『防府国際自転車トラック競技支援競輪(GIII)レポート』 2日目編

配信日:3月16日

 防府競輪場で開催されている第8回「国際自転車トラック競技支援競輪(GIII)」は、16日に2日目を迎えた。ガールズケイリン予選2走が行われた1Rでは、内村舞織が突っ張り先行で強敵を撃破。2Rは高木真備が白星を挙げて唯一、連勝で優出を決めた。そして、S級準決勝では山本伸一、宮本隼輔、荒井崇博の3人が1着で決勝へ。地元の桑原大志も、地元の意地を見せて決勝への切符をつかんだ。
 最終日も本場では、たくさんのイベントやファンサービスが予定されています。開門時には、先着333名様にお菓子をプレゼント。8R発売中には、地元のS級S班・清水裕友選手の「トークショー」や、太ももを触ることができる「握太もも会」も行われます。ぜひ、本場でお楽しみください。

<1R>

内村舞織選手
内村舞織選手
 内村舞織が会心のレースを披露した。人気を背負った佐藤水菜は初手で6番手に。3番手に位置した大久保花梨が車間を空けて佐藤をけん制すると、正攻法に構えていた内村が残り一周手前から突っ張り主導権。後方から巻き返しを狙った佐藤は大久保に合わされて外々を踏まされる苦しい展開に。合わせて踏んだ大久保の伸びは一息で、内村舞織(写真)が両者をまとめて封じた。
 「(大久保が)ずっと後ろの佐藤さんを見ていたので。自分のことは見ていなかったので、駆けてしまおうと。キツイはキツイけど、いく勇気って大事ですね。ホームでちょっと踏み過ぎたから4コーナーで脚が残っていなかったけど、佐藤さんは横に並んだら強いので、並ばれないように先に踏みました」
 決勝進出へ2着以内が条件となっていた大久保花梨はほっと一息。
 「佐藤さんがいつもより来るのが遅いなって。いつもならジャン前に来るのに来なかったので車間を空けました。(佐藤に)一度も勝ったことがなかったので緊張しました。でも舞織が強かったですね。調子もそこまで良くなくて車の伸びが足りない感じですね」


<2R>

高木真備選手
高木真備選手
 太田美穂が打鐘から一気に踏み込んで主導権を取る。6番手となった高木真備(写真)は4コーナーから反撃。太田の後位から踏み上げた長澤彩を最終2コーナーでねじ伏せると、そのまま後続の追撃を振り切って連勝を飾った。
 「無理やりでも行きました。苦しかったです。33が久しぶりすぎて、やっぱり400とは仕掛けどころが全然違う。走り方が難しいですね。決勝は相手も強いんですが、一番いい走りができるように」
 最終バックで高木の後位に収まった長澤彩が2着に入った。
 「キツかったです。けっこう踏んだり止めたりで、余分な脚を使ってしまって、脚がいっぱいでした。悪くはないけど、すごいいいなって感じでもない。最近は1着が取れてないので1着がほしいです」


<10R>

山本伸一選手
山本伸一選手

河端朋之選手
河端朋之選手
 初手で5番手の位置を確保していた才迫開が赤板目掛けて一気にスパート。3番手の國村洋が遅れてしまい追い上げた山本伸一が河端朋之の後ろを奪取。桐山敬太郎も俊敏に追い上げて山本後位を奪って残り一周。後方から追い上げてくる稲川翔を見た河端は1コーナー手前から番手発進。後ろに付けていた山本伸一(写真)が直線で抜け出して決勝へ一番乗りを決めた。
 「初手の位置としては一番嫌でしたね。でも、桐山さんが来なかったので車間を空けながら巧く追い上げられたけど、稲川君には迷惑をかけてしまった。あの位置を取れたし、仕掛けても桐山さんを引き出すだけだと思ったので。感触自体も悪くないと思います」
 山本後位を奪った桐山敬太郎が2着に入線。
 「最近は調子がいいから余分に脚を使っていたけど、たまには頭を使わないと(笑)。自分が切らなくても赤板で絶対に仕掛けると思ったから。それで前がごちゃつけば、ジャンで思い切って叩くか、入れるところに追い上げるかでしたね。後ろには迷惑をかけてしまったけど反応はできていると思います」
 才迫を目標に番手まくりを放った河端朋之(写真)だったが、ゴール前で失速して3着に。
 「自分で戦うよりキツイレースでしたね。でも、(才迫)開の気持ちがうれしかったです。ホームで詰まったけど、ちょっと待ってから仕掛ける感じになったので脚にきました」


<11R>

宮本隼輔選手
宮本隼輔選手

高久保雄介選手
高久保雄介選手
 宮本隼輔(写真)が圧巻のパワーで連勝を飾った。後ろ攻めから早めに動いて赤板前から先行態勢を取る。1コーナーから反撃に出た高久保雄介が打鐘で先頭に立つが、内から盛り返した宮本が主導権を奪い返すと、そのまま力強く押し切った。
 「うれしいですね。(高久保を)出させてもいいと思ったんですけど、2周切っていたんで、行っちゃえと。出切られたんですが、(高久保が)1回浮いたんで出れました。キツかったです」
 最終2コーナーで宮本の後位に収まった高久保雄介(写真)がそのまま2着に流れ込んだ。
 「僕の叩き方が甘かったですね。(宮本は)あんなところを走りながら復活するのかって。あのかかりはすごい。強かったです。もうおっさんですね。若い力を感じてます。脚は悪くないです」
 宮本の番手勝負に出た竹内智彦は高久保の後位の3番手で態勢を立て直して3着に食い込んだ。
 「番手を主張して正解でした。内に詰まる感じになったけど、諦めて踏んで好位に入れた。調子も上がってきているし、決勝に乗れてよかったです」


<12R>

荒井崇博選手
荒井崇博選手

桑原大志選手
桑原大志選手
 後ろ攻めから動いた山岸佳太は、中団の小川真太郎にフタをしてから、前を叩いて先行態勢に入る。後方になった小川は、赤板1センターからすかざず反撃。4コーナー手前で山岸から主導権を奪取する。そこへ、脚を溜めていた松岡健介が襲い掛かる。最終バックで先頭に躍り出ると、松岡に切り替えていた荒井崇博(写真)が鋭く伸びて白星をゲットした。
 「今回は俊敏に動けとるね。行こうかなって思った時に(松岡が)行ってくれたけん、タイミングもよかった。最後もよく(松岡を)抜けたと思う」
 冷静に好スピードでまくった松岡健介が2着に入った。
 「(最終4コーナーの真田晃の)落車は残念ですけど、まくり切れたのは大きいですね。(小川と山岸が)相当、気合いが入っていたんで、負けられないなと。山岸君が前を切る時に、(前受けの)牧(剛央)さんが簡単に飛び付けそうなスピードだったんで、そこは難しかったです。(決勝に上がれたので)もう少し腐らず、頑張れそうです」
 最終バックで目標の小川がまくられるも、切り替えて荒井を追いかけた桑原大志(写真)が3着。地元の意地を見せて決勝進出を決めた。
 「107期(小川と山岸)は気持ちが強いね。小川君が頑張ってくれたお陰です。松岡君がドカンと行ってしまったし、荒井さんも来たから、ここまで(小川に)やってもらって3着がないのはマズいと思って踏みました。簡単じゃないと言うか、みんなそれなりにたくらんでいますからね。感じも悪くないんで、決勝も頑張ります」