『東日本大震災被災地支援競輪 高松競輪開設61周年記念（GIII）レポート』　初日編

　長島大介の先行を坂木田雄介が捕え、マークの宮倉勇（写真）が差し切り。大ベテランの１勝で今シリーズはスタート。
「良かったね。前にいってくれましたから、そのおかげです。今日は余裕もあったし、楽でした。付いていくことだけ集中していたし、持ってこられて浮いてしまうと思ったんですけど、そこからでももう一回前に踏めました。やっぱり坂木田は良いね！やる男ですよ。初日の１Ｒ１番車で１着なんて初めてかも。明日ももう一回頑張ります」

　捲りで２着の坂木田雄介は「朝一のレースだったけど、そんなに影響はなかったです。でも疲れますね。着が良くて良かったですよ。仕掛けたときに捲れないと思ったし、とにかく苦しかったです。車間もあけられず、出の悪さにヤバイと思いましたが、ギアのおかげですね。あれを抜かれてしまっては…（良かったのは）着だけです」

　一ノ瀬匠の先行を利した西島貢司（写真）が久々の１勝に笑顔。
「最後は焦ってしまいましたね。１着は１年以上ぶりかも、本当に嬉しいです。出来ればワンツースリーを決めたかったけど、富（弥昭）が来たんですね。バック向かい風でも（一ノ瀬は）ガンガン上げていくし、風が全然当たらなかったですし。(一ノ瀬に）ありがとう」

　九州３番手の三木健治が２着。
「みんなきつかったと思いますけど、自分もきつかったですよ。（一ノ瀬は）調子が良いんでしょうね。今日はラインのおかげだし、楽になりました」

　４回転で不発に終わった吉川誠（７着）は「４回転だから脚を溜めていきたかったんですけどね。切ったのが失敗になってしまいました。ペースもあがっていくし。面白くなかったです」

　捲った志村太賀マークの山下渡（写真）がゴール前で捕え１着。
「高松はＡ級のときも完全優勝しているし、相性が良いですね。１着は嬉しいです。これも前を回してくれた駒村（大生）さんと、前で頑張ってくれた志村君のおかげですね。志村君は出だしが良かったから、そこで決まったと思いましたが、一瞬離れるかとも思いましたよ。抜けましたけど、ごちゃついたわけではなく、すんなりでしたからね。明日も勝ち上がれるように頑張ります」

　志村太賀は２着で「山下が強かった！（中団奪取で）いけると思ったし、俺も３コーナーから踏み直したんですけど、まさか差されるとは思いませんでした。あれを差してきた山下が強かった、びっくりしました」

　地元の宮本佳樹は篠原龍馬マークから３着。
「（勝ち上がりの権利がある）着がやっぱり頭にあって。余裕が無くて、車間も切れませんでした。いってくれた（篠原の）おかげですよ。龍馬も４着に残ったんですね、そこは良かったです」

　中団奪取から捲りで仕留めた片寄雄己（写真）が１着。
「（木村浩宣は）あそこから踏んでいったし、かかっていない感じでした。仕掛けたのは自分のタイミングです。後ろは気にしていられませんし、前回は小嶋（敬二）さんを相手に失敗していますからね。顔見せでは重かったけど、レースでは問題なかったし、風があって先行はきついから、今日は最低中団を水谷と取り合うことも考えていました。練習では荒木（伸哉）と競りの練習もしてきましたからね。最近は調子も良いし、良かったですよ」

　木村浩宣マークの宇根秀俊は、捲ってきた片寄の番手に飛びついて２着。
「合せられるかなと思っていたんですけどね。ギアをかけているから、思いの外、ダッシュがなかったので、ハコに飛びつきました」木村に「ダッシュが無いわけではないんだから、もっと相手を見て仕掛けられればね」とアドバイス。

　最終ホームから仕掛けた竹山陵太（写真）が２着に３車身差の快勝劇を見せる。
「風もあって、重かったですね。今日はホームでいきたいなと思っていたし、そこで仕掛けられてもいるから感じは良いです。これが今年の初勝利。今までこの勝ち上がりになって記念の準決勝に乗ったことがないので、明日は頑張りたいです。力はないけど、調子は良いと思います」

　２着の田中秀治は「牽制も村上君がしてくれたし、僕だけ何もしていなかったですからね。気付いたらいなかったですし、今日は展開だけでした」

　竹山マークの佐々木雄一は４着。
「バックでは決まったと思ったんですけどね。普通に行った！と思ったところで、自分のところに来て、あれは予想になかったです。綺麗に牽制が入ってしまったし、引っかかりながら前に踏まれた感じでしたね」

　石川雅望が主導権を握り、マークの小宮剛（写真）が好牽制から抜け出すも、石川は６着に沈み表情は複雑。
「石川君が駆けてくれたおかげですからね。いつも必ずいくところでいってくれますから、信頼してついていきました。１着取れているので良い状態だと思います。でも（石川と）決められなかったのがね…自分にも余裕が無くて。（１着は）良いスタートだと思うし、明日も気を引き締めて頑張ります」

　四国ライン３番手の住村実が２着に突っ込む。
「地元が前にいたし、児玉（慎一郎）さんが踏んだところの逆にいこうと思っていました。そうしたら内にいったので、外を踏みました。でも、あんな展開になるとは思っていませんでしたね」

　児玉慎一郎は「きつかった…。やっぱり（石川は）来たな。最後は一杯になった。内にいったけど、閉まったから終わったと…。あいたら突き抜けられたんですけどね」５着でギリギリの一次予選突破となった。

　打鍾から篠原忍が先手を奪い、マークの三谷将太（写真・右）が差し切る。
「（篠原が）気を遣っていってくれましたね。上に上がってからスーッといってくれたから、あれでは内はしんどいと思うし、後ろでピッピッという（牽制する）感じでした。強いのは分かっていましたからね」篠原に向かい「ありがとうございました！」

　逃げ粘り２着の篠原忍（写真・左）は「思ったよりも８番（小原将通）は流していましたね。順番が来たからいっただけで、セオリー通りです。展開にも恵まれたと思うし、結果論は勝ち上がれて良かったです」

　飛びつき策を見せた小原将通が３着。
「同期なので負けたくなかったです。後ろに中塚（記生）さんが付いているものだと思っていました…。今日は初手から良い位置が取れないのは分かっていましたし、ペースもが上がったので、早めに切ってから待ちました。今は点数を上げていきたいし、こういうレースをすることで、また別のこともしやすくなると思います。上で戦わないといけないし、もっと楽しみたいですからね」

　早坂秀悟が先行態勢に入ると、小川勇介が番手で粘る。隊列が短くなったところを佐々木則幸が捲るも、単騎の志智俊夫（写真）が外を捲って佐々木との接戦を制して１着。見事に400勝達成のゴールとなった。
「400勝を勝ち上がりで決められたのは嬉しいですね。粘ったら捲りも考えていたんですよ。それでノリ（佐々木則幸）が先にいったので、２コーナーまで見て、あとはいこうと思ったところでいっただけです。ここ最近は大垣で山田さんたちと練習させてもらっているし、今は（菊地）圭尚たちも冬季移動できているので、その成果も出ましたね。これで準決勝までいけるので、決勝目指して頑張ります」

　好展開を逃さず捲った佐々木則幸は２着。
「ああやって粘ってくれたら、僕の勝てる展開になるかなとは思っていました。あとは小川（勇介）が先行して、もつれたときか。でも、それで僕が８番手になってしまうことも考えられたし、イチかバチかで展開が良かったです。でも捲りなのに、今日もしんどかったです。なんでだろう。どうも感じが良くないです。体調は悪くないんですけど、重たかったです」

　最後の直線で４車が絡む落車。そのアクシデントを避けた林雄一が３着に入る。
「３着になんとか入れたのは大きいですね。後ろで付いていくのに脚を使ったし、大塚（健一郎）さんにもらってからだったから、参考にはならないけどきつかったです。でももってこられたときに、踏み続けたので恵まれました。落車に巻き込まれなかったのは良かったですけど、今日は何も無いですね」

　番手は死守するも伏見俊昭は４着に終わる。
「あの形は和歌山記念でもあったんですけどね…。ノリ（佐々木則幸）は格上だから、粘ってきたら、どうしても捲りが来てしまいますよね。行き頃になってしまいました。３番手に入ることも考えたけど、みんな付いてきてしまっていましたし。脚もけっこう使っていて、対応できませんでした」

　大西祐が村上義弘を牽制しつつ仕掛けるも、神山拓弥が出させず先行。村上義弘（写真）はすぐさま巻き返して神山を叩ききり、貫禄の押し切り勝ち。だが、番手の山口幸二が失格に終わり笑顔は少ない。
「仕掛けのタイミングは悪かったけど、勝てたことは良かったです。ただ、幸二さんが絡まれているのも、失格していることも分かりませんでした。伸びも良くなかったし、フワフワしている感じがして。ちょっとレースが詰まっていて、疲れているのかも。とりあえず心身共に疲れを抜きたいです」

　先行した神山拓弥はゴール前で村上に再度詰め寄るも２着まで。
「（捲ってきたのは）誰だ！と思ったら、やっぱり…。（村上は）後ろにいたはずだったんですけどね。余裕があれば１コーナーで牽制も出来たんですけど、大西が来るのかと思っていました。最後は詰めたけど一杯。久々に風を切ったし、良かったとは思います」

　関東勢を追走した内藤宣彦が「気合い」で３着に入線。
「追い上げというか、内から小倉（竜二）が来たから、やられたと思いましたよ。でも自然と体が前に動いた感じでした。今日は何がどうしたというのはないけど、絶対に３着以内に入るんだと気合いを入れて走ったんですよ。気持ちの持ちようで変わりますね。二次予選回りは大変ですから、この３着は大きいですよ」

　大西祐は主導権を奪えず７着に沈む。
「思ったよりも車間をあけすぎましたね。村上さんが引いて良くなったとは思ったんですけど。神山は前に出て中団かなと思っていて、様子見ながらいったのが甘かったです」

　最終レースは、やはりこの男が締めた！　深谷知広（写真）が中団から捲りを放つと、後続を５車身離す快勝劇。
「突っ張っていくところだったけど、息がまだ戻っていなかったですね。先行は出来なかったけど、（感触は）悪くはないと思います。ここに来る前に、高知で地元の選手と一緒に練習させてもらったし、その成果は出せたかなと思います。高松は初めてですけど、走りやすかったです。決勝に乗れるように、しっかり力を出し切って良いレースをしたいですね」

　深谷が前に入る意外な展開となった山崎芳仁だったが、一瞬の隙で仕掛けられ２着。
「ずっと踏んでいる感じで、先行している感じでしたね。ああなったら、深谷についていこうと思っていました。でも勝瀬さんが牽制してくるかもと思って、ちょっと見たときに、（深谷に）いかれてしまいましたね。きつかったです。明日はギアを変えようと思います」

　主導権を握って真っ向勝負を挑んだ鈴木裕が３着に粘る。
「自分でもかかっているなと思っていましたよ。でも後ろを見たら、もう（深谷が）来ていましたね。前に対戦したときと同じ感じになっちゃったんですけど、３着に残れたのは良かったです。でも、強かったですね。また明日強い人と対戦するので、また挑みたいと思います！頑張ります」

　鈴木マークの勝瀬卓也だったが５着に終わる。
「（鈴木が）すごいかかっていましたね。大丈夫と思っていたんですけど、ちょっと余裕を持てる感じが無かったです。明日、また頑張りたいと思います」