『高松競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:2月26日
 高松競輪開設62周年記念「玉藻杯争覇戦」が2月23日~26日の日程で行われ、本日全日程を終了した。激戦を勝ち抜いたベストナインによる決勝は、深谷知広が優勝。当所記念連覇を無傷で達成しました。
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると深谷知広がゆっくりと出て、誘導を追いかける。深谷が前受けとなり勝瀬卓也の追走。以下の隊列は原田研太朗―尾崎剛、神山拓弥―山下渡―兵藤一也、稲垣裕之―前田拓也ですんなり決まり、周回を重ねる。
 8番手の稲垣は青板の2コーナーから早めに上昇を開始。深谷はあっさり引いて、誘導の後ろに稲垣が入る。3番手に神山ラインが続き赤板を通過。6番手には原田が入って、結局深谷は8番手まで下げ一本棒になるが、神山が仕掛けて打鐘。稲垣を押さえ先頭に立った神山がペースをゆるめると、3コーナーから原田が踏み上げ主導権を奪取。原田の先行かと思われたが、原田ラインに乗った深谷がすかさず叩きに出て最終回へ。
 原田をあっさり叩いた深谷が快調に逃げる。勝瀬が続き、原田―尾崎、神山―山下―兵藤の追走で稲垣は8番手。深谷の掛かりがよく、バックを通過しても誰も動けない。ようやく2センターで神山が外に持ち出すが、逃げる深谷に迫ることはできず勝負は前団で決まり。直線に向いても深谷のスピードは衰えず、後続を完封しての逃げ切りで完全V。勝瀬が2着に流れ込み、3着も深谷ラインに続いた原田。


深谷知広選手
深谷知広選手
 前年度のディフェンディングチャンピオン・深谷知広(写真)が完全Vのおまけ付きで、いとも簡単に大会連覇を達成した。レース内容も圧巻で、出色のホームカマシを決めると、別線に反撃のスキを与えなかった。
 「順番が来たら仕掛けようと決めていました。3番手に入れたけど、まだ行けるスピードだと思ったから、ちゅうちょなく仕掛けました」
 開催前は、インフルエンザによる影響で、過度の練習不足をなげいていたが、そんな心配はまったく必要なかった。
 「ほぼ練習なしで高松に来たので少し心配でした。でも思ったよりも脚は落ちていないなと。状態が悪いなかでも、これくらいやれると実感できました。次の平記念でもダービーに向けて、いいレースがしたいです」

 即席で深谷とタッグを組んだ勝瀬卓也は、鬼の形相で食い下がり、2着に続いた。
 「決勝戦は付いていくことだけに集中していました。深谷君はまったくタレませんね。3コーナーでニュートラルに入ったけど、4コーナーで思い切り踏み直されて、置いていかれると思ったほど。自分も最大限の力が出せました」

 原田研太朗は3着を確保したが、深谷との力の差をまざまざと見せ付けられたと脱帽する。
 「打鐘で一回動いておかないと、後方に置かれてしまう。それで斬って待っていたら、その上をすかさず深谷さんに行かれてしまった。自分が中団は予定外でしたね。2センターでまくりに行ったけど、まったく車が出なかったです」

 別線の機動型は深谷のハイパワーを前になす術なく終わった。神山拓弥は「ホームで口が空いたんで、深谷に原田君ラインの後ろに入られるかなと思って身構えていたら、すかさず行かれてしまった。ああなると、対応できませんね」と、稲垣裕之も「打鐘で車を下げたのが敗因です。いいときならば自然と身体が動いて、神山君を突っ張ってでも前にいたはず。次の開催までにまた出直します」と、ともに完敗を認める。


ゴール
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