『高松競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:2月7日

 高松競輪場で開催された開設70周年記念「玉藻杯争覇戦」は、2月7日に最終日を迎えた。今シリーズのベストナインによって争われた決勝戦は、番手まくりの平原康多の後ろに付き直してゴール寸前で逆転した松浦悠士がV。1月岸和田記念in和歌山以来、通算8度目の記念優勝を飾った。

決勝戦 レース経過

 号砲で阿部大樹がゆっくり出て、ラインの2人を迎え入れる。眞杉匠-平原康多-阿部が前団、中団には東口善朋、松谷秀幸、瓜生崇智の単騎3人が収まり、町田太我-松浦悠士-守澤太志が後攻めの形で隊列は落ち着く。
 赤板前から一気に踏み上げた町田を前受けの眞杉が突っ張ってハイピッチで駆ける。ジワジワと迫る町田だが、最終ホーム4番手の外でいっぱいになり後退。町田マークの松浦は中団外併走の態勢から踏み上げるが、これに合わせて平原が番手まくりを打つ。阿部の位置に降りてから追い込んだ松浦が懸命に粘る平原をゴール寸前で逆転。当地記念連覇を果たした。2着は平原、初手から関東勢を追っていた東口が3着に食い込んだ。


松浦悠士選手
松浦悠士選手

 「走る以上は結果を出さないと」。
 今年4場所目の記念シリーズで、松浦悠士(写真)が連戦の疲れを吹き飛ばす大会連覇を達成した。
 「今朝は腹筋に筋肉痛があるくらいキツかったんですけど、昨日(準決勝)よりアップの段階から良かったので、最後は気持ちだけで踏みました」
 前を任せた同県の町田太我は、前受けから一気に踏み上げた眞杉匠に合わされて、最終1コーナー過ぎで後退。松浦は自ら追い上げて番手まくりの平原康多に付き直し、直線鋭く追い込んだ。
 「町田君の気持ちに応えられたことがうれしいです。町田君は眞杉君と力勝負をして、僕は平原さんとの勝負で、みんなでいいレースをしようっていう話をしていました。眞杉君も気持ちを入れて踏んでいたので、(町田は)厳しくなりましたけど、そのあとはしっかりいい判断ができたかなと思います。最後は本当に苦しかったんですけど、同県の後輩が頑張ってくれたので、そこだけです」
 初連係の後輩とワンツーとはならなかったが、町田の気持ちに結果で応えた。
 「本調子じゃない中でも、こうやって決勝戦に上がれてしっかり優勝できたってことは今後につながると思います。やっと時間が空くので、ちょっとゆっくりして、全日本選抜を万全の状態で迎えられるように精いっぱい頑張ります」
 今年最初のGIでも、中四国のエースとして結果を残す。

 最終2コーナーから番手まくりに出た平原康多だったが、最後は松浦に交わされて2着でゴールした。
 「眞杉君がいいレースをしてくれたけど、自分は最後に松浦君に抜かれたので、力が足りないなと思いました。レースとしてはいいレースだったんじゃないですか。負けたのは悔しいですけど」

 広島コンビの3番手に付けた守澤太志は、最終2センターで東口善朋に飛ばされて7着に。
 「町田君がいなくなって松浦君が踏んで行った時に、徐々に加速していく感じだったから、ムリなんじゃないかって思ったけど、そのまま行っちゃったのですごかったです。優勝のチャンスがある位置だと思ったからあの位置だったけど、自分が弱かったですね」

 町田を合わせ切った眞杉匠は、最終バックで力尽きて8着に沈んだ。
 「前を取れたので、とりあえず町田君しか見てなかったです。車間を空けているのが見えたからドカンと来るかと思って、見切りっぽく踏んでいきました。記念の決勝に初めて上がれて自信になったし、3月はウィナーズカップもあるので頑張りたいです」

 しんがり負けの町田太我は、こうレースを振り返る。
 「眞杉さんが強かったです。スタートは中団が良かったけど、単騎勢もきてしまった。松浦さんが優勝してくれて本当に良かったんですけど、僕は力不足でした。4日間、しっかり戦う体力を付けていかないといけないなと思いました」





次回のグレードレースは、奈良競輪場開設70周年記念「春日賞争覇戦」が2月11日~14日の日程で開催されます。
今シリーズの注目選手は、和田健太郎、佐藤慎太郎のS級S班2名を筆頭に、地元勢では三谷竜生、中井太祐、中井俊亮、元砂勇雪ら自力型の選手が一丸となり強豪を迎え撃ちます。
20日から始まる全日本選抜を占う意味でも目が離せない4日間です。
2月1日時点の出場予定選手データを分析した奈良競輪場開設70周年記念「春日賞争覇戦」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。

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