『防府競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:11月1日

 防府競輪開設72周年記念「周防国府杯争奪戦(GIII)」は11月1日に2日目が行われた。二次予選7個レースをメインに熱戦が繰り広げられたが、清水裕友を筆頭に地元勢は5名全員が準決にコマを進めた。また、清水に加え、松浦悠士、新田祐大、守澤太志のS班勢はそろって1着と格の違いを示した一日だった。明日11月2日には決勝への最終関門となる準決3個レースが争われる。
 なお、防府競輪場では、4250人の入場制限を行ったうえで有観客を予定しています。今後の新型コロナウイルス感染症拡大状況などによっては、無観客に変更する場合もあります。「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となります。検温、手指の消毒、マスク着用などのご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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小川真太郎選手
小川真太郎選手
 小川真太郎(写真)が切った上を山田英明が押さえ、さらに赤板過ぎに蕗澤鴻太郎が叩く。遅れ気味の山下渡をさばいて山田は3番手を確保し、小川は5番手で最終回。山田の仕掛けは諸橋のけん制で止まったが、さらにその上を小川がまくって1着。
 「ヒデさん(山田英明)の後ろを取って、動きを見て早めにいくか、遅めにいくかって感じだった。蕗澤がフカしてたので自分の得意な2コーナーまくりでいいかなと。ヒデさんがいってくれたのでいきやすくなった。昨日(初日)に自力でやってリズムを作れた。状態はいい方に行っていると思う」
 小川マークの渡部哲男は最終1コーナーで佐藤龍二に内から絡まれるが、小川の番手を守り切って2着に続いた。
 「道中で踏んだりやめたりが多くて、余裕はなかった。コーナーで内が空いて緩んで、内に入ってきそうな雰囲気はあったので構えてました。あのまま外に持っていかれたら厳しかったけど、前に差し込んでくれたから助かった。(小川)真太郎が強かった」


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宮本隼輔選手
宮本隼輔選手
 兼本将太が切って酒井雄多が押さえる。宮本隼輔(写真)は赤板から一気に加速して酒井を叩く。三谷竜生の巻き返しは中団までで、最後の直線は中国両者の争い。ちょうど両者が並んだところがゴールで、写真判定の末に1着は宮本と柏野智典の同着だった。
 「ちょっと長い距離をいきたくなかったので、躊躇してしまったんですけど気持ちを入れて叩きにいきました。踏み過ぎたかなって思ったんですけど、残れているので悪くないですね。出し惜しみせず走れているので」
 柏野智典は地元の宮本との1着同着を笑顔で振り返った。
 「1着同着は嬉しいですね。全て任せていて取れた位置から緩めば仕掛けるって感じでしたね。前中団が取れたのでトン、トン、トンで行ければ三谷君が後方になるので、ほぼ決まったなって思いながら周回をしていました。最後は村上(義弘)さんが内に入ってきたので気を付けながらでしたね」


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町田太我選手
町田太我選手
 後ろ攻めの町田太我(写真)は青板バックで一旦上昇するが、原口昌平に突っ張られて車を下げる。誘導が退避してペースが上がると、赤板2コーナーから笠松将太が3番手から仕掛けて前団はモガき合いに。流れが向いた町田は打鐘目掛けてカマして出る。あっさり出切って別線を突き放した町田は、山下一輝をも振り切ってゴールした。
 「後ろ攻めの作戦はなかったです。でも(山下)一輝さんに任せてもらえてるので自分のレースをしようと思った。押さえにいったら突っ張られると思ったし、誘導だけ降ろして自分のタイミングで仕掛けようと。ジャンで詰まったのでそこで一気にドーンと仕掛けました。前でやり合っていたので気持ち良くいけました。強い一輝さんから逃げ切れて自信になる。今日(2日目)は初日と違って朝の指定練習にしっかり乗った。効果はありました」
 町田のダッシュに口が空いた山下一輝だが、最終ホーム付近で追い付きラインワンツーを決めた。
 「後ろ攻めだけは考えてなかったですね。でもその辺は任せていた。しっかり仕掛けてくれて言う事ないけど、強過ぎた。自分の調子は絶対いいと思うけど、今までで一番キツかった。(町田は)頼もしいですけど、かわいくないですね(笑)」


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守澤太志選手
守澤太志選手
 青板から動き出した林慶次郎は、中団の佐伯亮輔にフタをしてから赤板で叩いて先行する。佐伯の巻き返しは外に浮いて不発で、4番手の吉田拓矢は最終ホームからまくり上げる。林をねじ伏せた吉田を、守澤太志(写真)がゴール前で鋭く差し切った。
 「ホームでバックを踏んだ時に(吉田が)いったのでちょっと遅れましたけど、そのあとはしっかりいけた。吉田君もすごく踏めていましたし強くなっていますね。昨日(初日)からハンドルステムを伸ばしたけど、ちょっと感覚が違うのでもう少し修正したい」
 スピードあるまくりで若手対決を制した吉田拓矢だが2着の結果に満足はしていない様子。
 「(初手は)前から力勝負ができればと思っていました。林君が(佐伯を)押さえると思っていなかったですけど動きを見ながらいけました。昨日(初日)はハンドル回りを前回とは違う感じに変えたんですけど、今日(2日目)は前回の感じに戻して良くなりました。でも最後はあっさり抜かれたので悔しいですね」


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松浦悠士選手
松浦悠士選手
 前田義和が青板バックで雨谷一樹を突っ張る。雨谷が中団に下げる一方、山本直が間髪入れずに青板3コーナーから一気にカマす。山本はライン3車できれいに出切り、ハイペースで飛ばす。山本の番手で大きく車間を切って別線の反撃に備えた松浦悠士(写真)は、車間を詰めた勢いのままに最終バックから番手まくり。他を寄せ付けずに圧倒的人気に応えた。
 「自分は桑原(大志)さんが付いているので、判断はしっかりしないといけないと思っていた。雨谷さんが仕掛けてくれれば止めてラインで決める事もできたかもしれないけど、雨谷さんが待っていたので、見えてから(踏むの)では遅いと思った。いつもの番手まくりよりもキツかったですね。昨日(初日)の方が良かったし、フォームも納得できないところがあった。修正します」
 桑原大志は番手まくりに出た松浦と車間が空いてしまうも、なんとか食い下がって2着に入った。
 「山本君はすごく気合が入っていたし、出てから緩めることができなかった。(松浦に)千切れたけど、(山本)直が頑張ってくれてなんとか2着は確保しなきゃと気持ちで付いて行った。地元記念の準優には簡単には乗れないと思っているし、素直に嬉しい。試行錯誤の毎日ですし、(自転車は)もっといじります」


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新田祐大選手
新田祐大選手
 打鐘で佐々木龍を叩いた大阪勢を追った勢いのままに、新田祐大(写真)は最終ホームから仕掛ける。抜群の加速で岡崎智哉をまくり切った新田が、ゴール線を楽々先頭で駆け抜けた。
 「道中の動きは佐々木君以外が積極的に動くだろうと思っていたんですけど。ちょっと佐々木君の動きが想定外でしたけど、しっかり仕掛けるべき所で仕掛けられたと思います。体調も変わらずいい状態をキープできていますね」
 新田の桁違いのスピードに必死に食らい付いた和田圭が2着をキープした。
 「新田君が強すぎて終始離れ気味できつかったですけど、なんとか付いていけて良かったです。最終1コーナーで南(修二)さんにいいのをもらったら離れてましたね。凌げてよかったです。新田君の踏み方はほかの人と違って独特で、オン、オフの切り替えがすごい。一瞬でも気を抜いてしまったら離れると思って集中していました」


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清水裕友選手
清水裕友選手
 初手中団から松岡篤哉よりも先に切った清水裕友(写真)が、松岡を受けて3番手を確保する。絶好のポジションをキープした清水は、最終2コーナーからの仕掛け。あっという間に中部勢を飲み込むと、1着で地元記念準決勝に進出した。
 「後ろ攻め以外の組み立てを考えていた。他の動きを見ながらどこで動くか考えて。松岡さんは僕が切るのを待っていた感じだったし、自分も切った方が組み立てやすかった。いける所からいこうと思ったけど、(最終)ホームは踏み上がってたので1回見て、2コーナーからいった。初速は良くなかったけど、もう一伸びがありましたね。調子がいいとか悪いとかは関係ないし、緊張で分からない。声援は力になっています」
 清水マークの小倉竜二が2着に続いた。
 「清水は切ってからペースで踏んでて、2車くらいなら出させてもいいかなってスピードだった。(先行との)両面策だったと思う。付いてはいけているけど、4コーナーからやね。迫れてない。なかなか難しいけど、開催中の修正はしないでいく」