『東日本大震災被災地支援競輪 防府競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:11月19日
  本日(19日)、山口県・防府競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・開設62周年記念「周防国府杯争奪戦」(GIII)3日目が開催されました。メインの準決勝3個レースは、どれも超が付くほどのスピード戦となりました。この大激戦を1着突破したのは順に小嶋敬二選手、平原康多選手、市田佳寿浩選手でした。特に最終レース1着の市田選手の上がりタイムは9秒0、防府競輪場のバンクレコードを見事に更新しました。明日の決勝戦もメンバー的にスピードメーターがレッドゾーンに振り切れるくらいの大激戦になることは間違いなさそうです。細切れ戦なのでじっくり検討の上、最終日も防府競輪でお楽しみ下さい。
 最終日(20日)は先着1008名様にラッキーカードを配布(抽選で開催記念クオカードが当たります)、また3連単車券(先着1008名様)もプレゼントします。場内では、連日好評の地元選手&スピーチーズによるウェルカム、吉岡稔真・内林久徳の公開収録予想会(9~11R発売中)、SPEEDチャンネル専門解説者・久保田浩章のずばっ!と予想会(2・6R発売中)が予定されております。また、競輪初心者のためのビギナーズコーナーやふれあい動物園(動物レース、5・8R発売中)などご家族連れでも存分に楽しめる内容になっております。明日がいよいよ最終日、防府競輪にぜひご来場下さい。

天気がころころと変わった今日の防府バンク
天気がころころと変わった今日の防府バンク
<1R>
岩本純選手
岩本純選手
 3日目は一般戦からスタート。積極的な走りを見せた岩本純(写真)が逃げ切りで1着も、番手の藤原富雄が失格となり手放しでは喜べない様子。
「初日、2日目とメンバーは違うけれど、やっとバックが取れたし、すんなりペースで駆けることが出来ました。高比良(豪)さんが中団争いかと思ったら引いたので、それも見えてました。あとはカマされないように逃げていけば良いかなと。押し切れたのは良いですが、仕事してくれた(藤原)富雄さんが失格ですか…」
 4番手から宮本佳樹が開いたコースを突いて2着。
「(落車があって)危なかったですけど、あれで前に誰もいない感じになって。前の青井(賢治)がいってくれたおかげで、踏むところが出来ました」

<2R>
組橋一高選手
組橋一高選手
 宮司周郎の3番手を追走した組橋一高(写真)が内から抜け出して1着。大敗が続いていたこともあり、3連単は1レースに続く高配当となった。
「7番(武藤嘉伸)が降りてきたので、前に踏んだら開いていたので、その勢いでいきました。出切ってからは、余計なこと考えずにもう前に踏むだけでした。今は得点を持っていないから、昨日も車番の色を見られて競られてしまったし、最近は前に任せたレースで8、9番手になることが多かったですからね。今日は3番手に付けられたし、変わらず練習もしているので状態は良いんですよ」
 大外を勢いよく捲った米原大輔が2着に入線する。
「やった!と一瞬、頭によぎりましたけどね。今日はダメでも1コーナーから踏もうと思っていたら、ちょうど良いタイミングになりました。割り切って思い切ってはいけたんですけど、最後は6番(組橋一高)が内で、こっちは大外でしょ。内と外でスピードが違いましたね。2着ですが、明日の選抜に上がれるのは良かったです!」

<3R>
不破将登選手
不破将登選手
 2日間見せ場が無かった不破将登(写真)だが持ち味の先行で押し切った。
「まさか逃げ切れるとは思っていなかったです。ようやく風を切ることが出来ました。今日のように構えてくれる相手だと、僕は地脚型なので良かったです。連日、切ったところを叩かれる展開でしたからね。後ろに(近藤範昌が)見えた時は、来た!と思いましたけど、あとは3コーナーの入り口でどうなるか。出切られたらダメだし、もう我慢でした(笑)。気持ちいいところで流せなかったし、最後は垂れた感じだったからタイムは良くないと思うけど、逃げ切れたのは良かったです。また明日も風を切れるように頑張ります!」
 捲りで前団に迫った近藤範昌が粘っての2着入線。
「前回の松戸(7着6着9着)で下手を打ってしまったので、早めに行こうと決めていたんですよ。後ろも同期の大先輩・土井(勲)さんですからね。初手は中団が良かったけど、前受けで。積極的にいったのが良かったですね。(補充2着で)気分も良いです」

<4R>
大谷靖茂選手
大谷靖茂選手
 展開を読んでいた大谷靖茂(写真)が捲りで快勝、連勝を決めた。
「今日は前受けで、中団の作戦でした。スタート牽制もあったし、才迫(勇馬)君と藤野(一良)さんがやる気だなと思っていたんですよ。あとはどのタイミングで来るのかだけ。そうしたら2周前くらいから始まったので、その踏み合いに参加しても仕方ないし、あそこから仕掛けても前は持たないと思って。中団は取れなかったんですけど、藤野さんが仕掛けてごちゃついたところで踏めたし、ラインで決まって良かったです。今日はうまく他のラインを利用できた感じでしたね。また明日も頑張ります」
 大谷マークの日比野敏行(2着)は「強かったね。先行争いになるだろうから、前受けからの作戦でしたよ。最後は抜けるかなと思ったのに、コーナーで詰まりかけてから、また踏まれてしまいました」
 単騎だった古屋琢晶は仕掛けを逸して5着。
「どうしようと思っていましたけど、初手は中団に入りました。あとは9番(大谷)の流れを見てという感じでしたけど、ホームでいけば良かったのに見てしまいましたね。4回転にしたんですけど、一度ホームでバックを入れてしまったのも大きかったです。自分の反応と脚がまだまだですね」

<5R>
永澤剛選手
永澤剛選手
 後手を踏んだ永澤剛(写真)だったが、ここまでの悪い流れを払拭するような豪快な捲りで勝ち星。
「前受けで、先行争いを期待していたんですけどね。後方になってしまったから、もういくしかないと思って踏んでいきました。ジャンではいけなかったです。片岡(迪之)が後ろにいると思ったし、(吉田健市の)ブロックも来るぞと思いながら踏んでました。はまらなかったら、飛んでいましたね。出はあまり良くなかったです」
 永澤の番手追走の形になった片岡迪之が2着。
「永澤(剛)さんに入られてしまって、どうしようかと思ったけど、もう(番手を)どかしていくしかないなと。最後は凌げたんですけど、三ツ石(康洋)さんが5着では申し訳なかったです」
 直線で内から伸びた山田和巧が3着に入線。
「今日は富永(昌久)に任せて、とにかく後手を踏まないようにと思っていたんですけどね。自分の中では後手を踏んだ時のことも考えてはいました。でもスピードが上がってからの8番手では厳しかったです。前が遠かったですね。最後は開いたし、あそこしかなかったけど、たまたまですよ。自転車が進みたがっていた方に踏んだだけです」

<6R>
中村一将選手
中村一将選手
 ここから2着までが特別優秀への勝ち上がりとなる特選。中村一将(写真)がスピードを活かした捲りでライン上位独占を演出した。
「展開が向いてくれましたね。(隊列が)整ってくれたおかげで助かりました。仕掛けのタイミングも良かったと思います。バシャーンと音がしたので落車は分かっていましたが、出切ったスピードで踏んでいきました。最近は自分の弱いところが出てしまっていたので、とりあえずは良かったです」
 中村マークの黒木誠一が2着入線。
「(萩原の落車は)びっくりしましたね。付いていた感じは(中村)一将が絶好調という感じではなかったですけど、良い形で決まって良かったです。明日も頑張るだけですね」
 前の萩原孝之が落車・失格で追走していた近藤俊明は4着まで。
「任せていたので…。飛びつきも作戦にはあったんですけど、遅めだったのでワンテンポ早めだったらまた違かったかもしれないですね…2番(中村)が駆けたのできつかったです。落車しなかったことは良かったかもしれないですけど、脚は軽いのに踏んでいる割に前に出ていないです。ギアを変えていきたいと思います」

<7R>
濱田浩司選手
濱田浩司選手
 大ギア捲りで濱田浩司(写真)が圧勝、スピードの違いを見せつけた。
「成績は良くないんですけど、体はいつもより動けていると思いますね。今日は重倉(高史)君が4車でラインが長かったから思い切って仕掛けてくると思っていました。僕もギアをかけているから、踏んだり止めたりするレースよりかは、いつでもいけるようにと。最初のかかりも良かったし、久しぶりに良い感じで踏めましたね。出来れば國村(洋)さんと決めたかったですけど。もう一日、頑張ります」
 中四国ラインに切り替えた関戸努がゴール前で交わして2着。
「今日は展開だけですよ。前が頑張ってくれましたしね。國村(洋)君は苦しそうだったし、離れ気味だったから、センターで回す感じで内からしゃくられないようにだけ注意していました。ここの2着は大きいですからね。良かったです」
 濱田浩司を必死に追いかけるも國村洋は関戸に差され3着。
「濱ちゃん(濱田浩司)がいけるところで、付いていければ良いと思っていたんですよ。ダッシュで千切れたら命取りですから、一瞬だけと思って。だけど、濱ちゃんが切り込んだ時に、晴れていたら食いつくのにスリップして…。この2着と3着は大きく違うのに」とため息。

<8R>
鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
 4回転の鈴木謙太郎(写真)が主導権取りから、マーク・山田敦也の差しも凌ぎきって1着。
「久しぶりの1着なんですよ。山田(久徳)が前の方が戦いやすかったけど、前に本田(博)さんがいたし、どうするのかなと思っていました。4回転は回転が遅いので、スピード出ているかどうか分かりづらかったです。坂木田(雄介)さんもかなり踏んでいたし、どれくらいか分からなかったので出切るだけ出ようと思いました。重かったし、きつかったです。最終日はまた4回転でいくか、71に戻すかは考えます」
 鈴木マークの山田敦也は8分の1車輪及ばずの2着。
「踏み出しもすごいし、垂れてこなかったです。差したと思ったんですけどね。丸々2周駆けていたし、強い4回転では何かで対抗しないといけないです。これが捲りだったら、今日みたいに詰められないですしね。流れが全然違いました」
 坂木田雄介マークの深澤伸介が3着。
「坂木田さんに任せていたし、中団からが理想でした。山田(久徳)君のラインがなかなか連係できてなかったし、あれでは下げてくれないですし。でもどちらにせよ、坂木田さんが抑えて、(鈴木)謙太郎が来るという展開は同じだったのかも。坂木田さんも一杯なのも分かっていました。ギアに関しては考えていかないとダメですね。もう迷わずにあげていかないと。また明日、頑張ります」

<9R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
加藤慎平選手
加藤慎平選手
 ここから正念場の準決勝が開戦。
高橋陽介が主導権を握ると、神山拓弥と松岡貴久が中団を取り合う中、小嶋敬二(写真)が捲り発進。成田和也の牽制も凌ぎきると、直線で突き抜けた。
「位置は予想通りではあったので、落ち着いてはいましたけど、けっこう前が良い感じでいってましたね。かかっていたから、成田(和也)が牽制に来て、降りようとしたら内に(加藤)慎平がいて(笑)。でもこれで成田はもう牽制に来られないと思って、慎平うまい!と思いましたよ。慎平とワンツーだなというのは4コーナーで分かったし、自分が外にいる分、1着でしたね。良かったです」
 加藤慎平(写真)は成田和也の牽制で小嶋敬二との連係は崩れたものの2着で中部ワンツーが決まる。
「どんなワンツーですかね(笑)。小嶋さんは強い! あれでくぐり抜けてくるんですからね。最後はヨコを見たら小嶋さんでした(笑)。脚は重くて一杯だったんですけど、レースはよく見えていると思います。4番(高橋陽介)が残ったんですか。やっぱり強かったんですね、抜くのがきつかったですから。レース勘は大丈夫なので、もっと上積みは欲しいですね」
 準決勝も初めてだった高橋陽介が逃げ粘って3着、見事に記念の初優出も射止めた。
「もう後ろを見ないで、ドンドン踏んでいくだけでした。成田(和也)さんがすごい仕事をしてくれたおかげですね。最後は中に来たのが(加藤)慎平さんだったので、少し怖かったですけど、なんとか3着に入れたのは良かったです。もうすぐ30歳だから新人ってわけではないですけどね(笑)。今日はバックも取れないのかなと思っていたけど、しっかり取れたし、最近は同期の藤木(裕)や松坂(洋平)が急に強くなってきたので、自分も頑張ろればと思っていたんですよ。脚が一杯なので、しっかりケアして決勝も頑張ります」
 ゴール前詰めた神山拓弥だったが4着惜敗。
「最後は自分でも届いたと思ったんですけどね。引いたら終わりですし、サラ脚だったら良かったんですけど…。小嶋(敬二)さんはずっとあんなに外を走っていたし、3コーナーで外にいこうと思ったんだけど無理だと思って、そこで見過ぎましたね」
 6着の松岡貴久は「もう一回外に踏んでいけば…。小嶋(敬二)さんが止まると思って見てしまったのが失敗でした。(神山と)取り合うのを止めて6番手でカマそうか迷ったんですけどね。そうすると小嶋さんが来ていかれてしまうとも思って」

<10R>
平原康多選手
平原康多選手
三宅達也選手
三宅達也選手
 天田裕輝の番手を回った平原康多(写真)。最終的に三宅達也が先行する流れになるが、最終ホームから自力で仕掛けて後続を引き離した。
「藤木(裕)もやる気だったので、きつかったですね。でも任せると言った以上はね。(天田が)一杯一杯なのを見切ってからいったし、天田の気持ちに応えようと思っていました。宗景(祐樹)さんの落車は残念でしたけど…。最後は展開が向いただけだし、あそこしかいくタイミングはなかったですよ。調子は言った通り上向いてきているし、バランスも取れていますね。次に向けても上積みしたいです」
 先行策に出た三宅達也(写真)。番手の富弥昭は失格し、後続で落車があるも逃げ粘って2着。
「出し切った! 待とうと思ったけど、丸(丸山啓一)さんが切り替えてきたのが分かったので、先行していきました。富(弥昭)さんも付いていましたしね。久しぶりにすごい踏みました。でも防府はやっぱり相性が良いですよ。あれで2着に残れるとは。富さんが失格になったのだけが残念ですね」
 直線での落車もあり内にいた丸山啓一が3着入線。
「あんなことないですよね。内にいたら、落車があって3着に入れました。前がすごい脚を使っていたからですけど、高知記念の時も準決勝で落車があって決勝に行けたんですよね。ここはA級で初優勝しているし、初勝利もここなので、相性が良いです。天田(裕輝)君の前受けは予想してなかったですが、三宅(達也)君に賭けようと思って付いていきました。これで今年の記念は2回目の決勝、僕、持っているんですかね(笑)?」
 一度は近畿勢の番手を狙う動きを見せた天田裕輝(5着)。
「どかしてからすぐいこうと思っていたんですけど甘かったです。(三宅が踏んで)あそこで粘っていても仕方ないので、あとはいけるところまでいければと思って踏んでいきました。(平原が1着で)そこは良かったと思いますが、自分はあのレースですからね」

<11R>
市田佳寿浩選手
市田佳寿浩選手
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 大西祐と武田豊樹の先行争いは武田に力で圧倒して抜け出す形となるが、市田佳寿浩(写真)が4回転の捲りを炸裂させて9秒0のバンクレコードで1着。
「モガき合いは考えていなかったですよ。レースに絶対はないですし、中部が後ろでしたけど、僕とは別線ですしね。武田(豊樹)さんが相手だから4回転に上げたんですよ。せめてギアだけでも上げないと同じ土俵に立てないですからね。今日はきれいに回せたと思います。最近は自力を出していないから不安はあったんですけど、前で回って(バンクレコードの)スピードが出せるなら悪くないと思いますね。これ以上はスピードは要らないし、ありえないエネルギーを使ったけど(笑)、明日はまた武田さんもすごいスピードを出してくるでしょうから。決勝は割り切って単騎でいきたいと思います」
 大西祐をパワーで圧倒して先行した武田豊樹(写真)は2着で決勝切符。
「もつ位置から外にいく感じでした。(馬渕の動きも)想定はしていましたよ。僕を浮かせて大西(祐)君が駆ければ勝負圏に入れますから。でも、そこは考えていましたからね。ホームはさすがに苦しかったですよ。(大西は)ダッシュがいいのは分かっているし、番手に入っても仕方ないからパワーでいきました。大西君も難しいレースだったと思いますよ。ラインはバラバラになってしまたけど、自分は自分の力を出すだけ。1着は欲しかったけど仕方ないね」
 単騎の市田佳寿浩を追走した伊藤正樹が3着。
「市田(佳寿浩)君がギアを上げていたし、番手にいくのかどうかだけ見てから、付いていこうと思っていました。上手くいったと思います。決勝は小嶋(敬二)さんの3番手で頑張ります」
 武田との真っ向勝負に出るも敗れた大西祐(6着)は「脚とギアが違いましたね。合わせてホームで張り気味にいければ良かったんですけど。そうしたら番手に入れることもあったかもしれないですが…真っ直ぐ踏んでしまいました。真後ろからは合わせきれなかったし、脚力が違いました」
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