『東日本大震災被災地支援競輪 高松競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:2月12日
本日(12日)、香川県・高松競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・開設61周年記念「玉藻杯争覇戦」(GIII)の2日目が開催されました。メインの優秀「チータカカップ」はトップ選手が力と力の真っ向勝負を演じ、凄まじいスピードレースとなった混戦を、最後は村上義弘選手が捲り切り勝利を手にしました。鳥肌が立つレースというのは、まさにこのことでしょう。明日(13日)はいよいよシリーズも3日目を迎えます。決勝戦進出をかけた準決勝3個レースがメインカードとなります。どのレースも役者が揃った、目が離せないレースばかりです。お楽しみに!
  3日目は先着800名様にラッキーカードを進呈、抽選でチータカぬいぐるみ、オリジナルTシャツ、エコバックなどが当たります。未確定車券抽選会は中央スタンド1Fの総合案内所横で行っております。そして場内イベントとしては、「熱競輪しゃべくりステージ」と題して7R発売中に、四国の競輪界を代表する松村信定・伊藤豊明・馬場圭一による熱きトークバトルが開催決定!どんな話題が飛び出すか、ご来場の際は必聴です。また3日目も好評!児島一彌による「レースはこう読め!」予想会(8R発売中には井上薫も参戦します)、4R発売中には井上茂徳の予想会「今日のおすすめ」があるので、こちらもご注目を。もちろん日本競輪選手会香川支部によるグッズ販売コーナーも設置してありますので、こちらにもぜひお立ち寄り下さい。明日(13日)も、熱戦続く高松競輪にご期待下さい。
鬼脚・井上茂徳氏の「今日のおすすめ」
鬼脚・井上茂徳氏の「今日のおすすめ」
<1R>
片折亮太選手
片折亮太選手

 中団に入った片折亮太(写真)が捲り追い込みで1着。2日目は4枠両者の決着でスタートを切った。
「前を取らされてしまったし、突っ張ろうとも思ったけど、早めに動いてきたので、引いてすかさずいこうと思っていました。でもホームはもっと踏まないといけなかったですね。川崎(健次)さんは追い上げて中団だと思っていました。1着は嬉しいですけど、後ろには申し訳ないし、これでは先行屋としてはダメです。でも前回は失格しているので、これでモチベーションを上げていかないと。(調子は)大丈夫です」

 カマした川崎健次マークの遠澤健二が2着。
「楽だったけど、なかなか捲りが来ないからね。来たら牽制しようと思っていたんだけど。それで引きつけていたんですけど、最後は踏みっこになってイマイチ伸びなかったですね。バランスがまだ悪かったです。出来れば1着が欲しかったけど、ラインのみんなのおかげで2着ですから」

 カマした川崎健次は8着に終わり「ダメでしたね、全然。行ったまでは良かったし流したけど、一杯で全然残れませんでした。自分の今の脚がよく分かりましたよ…」


<2R>
廣川泰昭選手
廣川泰昭選手

 越智展孝が成り行き先行になったことで、絶好の展開となった廣川泰昭(写真)が追走の形から差し脚を伸ばす。
「良かったです。後ろで牽制していたから、(越智展孝)いってくれ!って思っていましたよ。待っていたけど、最後も来ていなかったですね。もっと難しい展開になると思っていたんですけど。脚は昨日よりも軽かったです」

 廣川マークの田中弘章が2着で九州ワンツーが決まる。
「後ろは(吉川が)すんなり中団にいたのではなくて、牽制していたんですね。先行争いを捲ると思っていたので、あんな感じになるとは思っていませんでした。展開が久しぶりに良かったです。本当なら外に踏んで勝負したかったけど、最近は調子が悪いから、すんなりの展開なのにいろんなことを考えてしまって落ち着いて走れず、内に差してしまいました。ピタッと付いていけば良いんですけど、緩く感じてしまって。なんだか苦労せず2着でしたが、明日も頑張ります」

 前受けから先行になった越智展孝(3着)は「成り行きで先行になりましたね。後ろで牽制しているのも分かっていたし、後ろには廣川(泰昭)が入っていたから、いかれてしまっては何も出来ないと思って、それだったらいけるところまでいこうと思っていました。ちょっと重たかったし、ゴール前は全然踏めなかったですね。点数通りの脚でした。(3着は)廣川のおかげだし、救われました」


<3R>
海野敦男選手
海野敦男選手

 加藤寛治が主導権を握る流れになり、中部ラインに切り替えていた単騎の海野敦男(写真)が直線で鋭く伸びた。
「単騎だったし、スタートの位置で決めようと思っていました。そこからはいろいろと。木村(浩宣)君のところから捲りかなと思っていたけど、(中部ラインが)行く気だなと思って切り替えていきました。余裕はあったし、良かったですね。ラッキーでした」

 加藤マークの垣外中勝哉は番手から捲りで抜け出していくも、海野に交わされ2着。
「(加藤は)モードが入ったのかな。いってくれましたし、ありがたかったです。牽制しようと思ったんですけど、止まらなかったので、これは出ていかないといけないなと。きつかったですね。でも良い勝負だったし、2着権利ですから。いってくれた(加藤の)おかげです」


<4R>
大久保直也選手
大久保直也選手

 ジャンから抑えた小川祐司マークの大久保直也(写真)が差し切り勝ち。
「良かったァ! 小川サマサマでしたね。(道中は)ずっと小川しか見ていなかったし、牽制もこれ以上は持っていかずに、へばりついていこうと思っていました。今は先行をやめているし、今しか流れが向かないと思っているので、早くもっと点数を上げたいです。今日は恵まれました、それだけですね」

 先行で2着に粘った小川祐司、昨日の反省を活かしてしっかりと主導権を握った。
「前を取る予定でしたけど、スタートで遅れてしまいました。もっとバックで上がるかなと思ったんですけどね。やっぱり、昨日のようなレースはもうしたくなかったし、今日は頑張ろうという感じでいたので緊張もあったのかも。でも昨日の調子ならもっと上がっても良かったのに。その分、踏み直しが利いたけど、もっと早く踏み直せていれば、もっとすんなりワンツースリーだったんですけどね。明日も先行基本で思い切っていこうと思います」


<5R>
宗景祐樹選手
宗景祐樹選手

 ここから二次予選。一ノ瀬匠が先行態勢も、7番手から坂木田雄介が一気にカマす。追走の宗景祐樹(写真)が差し切って二次予選から準決勝一番乗りを決める。
「もう坂木田さんのおかげ、それしかないですね。今日は前受けで厳しい展開になるのかなと思っていたけど、捲り一発は強烈なので、それを信頼していました。そうしたら早めにいってくれましたからね。大ギアだったので、自分も上げて4回転にしました。高松はA級のときから相性が良いですね。脚は普通です。決勝に乗れるように、明日も頑張ります」

 カマして2着の坂木田雄介は「最近は下げてからの捲り追い込みのレースも多かったですからね。一ノ瀬君は強いのを知っていたけど、それもあったから流してくれたのかな。緩めたらいきますよ」

 篠原忍の捲りから番手の坂上樹大が3着に入線。
「坂木田さんが強かったです…。けっこう離れていたし、あとはいかに前を拾うかのレースになって。最後は(三谷)将太が後ろに付いていて悪かったけど、外にいったら抜けないし、追いつきざまに内にいくしかないと。悪いと思いましたけど、いかせてもらいました」

 一ノ瀬匠マークの松本大地(7着)は「一ノ瀬はあまり早くに駆けても残れなくなりますしね。頑張ってくれました。(坂木田が)すごい上のところを走っていたのでスイッチも出来ませんでしたよ」


<6R>
小倉竜二選手
小倉竜二選手

 篠原龍馬が主導権をしっかりと握る。篠原マークの小倉竜二(写真)が1着も、篠原と決められなかったことで反省の弁。
「(篠原)龍馬が頑張って踏んでくれました。粘られないくらいのスピードで叩いてくれましたし。でも、(篠原と)決められなかったのはダメでしょう…。自分に余裕がないんでしょうね。ワンツースリーが決まっていたら100点だったと思います。(昨日の落車は)大丈夫です。ギアは特別クラスの選手と対戦するときはもっと考えないといけないですね」

 四国3番手の宮本佳樹が2着で準決勝進出を決める。
「6番(小原将通)に粘られてしまいましたね。中団で取り合いをしているのも分かっていたし、5番(片寄雄己)を牽制したら、6番に来られてしまって。でもオグ(小倉竜二)の後輪だけを見て、何とかしてくれると思って付いて行きました。必死でしたよ。(準決勝進出は)良かったです。また明日頑張ります」

 中団から小原将通が3着入線。
「中団の作戦でした。片寄(雄己)さんがいって、篠原さんも出させないだろうから、そこから構えての一発勝負と思っていたんですけどね。踏みあいにもならないですし、これはと。練習の感じは良いので、もっと上げていきたいですね」


<7R>
小川勇介選手
小川勇介選手

 ホームカマシで小川勇介(写真)が堂々の押し切り勝ち。
「ちょっと昨日は見せ場無く終わってしまったので、今日は良かったと思います。初手は作戦と違って、後ろになるとは思っていませんでした。ホームが追い風なので、そこで出切れば、後ろは加倉さんだし、何とかなると思っていました。内村さんが切ったあと、ちょっとワンテンポ遅れましたけど。日に日に良くなっているし、ラインで決まって良かったですよ」

 小川マークの加倉正義が2着。
「勇介が強かったですね。最後の一振りが余計だったかもしれないけど、(佐々木)雄一は脚があるし、4コーナーはカントがあるから、そこで伸びてきたら嫌だなと思って、必要だなと。勇介の踏み直しが良かったのか、それとも僕の疲れがあるのか、進まなかったです。ワンツースリーが決まったことは良かったですよ」

 九州3番手の中塚記生が3着入線で九州ラインの上位独占となった。
「踏みだしたときは出切れるのかなと思ったんですけど、(小川は)思い出したように踏んでかかっていきましたね。あれでちょっと口があきましたよ。強かったです。流れが良かったです、いつもこうならいいのにね」


<8R>
市田佳寿浩選手
市田佳寿浩選手

 山田久徳が先行態勢も志村太賀がそれを叩く。山田は番手にはまるが、すぐさま巻き返す。だが丸山啓一が一気の捲りで抜け出す。山田マークの市田佳寿浩(写真)は万事休すかに思われたが、抜け出す南関勢を外から渾身の差しで1着突破した。
「かぶらせて展開を厳しくさせてしまったのは自分のせいですからね。申し訳なかったです。オッズも見て、力が入っていました。今までS班も経験して、勉強して、脚以上のものを感じていました。組み立ての中で、捕えたいという気持ちの大きさが1車輪進ませてくれた感じです。徐々に噛み合ってきていると思うし、自分の立ち位置をしっかり把握して、また登っていきたいと思います。明日をしっかりクリアして決勝に乗りたいと思います」

 捲り一発で金星まであと少しだった丸山啓一が2着。
「(志村)太賀が乱してくれたおかげですね。今日は宮倉さんとの連係で、10年前の強かったころを思い出して走ろうと思っていました。いけてもいけなくても、今日は捲りを出そうと思っていました。ためてためて、良い展開になりましたね。会心の捲りでした。記念になるとなぜか良いですね。自分に自信があったのも大きいです」市田に対して「俺の久々の捲り1着を…(苦笑)! でも、強かったですね」

 カマした志村太賀(5着同着)は「オールマイティに全部想定したんですけど、市田さんの番手捲りもあるだろうから、叩きに行こうと思っていました。カマシで叩けるけど、いつも後ろが離れてしまって…」


<9R>
大西祐選手
大西祐選手

 ホームからカマして自分の形に持ち込んだ大西祐(写真)が1着。今シリーズ、香川勢の初勝利となった。
「きつかったぁ~。今日は前受けからの作戦で、4角手前でも駆けてなかったから、強引に無理やり仕掛けていきました。でも得意パターンになったのに、かかりが甘くて。スタートで脚を使ったからきつかったし、バンクがすごく重かったですね。3コーナーからは余裕もなかったけど、とりあえずワンツースリーが決まったのが何より。特に3番手の宇根(秀俊)さんまで連れ込めたのは大きいですね。地元記念は高松と観音寺で、ずっと二次予選で負けていたので、本当に良かったです」

 大西追走の香川雄介が2着も「きつかった!」を連発。
「一杯だった! 前を取って、早めにいく作戦だったけど、スタートからきつかったです。抜きたかったけどね。(ワンツースリーは)良かったです。明日、また頑張ります」

 四国3番手の宇根秀俊が3着、準決勝進出を決めて、いつも以上に笑顔が弾けた。
「(大西が)いくのは分かっていたけど、開いたときはヤバイと思いましたよ。あれで嵌られて差されでもしたら目も当てられないですから。でもギアをかけていたし、踏んでいけば追いつけるかなと。良かったです。付いていければ良かったので、今日はあまり用をしてなかったですね」


<10R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手

 竹山陵太の番手から伏見俊昭(写真)が差し切り、圧倒的な人気に応えた。
「とりあえず(二次予選突破で)良かったです。初めての連係でワンツーが決まりました。富(弥昭)さんが来ると思って、そのときは対処していこうと。今日は車間をあけずに、牽制していこうと思っていたんです。相手も仕掛けを見極めて、引きつけて。ギリギリで交わすのが理想ですね。昨日の分も、しっかり走れたと思います」

 2着に粘った竹山陵太は大役を全うしてホッとした表情。
「牽制が入るかなと思っていて、誰も出なければ前からでもという作戦でした。あとは、いけるところから落ち着いて仕掛けようと。メンバー的にも後ろは強いですけど、予選と同じ感じだったし、これで残れないようでは、他の記念でも準決勝には進めないなと思っていました。この制度になってから記念の準決勝は初めて。オッズ見て、『(伏見の相手で)俺から売れてる!』と思ってビビッていましたけど、残れて良かったです」

 北を追走した望月裕一郎が3着。
「(準決勝進出で)安心しました。番組的にもチャンスだったし、運が来ているのでここは取りこぼしてはいけませんから。これをモノにしなくてどうすんだという感じでした。状態もいいですね」


<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手
神山拓弥選手
神山拓弥選手
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手

 優秀の「チータカカップ」は自力型が激しく火花を散らした好勝負となった。深谷知広の先行を、山崎芳仁が捲りで捕え、そのさらに上を単騎の村上義弘(写真)が捲って混戦を制した。村上は「ギアは重かったけど、1着を取れたことは良かったです。でも今日はレースに勝って、勝負に負けました。深谷も山崎も強かったし、自分は内容がない、スッキリした勝ち方ではなかったです。明日もいつも通り頑張ります」

 巧く村上を追った神山拓弥(写真)が2着に入線した。初日同様にこの両者のワンツーとなった。
「(深谷が)抑えに来るから、モガキあいになるのかなと思っていたんですよ。どうなるかと思ったんですけど、やっぱり来ましたね。周りが強すぎて、ちょっと対応は出来ていませんでした。でもそれなりにレースは見えていると思います」

 3着は抜群のスピードで深谷の先行を捲った山崎芳仁(写真)
「周りも(ギアが)上がっているし、昨日は全然出なかったので4・33にギアを上げました。捲りは良いタイミングでいけたと思いますね。でも深谷の踏み直しがすごかったです。やっぱり強いですね。明日もこのギアでいこうと思います」。追走の内藤宣彦(6着)は「(山崎が)すごいスピードでした。定位置だなと思っていたから、びっくりしましたよ。久しぶりに良いスピードを体感しました。きつかったです」

 単騎の佐々木則幸は4着入線で首をかしげる。
「しんどかった…。村上さんに付いて行こうと思っていたんですけど、後ろでキレイに離れてしまいました。これはもう71のギアの限界なのかも…。明日はイチかバチかでギアを上げてみようかな」

 敗れた中部勢。9着の深谷知広は「ワンテンポ遅く来るかと思ったんですけどね。それにめちゃくちゃ締められてしまって…」
 5着の志智俊夫も「あのタイミングで来られるとは思っていませんでしたね…」

 南関勢は中団を取るも仕掛けを逸してしまった。8着の鈴木裕は「前受けは作戦でした。でもああなったら無理にでもいくべきでしたね。いかないと話にならなかったです。今日の分まで、明日はしっかりと力を出し切りたいと思います」
 鈴木マークの林雄一(7着)は「深谷の先行で、良い位置取って無理せずに2センターからでいいという感じで落ち着かせてしまったのが…。勝つレースで良いと意識させてしまって。自由に走っていれば、捲りにいけたと思うので…」

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