『高松競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:11月16日
 高松競輪開設64周年記念「玉藻杯争覇戦」は11月16日、4日間の熱戦に幕を下ろした。激戦を勝ち抜いた9選手による決勝戦が最終11レースで争われた。武田豊樹の先行に乗った神山雄一郎が番手から鋭く追い込み、09年広島以来、5年ぶり通算97回目の記念制覇を果たした。
決勝戦 レース経過
 内枠3車でスタートを争うが、最内の金子貴志が正攻法を確保。浅井康太を迎え入れると、浅井―金子―原誠宏―武田豊樹―神山雄一郎―藤田竜矢―稲村成浩―山田英明―勝瀬卓也の並びで周回を重ねる。
 赤板前の2センターから山田が動くと、その上を武田が叩いて1センターで誘導員を下ろす。一度は引きかけた浅井が山田をすくって4番手を取ると、浅井を追えなかった金子は外を追い上げ浅井とドッキング。山田は8番手に車を下げる。斬ってスローに落としていた武田は、2センターから浅井が仕掛けて来たのを確認すると4コーナー過ぎからペースを上げる。神山にブロックされた浅井は3番手狙いに切り替えるが、藤田がしっかり3番手を死守。2コーナーからは金子が自力に転じたが、武田のハイペースの前に伸び切れない。これで番手絶好になった神山は粘る武田を直線とらえて5年ぶりの記念優勝。これで獲得賞金でも岩津裕介、新田祐大を逆転して6位となり、グランプリ出場へ大きく近づいた。


 神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
 4車で鉄壁の布陣を敷いた関東勢に隙はなかった。武田豊樹がハイパワーで別線を圧倒。神山雄一郎がこん身の番手差しで5年ぶりの記念優勝を飾った。
 「武田が2周行ってくれましたからね。後ろを藤田(竜矢)、4番手を稲村(成浩)が固めてくれたのが大きかった。その辺りも考えて武田が走ってくれた。かかりは本当にすごかったですね。浅井(康太)のスピードも良かったけど、あそこだけはしっかりやらないと。素通りはさせられないですから。ゴール前はちょっと頑張りました」
 97度目の記念優勝は現役選手の中でトップの数字。記念競輪の最年長優勝記録も更新した。競輪界のレジェンドは46歳を迎えた今もなお進化している。
 「最近はS級シリーズでけっこう優勝できているけど、記念は久々なのでうれしいですね。でも、チャンスがあれば獲れるだけの準備はしているし、やれるだけのことはしっかりやってますから」
 この優勝で賞金ランキングも上昇。5年ぶりのグランプリ出場に大きく前進した。このまま競輪祭まで突っ走る。
 「グランプリも見えてきたし、競輪祭まで中3日なんで、この感じでいければ。強い選手がいっぱい集まるんで、また武田とかといいレースができるように頑張ります」

 武田豊樹は赤板過ぎから主導権。パワフルな走りで関東ラインを上位独占に導いた。
 「4車いるからライン重視ですよね。必死に頑張りました。ラインで決まって良かった」

 3番手の藤田竜矢が好追走からきっちり3着に流れ込んだ。
 「前の2人の気迫がビシビシと伝わってきました。本当に強かったです。余裕は全然なかったですね。必死に付いていっただけ。とりあえず3着に入れて良かったです」

 浅井康太は打鐘過ぎの2センターからスパート。好スピードで前団に迫ったが、神山のブロックで勢いが止まった。
 「今日はタイミングに関係なく、無理にでも仕掛けて力勝負をしようと思ってました。伸びる感じはあったんですが、神山さんに止められてしまったのが誤算ですね。5番手になって、脚も残っていたんで、もう1回いける余裕はありました。感触は良かったんで、(競輪祭は)いけそうです」

 金子貴志は浅井が不発と見るや、自力に転じて踏み込んだが、なかなか前に進まなかった。
 「浅井が思い切って行ってくれたんですけどね。ちょうど1コーナーで神山さんに合ってしまった。それから踏んでいけたし、感触は悪くなかったです」

 後方8番手からまくった山田英明は不発に終わった。
 「一番格下なのに、消極的なレースをしてしまった。浅井君が行って、展開は僕に向いたと思ったんですけどね。あおりもあって止まってしまった。武田さんが強かったです」

ゴール
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