『高松競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:2月3日

 高松競輪開設67周年記念「玉藻杯争覇戦」は後半戦に突入。3日目は準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。準決勝は三谷竜生、松浦悠士に大槻寛徳が1着。地元勢からは香川雄介、池田憲昭が決勝進出を果たした。4日はいよいよ最終日。12Rの決勝戦に、9RにはS級ブロックセブンも行われる。
 最終日の4日は「じゅんいちダビットソン」のお笑いステージや情熱サーカス大道芸人「タカシェンカ」ショー、元スピーチーズの「長田真友子」LIVEなど様々なイベントが予定されています。注目の決勝戦やブロックセブンをぜひ本場でお楽しみください。

<10R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 赤板過ぎに新山響平が飛び出すと、中団に三谷竜生、杉森輝大は8番手の一列棒状で打鐘を迎える。先行態勢に入った新山は4コーナーからペースを上げるが、車間を詰めた勢いで三谷竜生(写真)がバックまくり。佐藤慎太郎のけん制を乗り越えて、決勝進出一番乗りを決めた。
 「ホームで思ったより口が空いて焦ったけど、なんとか上手くいきました。感覚はいいので最終日もしっかり頑張る。(石垣島に)支部合宿に行ったことがいい刺激になったんだと思います」
 三谷のまくりに置いていかれそうになった南修二だったが、けん制する佐藤の内に切り込むと何とか近畿ワンツーを決めた。
 「自分が弱かったです。脚がないのを実感した。(三谷に)付いて行かないといけないって話なんですけどね」
 内から南に不意打ちを食らった佐藤慎太郎(写真)だったが立て直して3着に入った。
 「三谷は大宮記念とは別人ですね。三谷の後ろに(南が)いなかったから、内に来てると思った。危なかったですね。心の中で全日本選抜まで中3日だぞって叫びましたよ。最後は余裕がなかったし、苦しかった。三谷を止めたかったけど、力量不足です」
 逃げた新山響平は4着で決勝進出を逃した。
 「全部出して負けたんで…。どうにもできなかった。脚力的な問題がありますね。でも気持ち的にはしっかり乗ってたし、今開催では一番力が入ってたとは思う」

<11R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手

香川雄介選手
香川雄介選手
 山田久徳との併走を嫌った中団の松本貴治は、車を一旦後方へ。7番手まで下げると、一気に踏み上げて打鐘の2センターから主導権を握った。前受けの海老根恵太は、松本に合わせて踏んで来た山田を出させず4番手を確保。山田は下げて6番手。最終ホーム、バックを一本棒で通過する。中四国3番手を回った松浦悠士(写真)は、車間を切ってラインを援護。最後は、直線で鮮やかに突き抜けた。
 「車間を切ることはできました。外に山田さんが来ていたけど、中も来ているから張れなかったですね。広島記念のゴール前で落車もしたし。できれば、松本君を残したかったです。すかさず行ってくれたし、ダッシュもよかったですね。でも、2日目よりも風が強かったし、きつかったと思います」
 松本の番手を回った香川雄介(写真)が2着。白星こそならずも、地元記念で決勝に進出した。
 「松本君が強い。カカっていましたね。できれば残してやりたかったけど。松浦君が車間を切っているのが見えて。松浦君も良い選手だから、ラインでワンツースリーを決めたかったです。自分はニュートラルに入れられなくて。松本君のダッシュで脚を削られました」
 山田久徳は3コーナーから仕掛けると、ジワジワと前団に迫って3着に入った。
 「海老根さんが前を取ったし、2分戦気味になったので、打鐘では(松本が)来るだろうなと。(松本に合わせて踏んだが)打鐘の3コーナーで前に出たかったですね。(海老根に突っ張られて)あれ以上踏んでも、合わせられる感じがしたので下げました。最後は自分が何着かわからなかったですね。地脚でよかった。脚自体はいいけど、判断が悪い」
 積極的に攻めた松本貴治だが、最後は山田に8分の1輪交わされての4着。
 「後ろに強い人が付いてくれているし、安心感しかなかったです。最後は残れると思ったけど、みんな伸びていますね。やっぱりこのレベルは…。あとちょっとですね。でも、ギアを上げたらすごく良かったです。勝手に流れていったんで。顔見せから楽でした」

<12R>

大槻寛徳選手
大槻寛徳選手

池田憲昭選手
池田憲昭選手
 赤板前から金子幸央が上昇。合わせて動いた柴崎淳が中団を確保すると車間を切って太田竜馬をけん制する。太田は打鐘の4コーナーから巻き返すが、諸橋愛の執ようなけん制で不発に。太田を止めた諸橋がそのまま前に踏みこむと、周回中から関東ラインを追っていた大槻寛徳(写真)がゴール前で逆転した。
 「(周回中が)あの並びだし、ああなる気がした。柴崎が先に切った時点で(金子の)先行だと思ったんで、ほぼ金子の3番手にいようと思ってた。(1着は)たまたまですよ。諸橋さんはさすがですね。自分もすごい余裕があったんで悪くないです」
 太田を何度もブロックした諸橋愛は3コーナーからシビアな判断を迫られた。
 「太田もコーナーで休みながら来たので止めるのに時間がかかった。外に差さったので、早いけど踏まないとと思った。僕もいい感じで(ブロックに)行ったけど、あそこでやめてたら太田がもう1回来る。緩めるわけにはいかなくなってしまった。3日目にも言ったけど、調子は8割ぐらいじゃないですか」
 太田が不発になると見るや内に下りた池田憲昭(写真)は柳詰正宏との争いを制して3着に。地元の意地で決勝戦最後の切符を手に入れた。
 「意地ですね。脚以上のが出た感じ。大田はニュートラルに入れててもキツかったのかも。でも、駆け出しはピリッときましたね。よかったホンマに。何とか(決勝に)届いた感じですね。判断は悪くなかった。余裕もあったし、レースは見えてると思う」
 まくった太田竜馬は諸橋のけん制にあって9着大敗。「出が悪いっすね。普段なら休んでからでも、もう1回出るのに。去年もだけど、1、2、3月はダメですね」と肩を落とした。

<最終日・9R S級ブロックセブン>

稲毛健太選手
稲毛健太選手

阿部拓真選手
阿部拓真選手
 最終日の9レースには、S級ブロックセブンが行われる。稲毛健太(写真)は11月防府記念を優出すると、競輪祭でも2931着。昨年の終盤は調子を上げていた。今年は、病み上がりで臨んだ1月名古屋を991着で終わっただけに、ここでうっぷん晴らしといこう。
 「(和歌山記念の欠場は)インフルエンザになってしまって。名古屋も体調があまりよくなかったんですけど、練習の感じでいけるかなと。でも、レースになると余計な力が入ってしまいましたね。ここまでは体調も治って練習をしてきましたよ。今は四日市(全日本選抜)に向けてやっています。今回は7車立てなので、どう走るか。普通に駆けたら、みんながすんなり中団になってしまうので。内にだけは詰まらないようにします」
 その稲毛の番手を回るのは、得点最上位の北野武史。今年に入って一息の成績が続くだけに、ここを制して弾みを付けたい。
 「(前回の名古屋は失格に終わって)競走得点が3点マイナスになるのは痛いですね。状態は年末のよかったころに比べると、ちょっとだけ落ちるけど、手応えは悪くないです。自分のやりたい練習もできています。行けるぞって思いますね」
 阿部拓真(写真)は11月防府でS級初Vを飾るなど、着実に力を付けている。持ち前の巧みなレース運びで逆転を目論む。
 「前回の松阪記念(1459着)はボロボロでしたね。力が入らなかったです。冬場になると調子を落としてしまうので、本番は少しでも暖かければいいですね。今は競輪学校に冬季移動して、新山(響平)君とかと練習をしています。軽いバンクが好きなので、高松は好きですね。本番のイメージはできています」
 12月久留米で落車した佐藤悦夫は、約1月半ぶりの実戦。気になる状態は、「怪我が治ったあとに、腰痛になってしまいました。ゆっくりしたんですけど、10日くらいしか練習ができていません。冬場って言うのもあって、なんか今いちですね。スピードも出ないし、ピリッとしない」と不安を吐露した。