『防府競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 2日目編
配信日:12月24日
防府競輪で開催されている開設59周年記念競輪「周防国府杯争奪戦 」は2日目を終了。本日は優秀戦「天神杯」を中心に各戦、白熱した攻防が繰り広げられた。
本場では沢山のイベントが催されています。明日25日は先着1000名様に抽選券を配布し、抽選でクオカードの当たるラッキーカードの抽選会、井上茂徳氏と東京太さんによるけいりんトークショー、競輪グッズの販売などが行われるほか、体脂肪測定コーナーが設置されます。ぜひとも防府競輪場へお越し下さい。
<5R>
橋本強選手
5レースから二次予選がスタート。レースは、増成富夫後位から番手まくりを打った
橋本強(写真)
が1着。準決勝一番乗りを果たしたが、「1センターで詰まっていたし、あそこで出ないと被ると思ってたから(番手から)出ました。だけど張りながら踏めば増成さんを残せてましたね。自分自身がもう一杯一杯で、さばく余裕が無かった。本当に申し訳なかったです。まだ競走が見えてませんね、甘いです…」と表情はいまひとつ冴えない。
山岸正教
は後方からすかさず巻き返すと、橋本後位に入り込んで2着を確保。昨日から俊敏な立ち回りが目立っている。
「もし後方に置かれてしまったら、あの位置から無理にでもカマすつもりでした。橋本の動きを見ながら冷静に踏めたし、空いた後位にも慌てずに入れた。身体も動けているし、状態も良いですね」
山崎岳志
は山岸の先まくりで万事休すかと思われたが、しぶとく3着に食い込んだ。
「打鐘過ぎの四角から増成さんのペースに入ってたんで、早めに車間を空けて準備をしていたら、あっという間に山岸さんに横に来られてた。やべーと思ったけどしのげましたね。本当なら山岸さんに合わせて強引に出て行ければ良かったんだけど、前は番手まくりですからね」
増成富夫
はいつも通りの積極策でレースを作ったが、「ああいう展開となっては残るのは無理でしょう。仕方ないよ」とサバサバ。
<6R>
内村泰三選手
6レースは逃げた大森慶一の番手から抜け出した
鈴木規純
が、絶好の展開をモノにした。昨日に引き続いての快勝に「こんなに恵まれすぎて良いのかな? 最終ホーム過ぎ、大庭(正紀)さんが来たけど、柴田(洋輔)がカマしてきたのかと思って、少し離れてしまった。だけどそのあとは落ち着いて駆けられました。準決Aは初めてですね。こんなチャンスそう無いでしょう」と大喜び。
大森慶一
は2着に逃げ粘った。
「誰も斬ってこないし、あれ?って感じですよ。もし別線のカマシが来たら飛び付こうと準備をしていたけど、誰も来なかった。丸1周駆けたけど、それまで脚をほとんど使っていなかったから持ちました。差されたのは仕方がないです」
3着には
内村泰三(写真)
が。連日、際どいコースをかいくぐり混戦をしのいでいる。
「展開的には最悪だったけど、どうにかですね(苦笑)。最後は内しか見ていませんでした。1と4の中をすんなり割れそうで、アタマまであるかなと思ったら、思いきり閉められてしまい少し伸びを欠いてしまった。だけど3着に入れたし良かった。S級の点数的にも、首の皮一枚つながっていますね」
柴田洋輔
は組み立ての甘さを悔やむ。
「大庭さんが斬ると思ったらずっと横だった。予定外の展開になった時、すぐに対応できなかったのが敗因です。1センターでやっと仕掛けられたけど、33バンクであの仕掛けではきついですよね」
<7R>
吉川誠選手
7レースは得点上位の
吉川誠(写真)
が別線を完封。ライン三者で連独占を決め、準決Aに駒を進めた。
「小島(雅章)さんが抑えてきた時は、突っ張ろうと思ってました。だけど内が空いたし、それなら駆けちゃえと。判断が冴えてましたね。出切れば何とかなるだろうと思ったし、駆けたのは1周ちょいだから最後まで持つと思ってました。関根(幸夫)さんと決められたのが何より嬉しい。今、風邪を引いているけど、結果が出ているしうまく乗り切れています」
関根幸夫
が2着入線に「人の後ろはきついなあ。吉川が何度もバックを踏んだんで付いていけるか不安でした。離れてはカッコが悪いし、共倒れになっちゃうしね。それだけにひと安心ですよ」とホッとした表情を浮かべると、南関コンビの後位を選択した
小川圭二
も「後ろの中園(和剛)が仕掛けたそうなのが分かったんで、車間を空けておけば大丈夫だろうと。吉川も強かった」と位置選択が奏功してニンマリ。
中園和剛
は中団からまくり気味に追い込んだが、惜しくも届かず4着に。
「小島さんのラインを封じられたしほぼ作戦通りだったけど、吉川さんが内から行ってしまったのが予定外でした。ああいう想定外の展開になっても冷静に対応できなきゃダメですよね」
<8R>
稲垣裕之選手
8レースからは二次予選A。ここでは格上の存在である
稲垣裕之(写真)
が力を見せ付けた。最後は伊藤保文に交わされたが、こちらもラインで連独占で決着した。
「オッズ的にも人気を集めていたし、プレッシャーは凄くありました。まだ、風邪が治っていないから体調的にはきつかったけど、そこは気持ちでカバーが出来た。それに展開にも恵まれましたしね」
伊藤保文
は「何度も連係してるし、何にも言うことはないですよ。やっぱ、あいつは強い。僕の場合は倍数がかかっているし、スピードさえつけば楽なんですよ」と稲垣を称える。
山賀雅仁
は一度は主導権を握ったが、稲垣のスピードに屈して着外に沈んだ。
「出切ったけど、その時点でもう一杯でした。あっさりいかれてしまった…」
金澤竜二
は山賀の番手にハマったが、こちらも稲垣の前に成す術も無く大敗。
「番手に入った時点で少し欲が出てしまった。山賀さんも流していたし、その上をあのスピードでいかれてしまっては対応できませんよ」
佐藤慎太郎
は金澤が不発に終わり、「スタートで中団を取るべきでしたね。作戦失敗です。前が流していたし、気が付いたら稲垣がヨコに来ていた」と悔しさを口にする。
<9R>
三宅達也選手
9レースは前日から「体調は良いけど、競走では結果が出ない」とぼやいていた
三宅達也(写真)
が大健闘。加倉正義を引き連れて渾身のまくりを放った。
「昨日の二の舞だけは避けたかった。それだけに今日は良いタイミングで行けました。踏み出しも良かったし、富(弥昭)さんのヨコに並んだ時点で、これは出れるなと。出切ってからは、あとは加倉さんに頑張ってもらおうと、それだけでした。自分自身、良い感じでカカッていたし、今日は最後までタレる事が無かった。悪いなりに走れていると思うし、無理をしてでも前に行こうって気持ちがレースに出たかな」
勝ったのは
加倉正義
。番手の仕事をしっかりと務め上げた。
「三宅には『調子が悪いときこそ、早めに行った方が良い』と言っておいた。自分の経験則でもあったしね。今日は本当に三宅の気持ちが伝わってきました。出切ってからは、四角で内が渋滞になるだろうから、どうやってそこを凌ぐかが肝心だった。長塚が先に踏んだのにも対応できたし、今日は言うことないでしょう」
竹田和幸マークの
坂上樹大
はヒヤヒヤの3着入線。
「四角で俺の踏むコースにみんなが集まってきたから、間違いなく落車するだろうと覚悟していたんです。でも苦しい展開をしのげたし、結果オーライでしょう」
長塚智広
は三宅―加倉の三番手を確保したが、四角で失速してしまった。
「三宅さんを追っかけていったけど、少し詰まってたからスムーズに行けなかった。後ろに坂上(樹大)さんと小岩(大介)がいたから、そこをけん制しながら踏んだし最後はきつかったし、車の出もいまひとつだった」
小岩大介
は「スイッチしながら前々に行くか、緩んだら一人でも仕掛けるつもりでした。連日、単騎だったしちょっと消化不良な競走が続きますね」と苦笑い。
<10R>
市田佳寿浩選手
10レースは
市田佳寿浩(写真)
がまくりを決めて1着をさらう。機敏な立ち回りとレース判断が冴え渡っていた。
「最終ホームで(前を任せた)中村(美千隆)君を入れたかったんだけど、そうなると菊地(圭尚)君がカマしやすくなるでしょう。だから一旦中村をひとりで行かせて、すぐに付いていった。まくった時は、三角で富生(山口)さんと合うのが嫌だった。そこを凌げば、あとは外に踏めば何とかなるなと。今日は凄く良い感じで踏めました」
先行した
金子貴志
は辛うじて3着に粘り、準決勝A進出を決めた。
「中村君が早めに来たんで、これはペースに持ち込まないとダメだと思い腹を括って駆けました。隊列が短くなったところを菊地君に来られない事だけを祈ってましたよ。赤板過ぎに7(池田良)がインを斬ってくれたからペースで駆けられたし、末脚も案外良かった」
山口富生
は車体故障をしながらも2着に入線。
「四角から『金子、残ってくれ!』って思いで踏んだら、狭いところに後閑(信一)や池田(良)がごっそり来たんで焦ってしまった。車体故障はしたけど、身体は何ともない。調子は変わらず良いし、明日以降も大丈夫でしょう」
池田良
は位置取り巧みに好位を確保。4着となったが、動きが良いのは明らかだ。
「脚を使ってでも斬って前にいないと話になりませんから。結果的に良い位置に入れただけです。最後、からまれなかったら3着まであったかもしれませんね」
<11R>
渡邉一成選手
11レースの優秀戦「天神杯」を制したのは
渡邉一成(写真)
。強烈なダッシュで、バック後方八番手に置かれる絶対絶命の展開を難なくしのいだ。
「車間を空けすぎてしまい少しヤバかったですね。本当は有坂さんとワンツーを決める仕掛けだったんだけど、2センターで柏野(智典)さんに合わされそうになってしまい焦ってしまった。だけど、しっかり踏めてるし感じは良いです」
福田知也
の存在も光っていた。後続がもつれにもつれる展開を尻目に、マイペースで駆けていた。
「後ろにタイトルホルダーとSS班の大先輩が付いてくれたわけでしょう。こうなったら地区が違えど駆けなきゃダメでしょ。このメンバーで2着なら上出来ですよ。昨日、今日とチャレンジャーの気持ちでやっている事が良い方向に向いているのかな」
有坂直樹
は渡邉の踏み出しにしっかりと付いていったが、惜しくも届かず確定板行きを逃す。しかし「一成、強えぇなあ。2センターであんな膨れたその上をいっちゃうんだから。今日は離れなかっただけでもいいよ」と結果には納得している。
小倉竜二
は2センターで、福田マークの小野がブロックをした際、その内を突いてコースを確保して3着に食い込んだ。
「三角から内に入って、良いコースを取れたまでは良かったんだけど、その後の伸びがイマイチやった。でも3着だし、悪いとはいえませんね」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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