『防府競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
配信日:12月25日
防府競輪・開設59周年記念競輪「周防国府杯争奪戦」はいよいよ明日が最終日。メインの準決勝4個レースはいずれも熱戦となり、勝ち上がった9名のファイナリストが出そろった。
明日(26日)もイベントは盛り沢山。先着1000名様に抽選券を配布し、抽選でクオカードの当たるラッキーカードの抽選会、井上茂徳氏と東京太さんによるけいりんトークショー、競輪グッズの販売、餅つき大会が行われるほか、先着1008名様に決勝戦の3連単車券をプレゼント。
どうぞ防府競輪場へお越し下さい。
<8R>
長塚智広選手
8レースは一名のみが決勝に勝ち上がる準決勝C。ここは混戦を縫った
長塚智広(写真)
が機敏に立ち回って大健闘。佐々木則幸マークの小川圭二のヨコで粘ると、空いた佐々木の内をすくって主導権。しかし、再び佐々木が主導権を奪い返すと、小川の落車もあったため長塚は番手にはまる展開に。最後は内コースを巧みに突いて1着をさらった。
「(佐々木の内が)空いたときは、後ろに二人付いてくれてたわけだしそのまま出て行こうと考えていたんです。だけど佐々木さんがサッと出たんで後ろに入った。結局、ノリ(佐々木)さんに連れていってもらったようなもんでしたね。展開としてはこんなもんでしょう。ただ、後閑(信一)さんの落車が痛かった」
佐々木則幸
は惜しくも2着となったが、満足行くレース運びに納得の表情を浮かべる。
「(打鐘後の四角で)惰力が付いてしまい、思わず内を空けてしまった。だけど出させたら終わりなんで、すぐに立て直して踏みました。内をすくわれたし、更に外から山崎(岳志)さんに来られてきつかったけど、案外冷静だった。復帰二場所目でこれだけやれたし、結果には納得してます」
佐々木龍也
はまくりを出したが、直線で力尽きた。
「慣れないことをしたからタイミングが図れず、少し躊躇してしまい、四角で一杯でした。もっと迷わずに踏んで行けば面白かったのに」
長塚マークの
後閑信一
は最終ホームで落車。しかし「大丈夫です。落車の影響は今のところもないし、明日も走ります。今日は避けられる展開だったのに落ちてしまった。勿体無かったですね」とコンディションに影響が無いことをアピールした。
<9R>
富弥昭選手
筒井敦史選手
9レースは準決勝B。ここでは
富弥昭(写真)
が地元の意地を見せて優参を決めた。バック手前からまくりを放った関根幸夫の勢いに乗ると、最後は直線を鋭く追い込んだ。
「前がもつれてたし、さらに関根さんが外に車を出したでしょう。33バンクだとあの外に行くのはキツいんですよ。だから、関根さんが踏み出すなら付いていこうと。結果的に良かったけど、俺自身がもっと思い切り行っていれば桑原(大志)まで連れ込めたかもしれない。嬉しいけど、そこだけが少し複雑かな」
片や2着入線の
筒井敦史(写真)
は初の記念優参に喜びを爆発させた。
「最後は外にも行けないし、イチかバチかで内に踏みました。実質四番手だったし、あの展開から良く(2着まで)入れましたね。3・92のギアを前回の宇都宮から使っているんだけど、それが合ってるのかな。今は流れも脚も凄く良い。色々なものが全て良い方向にかみ合ってますね。こんな良い事が続くと浮かれてしまいますよね(大笑)」
桑原大志
は富マークから直線を鋭く伸びたが、惜しくも届かず3着に。優参を逃してしまった。
「2センターでは富さんとワンツーで決まると思ったんですけどね。だけど中は踏めないし、結局外を踏んだ。仕方がないですね」
健闘したのは北日本コンビの三番手に付けた
関根幸夫
。大森慶一と池田良のモガキ合いになると、渾身のバックまくりを敢行。連には絡めなかったが、しぶとさを発揮していた。
「あのまま終わるよりは、ちょっと無理をしてでも自力を出したかった。行けるかな?って少し不安だったけど、ゴール手前で9(筒井)が凄い勢いで来たのが見えたから、ああこれはダメだなと(苦笑)。だけど見せ場は作れたでしょう」
先行争いを演じた大森と池田は共倒れ。
大森慶一
が「中団からが理想だったけど、前を取らされた時点できついでしょう。ああいうレースになるのは仕方が無かった。だけど、俺を出させてくれると思ったんだけどなあ」と話せば、
池田良
も「せっかく小野(俊之)さんが付いてくれたのに…。自分が力不足だったって事です」と反省モード。
<10R>
福田知也選手
山口富生選手
10レースからは準決勝A。
福田知也(写真)
がハイスピードで金子貴志をまくり去った。連日、出色のデキを見せている。
「中団に入れたのが全てでしょう。打鐘から目一杯踏んでいたから、良い位置が取れました。あそこで動かなければ、三宅さんに行かれてしまって後方だったでしょう。金子さんが強かったけど、自分もカカッていたから、並んだ時点でいけるだろうと思ってました。ギアの感じも良いし、思った以上に動けていますね。明日も自分の力を信じて頑張るだけです」
金子マークの山口と、それに続いた伊藤がそれぞれ2、3着に入線。
山口富生(写真)
は「金子は、橋本(強)を出させても、すぐに他のラインが来ちゃうから思い切り(橋本に)合わせて踏んだんだろうね。その後、オグ(小倉)が降りてきてキツかったし、金子のダッシュもすごかったんで少し休みたいと思っていたら、すかさず4(福田)が来た。だからうまく対応できずに結局切り替えるかたちになってしまった。この2着は金子が頑張ってくれた結果ですよ」と金子を称える。
伊藤保文
は「最終ホームで小倉に割り込まれそうになったけど、そこをしのげたのが大きい。あそこであっさり入られてたら展開も違っていたでしょう」と冷静にレースを分析する。
三宅達也
は後方に置かれ、成す術なく終わった。
「判断が鈍いなぁ…。行かなきゃってところで車が出なかった。あっさり福田君に行かれてしまったし、あんな競走をしていてはダメですね」
小倉竜二
は橋本強に全てをゆだねた。
「橋本があんなに行く気とは思わなかった。橋本が頑張るっていうから任せたわけだし、結果は仕方がないですね」
<11R>
坂上樹大選手
柏野智典選手
11レースは逃げた吉川誠を叩いた
稲垣裕之
が主導権を奪取。2着に残り優参を決めた。
「本来は先行と思ってたんだけど、顔見せで風がキツかったから急きょ“行けるところから”と作戦を変更しました。誰もが逃げたく無いなか、吉川(誠)が行ってくれたんでだいぶ楽でしたね。無駄脚を使わずに駆けられました。ただ、(吉川マークの)加倉さんが車間を空けてたし道中は結構キツかった。まだ風邪が治っていないけど、今はレースに集中できています」
勝ったのは稲垣ライン三番手の
坂上樹大(写真)
。稲垣マークの市田佳寿浩が、加倉正義の内を突いて稲垣との連結を外すと、とっさに稲垣を追いかけて番手に入り、最後は直線を追い込んだ。
「前がごちゃついていたし、落ち着くのを待ってすぐに稲垣さんを追いました。余裕があったというか、たまたまですよ。今回はシリーズ通して良く動けている。展開も向いてるし、明日は一発狙いたい」
柏野智典(写真)
は判断が奏功。3着ゲットに満面の笑みだ。
「記念の決勝は初めてだしすごく嬉しい。混戦になるのはある程度予想通りでした。モガキ合いになった時、出てくるのは坂上さんだと思っていたし、その後ろを付いていければ何とかなるだろうなと。実際、その通りになりましたね」
2車ながら果敢に先行策に打って出た
吉川誠
は9着と大敗。
「稲垣さんと一成(渡邉)が相手では、まくるのは難しい。もし逃げてもカマされてしまうんだから、それなら早めに踏むだけ踏んでみようと。だけどカカりが悪かった。加倉さんも付いてくれたし責任感はあったんですけどね」
渡邉一成
は「吉川さんが斬ってくれたし、あの展開なら逃げることも考えていたんですが、結構、吉川さんがカカっていたんで叩くポイントを逃してしまった」と思惑通り行かなかったレース展開に首を傾げる。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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