『高松競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:2月22日


 高松競輪開設60周年記念「玉藻杯争覇戦」が2月19日~22日の日程で行われ、4日間の熱戦に幕を下ろした。ベストナインによる決勝戦は人気を集めた村上義弘が豪快にまくり、無傷の完全優勝を飾った。

決勝戦 レース経過
 地元の香川雄介がスタートを出て誘導員を追い岡山両者を迎え入れる。前団は三宅達也―井上辰也―香川。以下は吉本卓仁―加倉正義、村上義弘―濱口高彰に武井大介、佐々木雄一で周回を重ねる。
 赤板を通過しても動きは見られず、2コーナーで吉本が上昇を始め隊列が崩れる。打鐘で吉本が三宅を押さえ誘導員を下ろす。吉本に加倉が続き後位が三宅と村上でもつれた。外の村上が内に切り込みながら3番手をキープするも、そこへ武井が追い上げる。先行態勢の吉本は最終ホーム手前からペースを上げてそのまま主導権。
 武井に踏み勝った村上が3番手を奪取。濱口は武井にコースを塞がれ村上に離れ気味で、佐々木も武井を追って共倒れ。3番手の村上が2コーナーからまくり一気に吉本をとらえるが、濱口は付け切れない。そこに立て直した三宅が7番手からまくり上げる。後続を千切った村上を吉本が追いかけ加倉の追走で直線へ。村上の独壇場で2着争いを尻目に完全V。吉本を交わした加倉が2着に入り、外を強襲した三宅は3着まで。


村上 義弘選手
村上 義弘選手
 前検日から「ダービーのことは気にせず一戦一戦に集中するだけ」としきりに口にしていた村上義弘。目の前のレースに100パーセント集中するあまり、今節、検車場では普段よりも口数が少なかった。その分、トップスターとしてきっちりと結果で示し、連日ファンを魅了。最後の大一番も圧倒的な強さで優勝を手にした。
 「練習のようなレースをしてはファンに失礼だし、目の前のレースに全力を尽くすことがプロとしての本分なんで。今日も力を出し切るように行くにはどうしたら良いのかを考えていた。皆に警戒されるだろうし、見られて厳しいレースになると思ったけど、引いて8番手にだけはならんように気を付けました。三宅(達也)君の前に入った所も強引だったと思うけど、何とかギリギリの動きの中で勝てることができました」
 無事に今節を終え、これでまた新たな戦いに出る。次はG1最高峰のダービーだ。
 「僕も年齢的に体力が段々キツくなってくるし、先のことなんか考えていられない。次のダービーも一生懸命やるだけ。だた、この優勝で気持ち良く入れる。また、優勝目指して一戦一戦頑張るだけです」

 加倉正義は真後ろからまくられては成す術なし。
 「遅い展開だったし、村上は俺の所で粘ってくるかと思った。スピードが違い過ぎたし、あれは止められない。今日は村上が叩いた所を勝負する作戦だった。内をしゃくられたり予想外の展開になったけど、卓仁が先手を奪われないようにうまく駆けてくれたよ。いやあ、それにしても村上は絶対に8、9番手になったりしないし、相手を褒めても仕方ないけど素晴らしいよ」

 三宅達也は後方からまくり上げたが、前は遠く3着まで。
 「ホームで武井君が追い上げて行ったんで、すぐに自分も行ったけど村上さんに先に出られてしまいました」

 濱口高彰は村上を追えず。
 「ホームで内をしゃくられたり、接触したりで付いて行けなかった。狙われる位置だったんで仕方ないね」

 武井大介は村上にさばかれ万事休す。
 「ジャン過ぎに三宅さんが内に詰まって、村上さんは外に浮いてたんで、脚を溜めていけばチャンスかと思ったんですけどね。三宅さんが引いたのは誤算でした」

 吉本卓仁は全力を出し切り満足げ。
 「ジャンで前を斬って突っ張ろうと思ってました。そうしたら村上さんが内をしゃくってきたんで、行かれないようにと。そうしたら三宅さんが引いたのが見えたんで駆けました。出足で結構踏んでその後流したんで掛かりが今ひとつでしたね。村上さんに行かれて後ろに入れるかと思ったけど、前が遠かった。でも、今日は力を出し切りました」

 香川雄介は「前が頑張ってくれての結果なんで、それは(6着)仕方ない。今日は納得のレースです」と地元記念を終えた。


ゴール




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