『高松競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 最終日編
配信日:8月25日
高松競輪開設59周年記念「玉藻杯争覇戦」は8月25日に最終日を迎えた。4回転の村上義弘、守谷陽介と渡部哲男が激突した決勝戦は、守谷を叩いて村上が強引に主導権奪取。番手の山口幸二、三番手に切り替えた富弥昭の伸び比べを大外を踏んだ佐藤慎太郎が一気に突き抜ける。佐藤は6月福井に続く、今年二度目の記念V。晴れやかな笑顔が印象的だった。
決勝戦 レース経過
渡部哲男―香川雄介の四国コンビが前受け。中団には村上義弘―山口幸二―島野浩司の中近勢、そして切れ目に単騎の佐藤慎太郎、後方に守谷陽介―富弥昭―山口貴嗣と並んで隊列が整った。
レースが動き出したのは赤板過ぎから。守谷が上昇すると、打鐘前で誘導をどかして先頭に立つ。守谷が一旦ピッチを緩めると、村上がホーム手前からすかさず守谷を叩き、二角で山口幸とともに出切った。その際、富が三番手にスイッチした。渡部は後方に置かれて万事休す。まくりを放つも不発に終わり着外に。富は、2センターからまくり気味に追い込むと、直線を鋭く伸びてそのまま1着かと思われたが、渡部をどかしてコースを作り、直線を猛然と突っ込んだ佐藤が、外コースを強襲して優勝をさらった。富は惜しくも2着、村上マークの山口幸は伸びを欠き3着となった。
佐藤慎太郎
選手
村上が主導権を奪い、流れは番手の山口幸二や三番手にスイッチした富弥昭に。しかし、
佐藤慎太郎
はそれを許さなかった。まくって来た渡部哲男を自らブロックすると、そのまま外を踏み上げて一気に突き抜ける。何度も「伸びたなあ」と繰り返す会心の勝利。福井の復活Vとは違い、晴れやかな表情でレースを振り返った。
「いやあラッキー。伸びましたね。何回かバックを踏んだからどうかな? と思ったけど良かったです。脚を溜めて正解でした。今日みたいに目標のいないところで、しかも五番手から突き抜け。自分でも評価したいですね」
昨年のケガから復帰して、これで二度の記念を制覇した。となれば次はビッグレース。来月にはオールスターも控えている。
「GIの決勝に乗りたいですね。以前は当たり前のように乗ってたので。その中で今日の勝ちは良いですね。練習の成果は徐々に出てるし、難しいかもしれないけど頑張りたい」
上手く村上ライン三番手にスイッチした
富弥昭
は惜しくも2着。ゴール後はガックリと肩を落とす。
「悔しい…。余裕があったから腹が立ちますね。走る前に『今日は獲る』と自分に喝を入れていたけど、獲れると思ったら車がスムーズに出なかった。でも、2着は2着なんでしょうがないですね」
3着には村上の番手を回った
山口幸二
が入線。佐藤や富に伸び負けたレース結果に表情も浮かない。
「出番なしで、食われてばかり。2着には入らんといかんね。調子が悪いときに展開がいいんだから。(全日本選抜の)落車がなければ違ったかもしれないけど、これでしばらく空くからね」
渡部哲男
にもチャンスはあった。しかし、仕掛けのタイミングを逸すると、渾身のまくりは佐藤のブロックの前に不発に終わった。
「1コーナーやったな。佐藤さんの動きを見すぎた。気にせず行けばよかったのに、もったいない」
逃げた
村上義弘
は「出切るまでは余裕があったし、あとは哲男と思ったけどね。着は別として出し切れたと思う。去年に比べたら全然良い」とサバサバとした表情。
悲願の地元記念優勝を狙った
香川雄介
だが5着に終わる。
「ペースが上がってたし、今日は哲男のまくりにも付いて行けたと思う。哲男も1コーナーで行ってたら、まくり切れてただろうね。僕は今の調子で決勝に乗れただけでもよかった。高松はなかなか勝てんね」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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