『防府競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:9月25日
 防府競輪開設63周年記念「周防国府杯争奪戦」は本日25日が最終日。激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が最終11レースで争われた。レースは新田祐大と浅井康太で激しい踏み合いに。最終バックからまくった井上昌己が直線外を鮮やかに突き抜け、昨年12月の佐世保以来となる通算6度目の記念制覇を果たした。
決勝戦 レース経過
 号砲と同時に浅井康太がスタートを出る。前受けの浅井に柴崎俊光が続く。以下は新田祐大―伏見俊昭、濱田浩司―小倉竜二に単騎の三宅達也。後方は松川高大―井上昌己で周回を重ねる。
 青板を通過し8番手から松川が上昇を始めると、合わせて濱田も動く。濱田―小倉で早めに先頭に出て、松川―井上に三宅が追う。赤板を迎え濱田ラインに乗った松川がさらに踏み上げて濱田を押さえるが、その上を新田が一気に叩いて打鐘。先行態勢を取った新田に伏見。三宅が3番手に切り替えると、その三宅に乗った浅井が前団の福島コンビに襲い掛かり最終回へ。
 主導権を握った新田と浅井の踏み合いは、浅井が力ずく新田をネジ伏せる。最終2コーナーで浅井が先頭に立つと、最終バックから三宅もまくりを上げる。8番手の濱田は立ち遅れ、中団の松川はいっぱい。井上が松川を捨て自らまくって出る。三宅のまくりを止めた柴崎だったが、内から伏見に当たられ失速。伏見がインを進出。スピードに乗った井上が外から迫り直線へ。
 ロングまくりを決めた浅井が押し切るかに見えたが、井上が矢のような強襲劇で突き抜け優勝。2着に浅井、伏見が3着。

井上昌己選手
井上昌己選手
 天才レーサーの井上昌己が本領を発揮した。目標の松川高大が前団に追い付けないと見るや、最終バックから自力発進。出色のスピードで鮮やかな強襲を決めた。
 「伏見(俊昭)さんが内に詰まって、(三宅)達也さんが外をまくっているのは見えていました。松川(高大)君が追い付けるかと思ってギリギリまで待っていたんですけどね。あれ以上、待つと自分も厳しくなるので、バックぐらいから踏んでいきました。自分だけ脚を使わない展開でしたからね。でも、今日は4日間の中でも一番良かったと思います。防府はやっぱり相性がいいですね」
 前橋オールスターから中3日での追加参戦。初日の大敗で疲れが心配されたが、尻上がりに状態は上向いていた。
 「初日はかなり重かったんですが、アップを長めにやったりして、日に日に状態は良くなりましたね。もっと良くなれば上でも戦えると思う。このあとは中2日で千葉のF1に参加します。来月は競輪祭もあるので頑張りたいですね」

 初連係が実現した三重コンビ。浅井康太はロングまくりで福島勢をねじ伏せた。
 「残念でしたね。打鐘過ぎに3番手に入ろうか迷ってから踏んだのできつかった。迷わず仕掛けていれば楽に出れていましたね。(柴崎)俊光が後ろで仕事をしてくれたので自分は2着に残れた。お互いの気持ちが伝わるレースだったし、また連係したいですね」

 柴崎俊光は内、外にからまれて最後は力尽きた。
 「浅井が頑張ってくれたし、気持ちは伝わってきました。内に伏見(俊昭)さんがいて、外にもへばりつかれているので厳しかったですね。脚がないと感じました。やっぱり記念の決勝クラスだと力がまだ足りないですね。また浅井と連係できるように頑張ります」

 先制したのは福島コンビだ。伏見俊昭は浅井の仕掛けが誤算だった。
 「浅井があんなに早く来るとは思わなかった。連日、新田君が頑張ってくれたので、何とかしたかったんですけどね。最後もからんでしまって危なかったです」

 逃げた新田祐大はスピードに乗せ切れなかった。
 「浅井さんが1回休んだのが分かって流してしまった。しっかり踏んでおけば良かったです。最近は前に出てから流してしまうので、それが課題ですね」

 単騎の三宅達也はまくり不発に終わった。
 「いい展開になってやったと思ったんですけどね。切り替え、切り替えでいいレースはできたと思います。あれでまくれないなら力負けですね。脚がないです」

ゴール
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