『東日本大震災被災地支援競輪 防府競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:11月17日
 本日(17日)、山口県・防府競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・開設62周年記念「周防国府杯争奪戦」(GIII)が開催されました。初日のメインである特選3個レースは、トップクラスの選手達のハイスピードバトルが繰り広げられ、それぞれ平原康多選手、松岡貴久選手、大西祐選手が1着を取り初日を最高の形でスタートしました。2日目のメインは優秀「天神杯」。二次予選にもS班をはじめとする主力級が勝ち上がりを狙う見逃せないレースが続きます。明日も初日同様に防府記念にご注目下さい。
 明日(18日)は先着1008名様に抽選券を配布(抽選で開催記念クオカードをプレゼント)、先着1008名様に3連単車券をプレゼント。場内イベントとしては、初日に引き続き地元選手によるウェルカム、吉岡稔真・内林久徳の公開収録予想会(5~11R発売中)、SPEEDチャンネル専門解説者の久保田浩章のずばっ!と予想会(2R発売中)が行われます。初日から盛況だったので、2日目もぜひイベントステージにお立ち寄り下さい。熱戦続く防府競輪、明日のご来場をお待ちしております。
初日の公開収録予想会の様子
初日の公開収録予想会の様子

<1R>
山田久徳選手
山田久徳選手
 先行で逃げ切った山田久徳(写真)がオープニングレースを飾る。
「先行で勝てたことは良かったと思います。明日からも先行で勝てるように、しっかり力を出し切っていきたいですね」
 山田和巧マークから2着の本田博
「勝ち上がりは1車の差が大きいですからね。一度入れたからには、内をしゃくっていくわけにもいきませんから。今日はとにかく山田(和巧)の後輪だけをしっかり見ていきました。2コーナーでは厳しくなってしまいましたけど、あとは突っ込んでどこまでいけるかと。今は自力を徐々になくしていっている時で、いろいろな展開があると思うし、一戦一戦が勉強なんですよね。明日の二次予選も頑張ります」
 一次予選敗退となった大塚玲(8着)は「風は気にならなかったけど、ショックです…。あれでは…」とうつむく。

<2R>
八日市屋浩之選手
八日市屋浩之選手
 重倉高史の先行を利して八日市屋浩之(写真)が1着。
「気持ちよくいってくれましたね。あの子(重倉)は一緒に練習しているんですけど、気持ちがすごく強い。練習ではもっと強いから、いつも僕は抜くことが出来ないんですけどね(笑)。余裕はあったし、(田中)秀治が中に来ると思ってみていたら外に見えて。自分はタテに踏むだけでしたけどワンツースリーが決まって嬉しいですね」
 逃げ粘った重倉高史(2着)は「今日はもうひどいフォームだったと思いますよ(苦笑)。中途半端に仕掛けたら突っ張られると思ったし、叩く時にけっこう脚を使いました。三ツ石(康洋)さんも仕掛けてきていましたしね。ラインで決まったことが一番大きいです」
 3着に田中秀治が入り中部ラインの上位独占。「(重倉は)暴走してしまうかもと思っていたけど(苦笑)、落ち着いて仕掛けてくれましたね。遅れてしまったけど、(二次予選進出は)良かったです」
 三ツ石康洋(7着)は「とりあえず決めてからいこうと思ったんですけど、降りた時に流されましたね。差し込んでいたから返してからいったんですけど、気がついたら田中(秀治・勝仁)サンドになってしまって…。中途半端でした」

<3R>
高橋陽介選手
高橋陽介選手
 坂木田雄介が突っ張り先行に出たことで3番手と絶好位になった高橋陽介(写真)が捲り快勝。
「前が坂木田(雄介)さんだし、大谷(靖茂)も早めに抑えに来るのかなと思ったら、残り1周半でしたからね。あれでは(坂木田も)突っ張るなと思って。そうしたら捲り頃になりました。坂木田さんは僕に合わせようとバック踏んだりしていたんですけど、僕はニュートラルに入っていたし楽でしたよ。今日は展開だけでしたね。初めての防府バンクで1着取れたので、好きになりました。二次予選は相手も強くなるけど、頑張ります」
 突っ張った坂木田雄介が2着。「ああなったら突っ張りますよね。3車だったら赤板で抑えられて高橋(陽介)と中団の取り合いになっただろうし、そうなったらきつかったかもしれないですし。引くつもりだったんですけど、抑えに来るのが遅かったです。本当は無理したくはなかったんですけど(苦笑)、あの展開ではあの方が決まりますから。(高橋が)強かったね」
 4着の榊枝輝文は「ああなったら坂木田(雄介)さんも突っ張るだろうし、俺のところに皆いて…申し訳ないです。前回からギアを使っていて良かったんですよ。自分なりにはあそこからでも伸びているんですけどね」

<4R>
布居寛幸選手
布居寛幸選手
 捲りで一番人気に応えた布居寛幸(写真)が1着。
「2人(片岡迪之と大森慶一)がやる気でしたね。内外迷っていたけど、外にへばりついている感じだったので一旦引きました。でも後ろには黒木(誠一)さんが付いてくれていますからね、ガンバらな!と思って。捲りしか出来ないんですけど、一番人気に応えられたのは良かったですよ。ここのところ連には絡めていますし、調子自体は変わらずですね」
 布居マークの黒木誠一が2着。「4番(大森慶一)が来て単騎カマシになるのだけは厳しいと思っていましたけどね。僕は余裕がありましたよ。調子も上がってきている感じですね」
 片岡迪之マークの山根義弘が3着に入線。
「片岡サマサマですね。後ろからで、片岡君も先行で駆けた方が力を出し切れると思っていました。あの展開だったらワンツーが決まったかなと思っていたら、2番(布居)にゴール前ですごいスピードでいかれてしまいましたね。最後は追走一杯でした。昨年の地元記念では失格をしてしまっているので、その分まで頑張りたいと思っているし、今回は昨年と比べてもかなりメンバーが強いですけど、明日以降も地道に頑張りますよ」

<5R>
山田雅之選手
山田雅之選手
 捲る田中雅史を追走した山田雅之(写真)がゴール前差し切る。
「恵まれましたね! 追走している時はきつかったですよ。作戦面も全部、田中(雅史)君に完全に任せていたし、いつも良いスピードでいってくれますからね。最近は調子も良いので、それで抜けました。1着を取れたのは前のおかげだし、明日も頑張りますよ」
 岩本純と古屋琢晶のモガキ合いを田中雅史が捲り2着。
「モガキ合ってくれたら良いなあとは思っていましたけど、あそこまでモガキ合いになるとは思わなかったですよ。僕にとってはラッキーな展開になりました。前は脚を使ってくれていますし、あの展開で捲れないようではね。ああいう展開をモノに出来るかどうかは大事だし、しっかりモノに出来たということは戦える自信にもなりますね。明日も頑張ります」
 主導権を渡さなかった古屋琢晶は7着。
「後ろ攻めだったし、一回出てからと思っていました。赤板から踏みっぱなしの感じだったから、きつかったですね。展開もあったけど…感じは悪くなかったです」

<6R>
尾崎剛選手
尾崎剛選手
 天田裕輝の先行を利した尾崎剛(写真)が抜け出して1着。
「(天田が)いってくれたし、嬉しかったです。富永(昌久)君もスピードがあるのを見ていたので知っていたけど、天田君は赤板からいってくれたし点数以上に力がありますね。自分としては助かりました。(落車明けで)どうかなとは思っていたけど、何とかなるとは思っていたし、元々1着は多くなかったから(1着は)大きいです。最後は廣川(貞治)さんが外から来ると思ったら内に来ましたね。なんとかワンツースリーが決まって良かったです」
 2着の廣川貞治は「宮司(周郎)が来たからどうなるのかなと思っていたけど、前のおかげです」。
 先行した天田裕輝(3着)は「3着なんですか?(僅差で)同県の人たちには5着じゃないかと言われていたので。3着なら頑張った方ですね。今日は重かったし、富永(昌久)さんが来ると思ったから、バックでけっこう踏みました。最後は後ろから行かれてしまうと思ったし垂れました。きつかったけど、(ライン上位独占は)良かったです」
 富永昌久(4着)は「怖かったので内だけは締めてしたんですけどね。6番(宮司周郎)にかぶりかぶりだったし、2コーナーではいけるかなと思ったのに、(天田が)そんなスピードではなかったです」

<7R>
廣川泰昭選手
廣川泰昭選手
 4回転の捲り炸裂で廣川泰昭(写真)が1着。
「良い展開になったと思います。けっこう踏めましたね。1コーナーではちょっとフワッとなったんでヤバイと思ったんですけど、そこから伸びていきました。練習で手応えがあったから、今日は流しているようならいこうとも思っていたし、自信を持っていけました。感じも良かったです。練習している沖縄は333バンクなので、防府も走りやすいです。ここに向けて仕上げてきたので、明日も頑張ります」
 廣川を捲り気味に追った丸山啓一が2着に入線した。
「大内(達也)さんのおかげですよ。大内さんにいつも通り仕掛けてもらえば良かったし、いけるように下手くそなりに位置取りもやりました。中団が取れたし、前の選手がいないと何も出来ないので(2着は)良かったです」
 宿口陽一を追走した小宮剛(3着)と北村貴幸(4着)。小宮は「(宿口の先行で)もう誰も来ないと思っていました。そうしたら9番(廣川)が来て。牽制したけどタイミングも合わなくて、思っていた以上に(廣川の)スピードが良かったです」。北村は「後ろを見たら、もう9番(廣川)が来ていて、時間差で丸山(啓一)君も来てしまって…」

<8R>
関戸努選手
関戸努選手
 ゴール前で小谷田公則を交わして1着の関戸勉(写真)
「良い展開になりましたね。ちょっと絡まれそうになったんですけど、今日は小谷田(公則)君の後輪だけを見ていきました。(調子は)1着を取れているので良いと思います。追い込みとして前をしっかり信頼して、明日も頑張ります」
 絶好の捲り頃になった小谷田公則は「今日は展開一本ですね。あとは見てしまうか、仕掛けていけるかだけでした。あそこで見てしまうと才迫(勇馬)君のペースになってしまうと思うし、ちょっと才迫君のペースも微妙でしたからね。あそこで仕掛けられたのは正解でしたが、最後は一杯でした」
 北日本3番手の相原健樹が3着。
「必死で付いていきましたよ。展開も良かったし、前が強かったですね。(最後は)外に踏んだら、内でガシャンと音が聞こえて。でも(二次予選進出は)良かったです」
 8着の不破将登は「突っ張り切れればもっと面白かったんですけどね。合わせられると思ったんですけど、(才迫に)また来られてしまいました」

<9R>
平原康多選手
平原康多選手
村上博幸選手
村上博幸選手
 ここからメインの初日特選がスタート。神山拓弥との連係は崩れるも自力に転じて平原康多(写真)が1着と好発進を決める。
「任せていたんですけど、予想外の展開になりましたね。村上(博幸)さんの切り込みと合ってしまって、情けなかったです。(神山)拓弥に3着まで入って欲しかったですが…。追い上げる感じで、最後は自分でいけました。悪い時だったらあの展開になったらいけていないと思うので、上り調子だとは思います」
 切り替えて前々に攻めた村上博幸(写真)が2着。
「頭にはいろいろ展開はあったんですけど、考えすぎても仕方ないと思っていました。ピッチが速かったし、神山君の出が良かったです。ああなってしまっては仕方ないし、切り替えていきました。333バンクなので一瞬の判断で。(平原が)後ろとは分かりませんでした。すごい勢いでしたね」
 最後方に置かれた三宅達也だが、直線伸びて3着入線。
「内に行こうか外にいこうかだいぶ迷いましたよ。濱ちゃん(濱田浩司)もいたし、富(弥昭)さんも内にいましたし。ホームで余裕はありましたね。もう1回どこかにチャンスがあると思って付いていったんですが、(平原)康多がすごい遠くに見えました。よく9番手からあそこまで届いたと思います」
 主導権を握った神山拓弥は粘り込みを図るが最後に三宅達也に交わされて4着。
「体が動いたところでいこうと思ったんですけど、仕方ないですね。何とか3着までに入ろうと思ったんですけど、最後は力尽きました。誰が捲ってきたのかと思ったら村上(博幸)さんで、どうして?と思って。その外に平原(康多)さんが見えたので、そこで分かりました。残らないといけなかったですけど、(ラインの)平原さんが1着だし、最低限の仕事は出来たと思います」

<10R>
松岡貴久選手
松岡貴久選手
桑原大志選手
桑原大志選手
 藤木裕が先行する流れの中、内から番手を上げて3番手を奪取した松岡貴久(写真)が抜け出し1着。
「桑原(大志)さんもあの展開を予想していたみたいでした。前をすくっていくのもいいし、開いたから入っていった感じです。何とか市田(佳寿浩)さんを避け切れたし、ワンツーが決まって良かったです。前回は久しぶりの優勝が出来て気分良く練習も出来たし、良くなってきていますね。明日も1着を目指していつも通り頑張りますよ」
 松岡マークの桑原大志(写真)が2着。
「(松岡は)強い。自分は気持ちだけですよ。車単も売れていたし、決まって良かったです。(松岡は)点数も連対率もすごいし、僕が何か言えるような立場ではないですから。間をさせないようならまだまだということだし、とにかく付いていくことだけに集中していました」
 先行した藤木マークの市田佳寿浩が3着。
「(松岡が後ろに入ったのは)気配で感じていたので、内は開けられないなと思っていました。藤木(裕)は強くなっているし、これでも逃げ切れるのかという感じでした。冷静なら少し最後は垂れてきていたのかなとは思うけど、任せていましたからね。結果論をいうならもう少しだったので、残念」
 主導権を握った藤木裕は5着に敗れる。
「本命を背負っていたし、出来れば3着までに入りたかったですけどね。松岡(貴久)があそこの位置からとは。でも脚の感じは悪くないと思います」
 捲り迫った伊藤正樹だが4着まで。
「最初から捲りを狙っていれば良かったんでしょうけど。危ないところがあって見ていたら前に誰もいなくなって、苦し紛れでいったんですけど全然。思っていない展開になりましたね」

<11R>
大西祐選手
大西祐選手
三宅伸選手
三宅伸選手
 小嶋敬二が先行し、武田豊樹がホームから巻き返すハイペースの流れの中、大西祐(写真)が混戦を断つ捲りを決めて波乱を演出した。
「めちゃくちゃジャンでペースが上がったので、これはきついぞと思っていました。武田(豊樹)さんが捲っていって、それを(加藤慎平が)張って、どうなるのかと思っていましたから。後方で最悪の展開になって大敗してしまうと思ったんですけど、いけるところまで踏んでいこうと思って1人2人と数えている間に、アレレ?これは前までいけるぞ!と。武田さんのところだけは絡まれないように注意して、加藤さんのところも何とか乗り越えられました。ツキ一本ですけど、このメンバーですから大きいですね(笑)」
 小嶋敬二マークの加藤慎平は武田の捲りを牽制して2着入線。
「先行は作戦にはあったんですけど、赤板からジャン前の大フカシでいくとは想定外でした。合わせて踏んでいくのかなと思っていたので。後ろ頼むぞ!と言っているようなレースだったし、信用しれくれていることは嬉しいこと。きつかったけど、武田(豊樹)さんを何とか牽制しようと。やるしかないですからね」
 3着は三宅伸と幸田光博との接戦となるが、確定放送を聞いた三宅伸(写真)はこの表情。
「武田(豊樹)がすぐいったからね。あれが一列棒状だったらきつくなっていたところでしたけど。走る前に『YOU(祐)いっちゃいな!』とか言ってたんですけど(笑)、本当に祐がいっちゃいましたね。(3着接戦で)こういう時は、大体もれる方だったんですけど、良かったです。これは大きいですね」
 武田豊樹は加藤の牽制もあり初日は6着に終わる。
「小嶋(敬二)さんは全開で駆けてしましたね。あのスピードなら後ろが来られないのは分かっていますけど、あとは力勝負で自分があの外をいけるかどうか。(加藤)慎平はヨコに来るの分かっていたから、その上と思ったが、良い経験にはなりました。最後も届かなかったけど諦めずに内に入っていきました。また明日頑張ります」
 中部3番手の馬渕紀明は7着。
「内を締めているだけで一杯でした。(小嶋の先行は)ジェットコースターのような感じでした」
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