『東日本大震災被災地支援競輪 防府競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:11月20日

 本日(20日)、山口県・防府競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・開設62周年記念「周防国府杯争奪戦」(GIII)最終日が開催されました。強力メンバーでの対戦が実現した決勝は武田豊樹選手がホームから仕掛けて主導権を握っていくと、マークした平原康多選手がゴール前で交わして優勝。一番人気の関東ワンツーが決まりました。今回のメンバーの多くは次走が競輪祭。どんなドラマが待っているのか、優勝した平原選手の活躍も含めて今から楽しみでなりません。
決勝戦 レース経過
 誘導以下、武田豊樹-平原康多-丸山啓一、小嶋敬二-加藤慎平-伊藤正樹、高橋陽介-三宅達也、市田佳寿浩で周回を重ねる。まず赤板バック前から高橋が上昇を開始すると赤板で先頭に立ち、そのまま先行態勢に入っていく。小嶋敬二も連れて上昇していくが行き切れず引いて、中団には武田豊樹がおさまり、小嶋は7番手で打鍾を迎える。高橋の先行で3番手に市田が続くも、最終ホームから武田が捲り発進。高橋の番手から三宅も牽制しながら出るも、武田がスピードの違いを見せつけて一気に先頭に躍り出る。小嶋敬二もその外を捲りで迫るが武田を捕えるまでには至らず後退。そのまま武田が先頭で直線に向くと、番手から平原が差し脚を伸ばして優勝。2着に武田、3着に丸山と東のラインが上位独占という結果となった。


平原康多選手
平原康多選手
 今年1月の地元記念以来となる記念Vを飾った平原康多
「武田(豊樹)さんが強すぎですね。武田さんが優勝できるようなレースをしてくれれば僕にもチャンスがあるかなと思っていました。武田さんとはお互いの状態で前後が決まるんです。僕はまだまだ賞金でもグランプリに乗れるチャンスがあると思いますしね。付いている時は余裕がなかったですよ。全て任せていましたし、武田さんにはレースの巧さもありますからね。一年間ケガで苦しんできましたけど、ようやく調子が戻ってきたと思いますし、競輪祭でも良い勝負が出来ると思います」

 関東ライン上位独占を演出した武田豊樹
「どこでいったらいいか緊張したけど、ラインで上位独占だったら最高でしょう。もちろん自分の優勝が一番だと思いますけど、いつも世話になっている仲間の優勝ですからね。でも今日は苦しかったですよ。8番(高橋陽介)も残っていたからしめるわけにもいかないですし。でも練習では出ない、レースでしか出ないことなので、(今開催は)良かったです。次に繋がると思いますね」

 関東勢を追った丸山啓一が3着、嬉しい競輪祭(来年)の権利をゲット。
「優勝を狙っていたんですけどね(笑)。今回は奇跡的な流れの良さでした。自分の4日間の判断が全部良い方向に行きました。今日もいろいろな選択はあったんですけど、本線の3番手という自分の意志を貫いたので、結果3着には入れたので言うことなしです。こんな実績をあげたんだから、点数を上げていかないと恥ずかしいし、何とかまたGIに自分の力で出られるように頑張ります。でも競輪祭の権利は大きいですね(笑)。なかなか記念は数多く走れないですし、その少ないチャンスで決めることが出来たので嬉しいです」

 小嶋敬二の捲りは不発も加藤慎平は外を踏み4着。
「難しいレースになりましたね。高橋(陽介)君があそこまで噴かすのは想定外でした。小嶋(敬二)さんもちょっとそこでびっくりした感じになったんだと思います。でも今開催はレースが見えていたし、落ち着いて走れていたし、今開催は明るい材料しかなかったですよ。長期欠場明けでしたけど、腰痛も出なかったし、この10日間で最後のGIに向けてちょっとでも上積み出来るように頑張ります。自分らしいレースをもっと見せたいですね」

 中部3番手の伊藤正樹が5着。
「小嶋(敬二)さんが強いから任せていくのは当然ですからね。市田(佳寿浩)君も昨日調子が良かったし、ペースが上がるのかなと思っていて、武田(豊樹)君も先行基本で来ると思っていたからギアを上げたんですけどね。今回は人の後ろが多かったので、決勝に乗れたのも自分で動いての結果ではないんですけど、展開は恵まれていました。体調も悪くないので、次の競輪祭も頑張ります」

 単騎でのレースを選択した市田佳寿浩は6着。
「(高橋-三宅の後ろは)先行するかなと思っていたので。武田(豊樹)さんの来るタイミングは分かっていたんですけど、強かったですね。でも前々に踏めて良くなっていると思うし、また頑張ります」

 地区は違えど高橋陽介に前を任せた地元地区の三宅達也は7着に終わる。
「先行してくれてありがたかったんですけど、僕の力不足です。まだまだもっと頑張らないと。先行してくれたから、武田(豊樹)さんに合わせて出ようと思って。でも武田さんがそれ以上に強かったです。飛びつこうとも思ったけど、それどころではなかったしスピードが違いすぎました。もっと小嶋(敬二)さんともつれてくれたらもっと良かったんですけどね。(武田が)すんなり中団でしたし、強かったです。でも高橋君は頑張ってくれたし、ライン関係ないのに先行してくれて、僕がふがいなかったです。調子は引き続き変わらずだし、次は競輪祭なので、また頑張ります」

 7番手におかれた小嶋敬二は捲りに出るも不発に終わり8着。
「(高橋陽介は)セオリーよりも早く青板で動いて、一回俺のところか武田(豊樹)のところで止まるのかと思っていたんですよ。止まって躊躇しているところを一気にカマそうと思ったんですけどね。カマせば武田も獲りたがるから、そうしたら武田と勝負と思ったのに、あんなに(高橋に)いかれると思わず、予想外でした。慌てていってもかかっていて流さないし。今日は後手に動いてしまったけど、もっと先手に動けばまだ脚はあると思ったし、次の競輪祭も頑張ります」

 初の防府、初の記念決勝を体験した高橋陽介(9着)。
「思ったよりホームまでいけて、もっとすごいスピードで来るかと思っていました。脚が一杯になる前にいかれたので、もちろん脚が全然違うんですけど、何が違うかがいろいろ勉強になりました。まだまだ弱いですけど、このくらいのぺースでいけば来られないのかなとか。もっとこういう舞台を走れれば、練習でもレースでもやるべきことがもっと分かっていくと思います。自分なりには落ち着いていたんですけど、もっと落ち着いても良かったとレース後に言われましたね。でもホームの風がすごかったので、踏めているのに止まってしまった感じです。(武田は)強いから、それでも来てしまいましたけど。また頑張りたいと思います」


ゴール
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