『高松競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 初日編
配信日:8月22日
晴天の下、開設59周年記念「玉藻杯争奪戦」が高松競輪場で開幕した。シリーズリーダーが集う特選3個レースは、稲村成浩、佐藤慎太郎に坂本亮馬が快勝。明日は11レースの「チータカカップ」をメーンに、二次予選A、B合わせて6個レースで準決勝への勝ち上がりを争う。
明日は滝澤正光氏のトークショー(8レース発売中)を始め、井上茂徳氏の「今日のおすすめ」(4レース発売中)や女車券師軍団による「かしまし大予想会」(1~3、9~11レース発売中)、選手会香川支部によるグッズ販売などイベントが盛りだくさん。明日もぜひ高松競輪場へご来場ください。
<1R>
宮本憲選手
オープニングレースは
宮本憲(写真)
が果敢に先行。番手の森田正寿に詰め寄られたが、1着同着で星を分けた。
「いつでも合わせられるようなペースで上手く駆けられました。記念は初めてなのに1着なんて自分でもビックリ。素直に嬉しいです」
番手を回った
森田正寿
は「抜いたと思ったのに、宮本さんは調子が良いですね。番手だったけど、宮本さんは立ちこぎだから脚が溜まりづらかった。重くも感じたけど、明日は上がってくるんじゃないですか」
<2R>
阿部秀樹と豊岡哲生でモガき合いになったところをバックから
北川智博
がひとまくり。久々に勝ち上がり戦での勝ち星を挙げた。
「恥ずかしながら勝ち上がりでの1着は久しぶりですね。いつもは初日に負けると、気持ちを切り替えられずそのままズルズル行ってしまうので、その点では今回は良いスタートが切れた。余裕もありました」
2着には外を回した
櫻井宏智
が食い込んだ。
「豊岡くんは張れると思ったので、北川さんのまくりを警戒してました。それが頭にあって外に持ち出したんだけど、感じはエエほうでしょう」
3着で二次予選進出を決めた
豊岡哲生
だが、表情は浮かない。
「合わされたし、池田(浩士)さんには申し訳ない。今日は先行して見せ場を作るつもりだったのに、ちょっと納得がいかないですね。まだまだ勉強不足です」
<3R>
川島聖隆選手
川島聖隆の先行で番手絶好になった
高田健一
が快勝。レース後も笑顔が絶えなかった。
「打鐘ですんなり出させてくれたし、今日は聖隆の逃げ切りちゃうん? と思ったけどね。今日はエエ展開だった。明日からも毎日こうだったらいいのにね(笑)」
逃げた
川島聖隆(写真)
は前検日に話したとおり、地元戦へ向けた練習が実を結んだ。
「最近は6着とか9着とかばかりだったからね。スンナリ出させてくれたし、これで気分的に楽になりました。抜かれたけど、納得のレース。夏休みで帰ってきている競輪学校の子と一緒に練習してきた成果が出ました。ここできっかけをつかみたいですね」
<4R>
及川裕奨
が人気に応える見事なまくり勝ち。
「辛くもって感じだけど、大事に行き過ぎないようにだけ心がけました。踏みっぱなしになってたからか、重かったけど勝ててよかった」とホッとした表情。
2着の
西本龍
はしてやったりといった顔でレースを振り返る。
「まず関東勢を行かせて、及川が中団になったら番手に行く作戦でした。感性で走ったけど、作戦どおりでしたね」
<5R>
水谷好宏の番手で岡本英之が粘る展開になると、短くなった隊列を
宮内善光
が鮮やかにまくり切った。
「岡本さんが番手まで行ったのは見えたので、番手発進されるとイヤだなと思ってました。でも、あんな展開はけっこう得意なので。小坂(敏之)さんには前回迷惑をかけたので、ワンツーが決まってよかった」
水谷の番手で粘る形になった
岡本英之
は「中団を取りに行ったんだけど、勢いが余って前まで行ってしまった。内が空けばそのまま先行するつもりだったし、大矢(勝也)さんをドカして出ようと思ったら、そのまま水谷くんが駆けてしまったので」と番手で粘った経緯を説明した。
<6R>
朝倉佳弘選手
前受けの松田優一が守谷陽介を突っ張って先行。番手の
朝倉佳弘(写真)
が絶好の展開をモノにした。
「松田くんが一回踏んだら守谷くんもひるんだので、そのまま突っ張るなと思って付いて行った。余裕があったけど、もう少し三人で固まってのワン・ツー・スリーなら最高だったんですけどね。感じは良いし、大丈夫だと思います」
3着に逃げ粘った
松田優一
は「守谷さんが緩いペースで来たので、踏んだほうが良いと思った。上手く逃げられましたね。前回、守谷さんに先行されたので、やり返せてよかった」と満足げな表情。
一方の
守谷陽介
は「まさか突っ張られるとは思わなかった。もっとしっかり踏んでおけば良かったですね。でも脚は軽いし、まだ勝ち上がりのチャンスはあるので」と明日からの巻き返しを口にした。
<7R>
佐々木雄一と高城信雄が後ろでけん制すると、前受けの三ツ石康洋がそのまま先行。高城のまくりに合わせて出た佐々木が伸びを欠くと、空いたインコースから
山田幸司
が突き抜けた。
「自力型がみんな強かったね。僕はあれ以上出ず、付け切れなかったからコースは内しかなかった。秦(修司)くんと同じレースだと二人ともけっこう着が良いんです。今回は特選に乗れなかったけど、ホッとしました」
2着には三ツ石の逃げに乗った
村上清隆
が食い込んだ。
「誰も三ツ石くんの先行を警戒してなかったから決まったね。外ばかり気にしてて内を行かれたけど、あれがなければ三ツ石くんも3、4着だっただろうね。最近4コーナーを三番手以内で回ったことがなかったし、久々に連対できてよかった」
逃げた
三ツ石康洋
は「あれで先行しないとナメられる。まっすぐ走ってれば良かったけど、内をあけたのが失敗でしたね」とレースを振り返った。
<8R>
菊池崇訓選手
逃げる安東宏高を豪快に叩き切った古屋琢晶の番手から
菊池崇訓(写真)
が100勝目を飾った。
「古屋くんがすかさず行ってくれたので、恵まれで100勝できました。4月川崎記念で鎖骨とろっ骨を骨折したけど、ようやく戻ってきましたね」
まくって2着に入った
松田治之
だが、表情は浮かない。
「ローラーでは良い感じでいけてると思ったけど、前回(松戸FI)慣れないナイターを走ったからかな? なんだか消化不良な感じですね。今日も前がやり合ってたから届いただけ。2着なのに歯切れが悪くてすみません…」
古屋琢晶
は近況の好調ぶりをアピールする力強い走りを見せた。
「ホームで中団が空いてたので、一瞬下りるか迷ったけど、バックを踏むとキツいと思った。2コーナーで出切れるかなと思ってたし、バックからペースで回せた。3着だけど自分のレースはできました」
<9R>
稲村成浩選手
細切れ戦で最終的に主導権を握ったのは渡部哲男だった。石毛克幸のバックまくりを合わせ切ったが、神山拓弥のスピードをもらった
稲村成浩(写真)
が直線鋭く伸びた。
「神山くんは2車でも駆けると言ってくれてたけど、スタートでけん制があったからね。でも結果的にあれで良かったのかな。1着だし伸びたと思う。まだシリーズは始まったばかりだし、一戦一戦頑張るだけですよ」
逃げた
渡部哲男
は2着に粘った。これで全日本選抜最終日にギアを3.71に上げてから逃げて連続連対だ。
「前半のかかりがイマイチで、そこで脚を使ったけど、ものすごい地脚やったね。ギアは問題ない。あとは脚を溜めてまくりが出るかどうか。そこだけですね」
3着には
神山拓弥
が食い込んだ。
「あの展開になるとギアが足りない。外併走を耐えられたし感じは悪くないけど、思ったレースはできなかったので反応が悪いですね」
<10R>
佐藤慎太郎選手
松坂洋平を叩き切った大西祐を菅田壱道が鮮やかにまくり切る。最後は番手の
佐藤慎太郎(写真)
がきっちり抜け出した。
「壱道は何年も選手をやってるような走りだったね。僕はただ付いていっただけで恵まれました。ただ余裕はあるし、悪くないですね。まあスンナリで余裕がないようじゃマズいけど。状態は大丈夫、目標があるときはギアを3.77にしてもいいかもしれないですね」
2着の
菅田壱道
も納得の表情でレースを振り返る。
「ローラーに乗ってるときはどうかな? って感じだったけど、走ってみたら思った以上に良かったですね。自分で展開を作ってのまくりだし、レースも完璧でした。明日からも自信を持っていけますね」
惜しくも4着の
香川雄介
は「まさか大西があんなところで行くとは思わなかった。ビックリしたし、エラかった」と息も絶え絶え。
大西祐
は「まくられたのはしょうがない。反応もケツを下ろしてからも良かった」とまずまずの手ごたえをつかんだ様子だった。
<11R>
坂本亮馬選手
最終ホームから
坂本亮馬(写真)
がカマすと、番手の小野俊之は徐々に離れてしまう。中団から村上義弘がまくってくるが、それを振り切った坂本が堂々と逃げ切った。
「ゴチャ付くのを見越した上での前受けだったし、打鐘過ぎに決まったと思いました。前2走は練習みたいに仕掛けてたのが良かったのかな。良いところで反応できたし、なぜか調子は良いと思います」
まくってた
村上義弘
が2着に入り明日の優秀競走へ駒を進めた。
「流れを見て判断しただけで、詰まったところで仕掛けました。調子は普通ですね。1週間前に練習中に落車したのが心配は心配だったけど、思ったより強い影響は感じなかった」
3着の
山口幸二
は「ちょっと疲れてるかな? でも、やっぱり前回よりは違うね」と状態が上向いていることを示唆した。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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