他を圧倒。ラインを上位独占に導いた。
 「いつもは見ちゃうところでラインで楽に出切れたのが大きい。あとはペースを徐々に上げていった。いつも迷惑をかけている師匠と久々に決まったのが良かった。(記念での)勝ち上がり1着は久々の気がする。あとはタイムですね。これでタイムが出ていれば、体は仕上がっていると思う」
 山口富生はワンツーを決めて弟子の強さを称えた。
 「疲れた。しんどかった。2コーナーまではいいけど、3コーナーから足がピリピリしてきた。先行したやつの方が楽な顔をしている。(竹内とは)最近決まってなかったし、親王牌ではお互いに気を使ったりしていたので、付いていくことだけを考えていた。ワンツーは決まったけど、抜ける感じはしない」


<8R>

 後ろ攻めから早めに上昇した染谷幸喜に合わせて中団の山田久徳も動く。染谷が青板の3コーナーで押さえて先行態勢を取り、山田久徳はすんなり中団を確保、前受けから下げた取鳥雄吾が7番手の態勢で赤板、打鐘を通過。徐々にペースを上げる染谷に対し、山田が打鐘の4コーナーからまくり上げる。あっさり前団を飲み込んだ山田がそのまま後続の追撃を振り切った。
 「ジャンから仕掛けられる感じはありましたけど、ホームから行きました。踏んだ感じは問題なかったですね。ラインで決められて良かったです」
 稲川翔が山田をしっかりアシストして2着に入り、近畿ワンツーを決めた。
 「ホームから仕掛けてくれたけど(山田)久徳にしては遅いぐらい。ただ強かったですね。自分は後輪がハウスしてしまったんですけど、それがなくても抜けていなかったと思う」


<9R>

 青板前から動いた竹澤浩司は中団の根田空史にフタをして赤板ホームから先頭に立つ。前に出た竹澤がピッチを上げるが、すかさず仕掛けた根田が最終ホームで竹澤を叩き切るとライン3車で後続を引き離す。これで内藤秀久には絶好展開。ゴール前できっちり根田をとらえた。
 「根田さまさまです。佐藤(康紀)さんも後ろを回ってくれて心強かった。負けられない戦いだったんで、ちょっとホッとしてますけど、もっと気合いを入れていきたい。(二次予選)Aに行かないと郡司(浩平)や松谷(秀幸)と鉢合えないんで。根田が思った以上に早めに仕掛けてくれたし、レベルが違うんだなって感じがあった。僕は絶好調だと思う」
 差された根田空史だったが、強く、そして冷静にレースを運んだ。
 「コーナーで(竹澤の)番手に並びたくなかったので、(打鐘過ぎ)4コーナーの下りっで踏んだ。そこまで全開ではなかったし、休みながらでしたね。踏み合いになるタイミングで行ってもしょうがないんで、33の特性を生かしながら。さすがに(連戦で)脚の貯金がなくなってるから、バックからの伸びが良くなかった。それでもあそこから行ってるから刺激は入ったんで。2日目はすごいいいメンバーだし、そこでどういいレースができるかですね」


<10R>

 前受けの宮本隼輔は7番手に下げると、赤板1センターからの巻き返し。逃げる清水剛志を1コーナーでとらえると、力強く押し切った。
 「(新車は)軽すぎてアタリがない。よくわからないですね。セッティングをいじって伸びしろがあるようにしたい。踏む距離を短くして、赤板から行けていたところをジャンまで我慢してあれくらいから。とりあえず結果が出たのは良かった。2日目(二次予選A)どうなるかですね」
 筒井敦史は宮本と初連係だったが完璧な追走を決めて一番人気に応えた。
 「キツかった。向こう(先行するライン)も踏んでいたなかで、無理やり行ったからね。俺のところが狙われている感じがしたので、集中して追走した。(宮本は)出足よりも加速させるのが持ち味ですね。どんどん加速するから絶好のようで、絶好じゃない」


<11R>

桑原大志選手
桑原大志選手
 前受けから7番手に下げた原田研太朗はライン重視の走りで打鐘前2コーナーから早めの仕掛け。最終ホームでライン3人がきれいに出切ると、押し切って上位独占を決めた。
 「少し距離が長かったですね。1回中団に入りかけたけど、あそこで休まずに行けたのが良かった。新車は伸びは悪くないんですけど、出だしが重たいかなと思う。セッティングは体調と相談して修正したい」
 地元の桑原大志(写真)が原田にしっかりと続いてワンツーを決めた。
 「(原田が)気持ちが入ったレースをしてくれた。後ろで行けよオーラを出していたら早めにいってくれましたね(笑)。さすがの仕掛けでした。今日(初日)の結果は素直にうれしいですね」


<12R>

松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 青板バックで前に出た郡司浩平を清水裕友、三谷竜生の順で叩いたが、立て直して打鐘前から踏み込んだ郡司が最終主導権を握る。郡司のかかりの前に別線は巻き返せず。番手の松谷秀幸(写真)が好展開をモノにした。
 「郡司はあそこ(打鐘前)行かないと思った。前回(熊本記念in久留米)もそうですけど、展開はいいっすね。僕は相性一本なんで、いいスタートが切れました。踏み込んだ感じも悪くない」
 レースの主導権を握ったのは要所でしっかりと反応した郡司浩平。差されはしたが、別線の反撃を許さず2着に粘った。
 「(清水、三谷に切られたが)また態勢が整って、詰まったので反応できた。それが一番いいですね。反応できたので。調子がいい分、最後まで踏めてたと思う。車番が悪くて後ろからになったけど、そのなかで先手を取れてるし、余裕を持ってレースが見られてるなって感じ」
 9番手から巻き返した新山響平に最終ホームでスイッチした吉澤純平は3コーナーから山田英明の内をすくって3着に突っ込んだ。
 「反応は新山に切り替えたまでは良かった。(新山が)止まっちゃったので内行って、また外。そんなに悪くないけど、風切ったわけじゃないんでね。楽しかったですし、(別線の機動型が)ここで行くんだって勉強になりました」