防府競輪場で開催された開設69周年記念「周防国府杯争奪戦(GIII)」は、11月4日に最終日が行われた。33バンクを舞台に熾烈なシリーズを勝ち抜いた9人による決勝は、地元の清水裕友がまくりで記念初制覇。05年の富弥昭(76期)以来、13年ぶりに地元勢が優勝を飾った。また、6レースに行われた「S級ブロックセブン」では、北津留翼が逃げ切りで一発勝負を制した。
決勝戦 レース経過
号砲で飛び出した村上義弘が三谷竜生を迎え入れて近畿勢が前受け、以下は鈴木庸之-諸橋愛-清水裕友-松浦悠士-山田英明-郡司浩平-杉森輝大の並びで周回を重ねる。
青板前の2センターから動いた清水は三谷に代わって誘導後位へ。この動きに乗った鈴木がバック過ぎから誘導を下ろすと、単騎の郡司、杉森が3、4番手に続く。5番手に下げた清水は後ろの三谷をけん制。中バンクに上がった三谷は打鐘前2コーナーから下りを使ってカマシに行くが、鈴木のダッシュもよくホームで合わせ切ってしまう。そこを山田が単騎で仕掛けると、この動きに切り替えた清水がバックで追いつきざまにまくって出る。山田は鈴木に合わされ、松浦の口が空くと、清水は2センターから後続を千切って圧勝。2センター、5番手から外に持ち出した郡司らを寄せつけず、地元でうれしい記念初優勝を飾った。
清水裕友選手
清水裕友(写真)が有言実行の記念Vを地元で遂げた。
「今年初めに記念優勝をするって言ったからには、そのくらいの力をつけてこないと恥ずかしいと思った」
9月の共同通信社杯でビッグ初優出で準V。10月の寛仁親王牌ではGI初のファイナルの舞台を経験して、脇本雄太と真っ向勝負の先行策で見せ場をつくった。S級S班の桑原大志が欠場を余儀なくされ、清水が押しも押されもしない地元のエースにステップアップしていた。
「いやぁ、やり切った感がありますね。たかだか23年しか生きてきてないけど、こんな気持ちいいことはないです」
先行態勢を取った鈴木庸之に、8番手でタイミングをうかがっていた三谷竜生が赤板の2コーナーから襲い掛かり両者の踏み合い。そこを目がけて単騎の山田英明がまくりを打つと、清水が俊敏に反応した。
「あれで三谷さんが早めに行ってたら、自分たちが後方になってたし展開が向いた。(先行争いになって、自分が仕掛けて)行こうと思ってたら、ヒデさん(山田)が来てうまくスイッチできた。(その上をまくって)乗り切った時は、松浦(悠士)さんとの勝負だと。ゴールしてからですね、優勝したのがわかったのは」
松浦を置き去りにする強烈なダッシュであっという間に前団をのみ込んだ清水が、2着の郡司につけた着差は7車身。完勝のゴールだった。
「自分では脚力的にすごく上がっているとか、練習でめちゃくちゃ強くなっているわけじゃない。練習とレースとの差がなくってきている。レースでもしっかり組み立てられていると思います」
地元記念でのV賞金を上積みして、年末のグランプリ出場も清水の視界に入ってきた。
「(地元記念優勝で)目標を達成できた。グランプリに出たいし、チャンスもゼロじゃない。競輪祭は気持ちを引き締めていきたい。自分の力以上のことはできないんで、ベストを尽くして、あとはどうかっていうところですね」
今年2冠の三谷らを自力で破って価値ある地元記念V。成長を続ける清水の存在が、“新競輪祭”でのグランプリチケットをかけた6日間の戦いを面白くさせる。
郡司浩平は新潟勢の3番手、好ポジションを確保したが、近畿勢にかぶって仕掛けが遅れる。最終バック手前で山田を追いかけて踏み上げるも、すでに外の清水が加速をつけてスピードの差は歴然。離れた2着が精いっぱいだった。
「三谷さんが行き切ったら、切り替えようと。そしたら結局、(鈴木が)合わせちゃって、詰まっちゃった。山田さんより先に行けてれば…。(山田に)スイッチしてと思ってたら、清水がその上を行っちゃってたから」
「接触とかがあって怯んだのもあるんですけど、清水に離れてるんで…」とは、松浦悠士。最終1センター過ぎから清水との車間が空いたが、冷静なコース取りで3着はキープした。
「清水が優勝したから良かったけど、あれで郡司に抜かれてたら。状態が万全かと思ったけど、離れてるんでセッティングなりを見直さないと。(清水と)一緒に僕も進化していかないと」
中団まで押し上げた山田英明は、単騎でも臆することなく仕掛けたが不発の7着。
「行くならあそこしかなかった。僕は脚を使ってなかったし、単騎だからって中途半端なレースをしてもって思っていた。ワンチャンスで仕掛けて勝負したけど、前も後ろも強かった。(競輪祭は)悔いがないように」
青板前の2センターから動いた清水は三谷に代わって誘導後位へ。この動きに乗った鈴木がバック過ぎから誘導を下ろすと、単騎の郡司、杉森が3、4番手に続く。5番手に下げた清水は後ろの三谷をけん制。中バンクに上がった三谷は打鐘前2コーナーから下りを使ってカマシに行くが、鈴木のダッシュもよくホームで合わせ切ってしまう。そこを山田が単騎で仕掛けると、この動きに切り替えた清水がバックで追いつきざまにまくって出る。山田は鈴木に合わされ、松浦の口が空くと、清水は2センターから後続を千切って圧勝。2センター、5番手から外に持ち出した郡司らを寄せつけず、地元でうれしい記念初優勝を飾った。
清水裕友選手
「今年初めに記念優勝をするって言ったからには、そのくらいの力をつけてこないと恥ずかしいと思った」
9月の共同通信社杯でビッグ初優出で準V。10月の寛仁親王牌ではGI初のファイナルの舞台を経験して、脇本雄太と真っ向勝負の先行策で見せ場をつくった。S級S班の桑原大志が欠場を余儀なくされ、清水が押しも押されもしない地元のエースにステップアップしていた。
「いやぁ、やり切った感がありますね。たかだか23年しか生きてきてないけど、こんな気持ちいいことはないです」
先行態勢を取った鈴木庸之に、8番手でタイミングをうかがっていた三谷竜生が赤板の2コーナーから襲い掛かり両者の踏み合い。そこを目がけて単騎の山田英明がまくりを打つと、清水が俊敏に反応した。
「あれで三谷さんが早めに行ってたら、自分たちが後方になってたし展開が向いた。(先行争いになって、自分が仕掛けて)行こうと思ってたら、ヒデさん(山田)が来てうまくスイッチできた。(その上をまくって)乗り切った時は、松浦(悠士)さんとの勝負だと。ゴールしてからですね、優勝したのがわかったのは」
松浦を置き去りにする強烈なダッシュであっという間に前団をのみ込んだ清水が、2着の郡司につけた着差は7車身。完勝のゴールだった。
「自分では脚力的にすごく上がっているとか、練習でめちゃくちゃ強くなっているわけじゃない。練習とレースとの差がなくってきている。レースでもしっかり組み立てられていると思います」
地元記念でのV賞金を上積みして、年末のグランプリ出場も清水の視界に入ってきた。
「(地元記念優勝で)目標を達成できた。グランプリに出たいし、チャンスもゼロじゃない。競輪祭は気持ちを引き締めていきたい。自分の力以上のことはできないんで、ベストを尽くして、あとはどうかっていうところですね」
今年2冠の三谷らを自力で破って価値ある地元記念V。成長を続ける清水の存在が、“新競輪祭”でのグランプリチケットをかけた6日間の戦いを面白くさせる。
郡司浩平は新潟勢の3番手、好ポジションを確保したが、近畿勢にかぶって仕掛けが遅れる。最終バック手前で山田を追いかけて踏み上げるも、すでに外の清水が加速をつけてスピードの差は歴然。離れた2着が精いっぱいだった。
「三谷さんが行き切ったら、切り替えようと。そしたら結局、(鈴木が)合わせちゃって、詰まっちゃった。山田さんより先に行けてれば…。(山田に)スイッチしてと思ってたら、清水がその上を行っちゃってたから」
「接触とかがあって怯んだのもあるんですけど、清水に離れてるんで…」とは、松浦悠士。最終1センター過ぎから清水との車間が空いたが、冷静なコース取りで3着はキープした。
「清水が優勝したから良かったけど、あれで郡司に抜かれてたら。状態が万全かと思ったけど、離れてるんでセッティングなりを見直さないと。(清水と)一緒に僕も進化していかないと」
中団まで押し上げた山田英明は、単騎でも臆することなく仕掛けたが不発の7着。
「行くならあそこしかなかった。僕は脚を使ってなかったし、単騎だからって中途半端なレースをしてもって思っていた。ワンチャンスで仕掛けて勝負したけど、前も後ろも強かった。(競輪祭は)悔いがないように」