『観音寺競輪場開設56周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:10月16日



 決勝進出を賭けた激しいバトル!。大会3日目を迎えた観音寺記念競輪は準決勝をメインに全11レースが行われた。本日も好天に恵まれバンクコンディションは良好。主力が順当に勝ち上がった準決勝では先行型、追い込み型共に持ち味を発揮しての決勝進出を目論んだ。ファンサービスは初日から続いている抽選で賞品の当たるラッキーカードの配布、ハズレ車券5千円分と入場の際配られる補助券で現金やグッズの当たる抽選会。場内イベントは井上茂徳氏、緒方浩一氏による『今日のレース徹底分析』が行われている。
 


<6R>
 惜しくも準決からは漏れたが、発奮したのは6レースの井上貴照。後方に置かれながらも豪快なまくりで別線を仕留めた。
 「展開はねぇ(苦笑)、ありゃりゃ七番手になっちゃったって感じ。橋本(強)君がまくって行ったけど、ブロックで止まる感じがしたので無理に追わなかった。一呼吸置いて仕掛けて正解だったね」
 井上の番手を回った十文字貴信は追走一杯でワンツーを決められずガックリ。
 「まくりのその外をまくっちゃうんだから強いですねぇ…。四角でちょっと内も気になったけど、コースなかったしね。2日目のギア(3.85)なら決まったんだろうが…」


<7R>
 7レースではようやく「らしさ」を発揮した石丸寛之が好回転のまくりを披露。しかし、ゴール寸前で岡野順一に交わされた。本人も末脚の甘さに不満そう。
 「道中は凄く楽だし、仕掛けた瞬間の車の出も悪くない。でも、出切ってからが極端に重く感じる。何かに引っ張られてるみたいな…。ちょっと原因がハッキリしないのが気になりますね」


<8R>
佐々木選手
佐々木則幸選手
   8レースは準決勝C。たった一つの椅子を巡る戦いだけに、1番人気に支持された佐々木則幸(写真)も気の抜けないレースとなった。
 「展開としては最悪ですよね…。結果届いたからいいようなものの、取手記念の初日は同じような展開で7着でしたからね。最終ホームで緩んだら行くつもりだったが、福田君も踏んでたし、沢田さんも車間切ってて仕掛け場所がなかったね。沢田さんの仕掛けが遅かったら厳しかった。救いなのは脚の状態が良いことですね(苦笑)」
 その沢田義和は勝負どころで仕掛けた瞬間に違和感を感じたようだ。
 「最終ホームで前との車間を詰めた時に、なんか変な感じがした。このまま仕掛けちゃ危ないと思いながら踏んでしまったけど、スカスカな感触でダメだと思いましたよ…」
 2着強襲の郡司盛夫は初日から体調が良さそう。レース後も笑顔が絶えない日が多い。
 「前の2人の頑張りのおかげですよ。松坂(英司)君は沢田(義和)君をブロックして車を外したまま踏み込んだので、伸びなかったのかも。僕の方は脚がどうこうよりも変な緊張がないのがいいみたい。『どうでもいいや』くらいに開き直った方が結果は良いような気がするよ(笑)」


<9R>

小倉選手
小倉竜二選手

   9レースは赤板から岡本大嗣と藤田竜矢が踏み合う激しい主導権争いとなった。藤田に出られた岡本が番手で粘った為、隊列が短くなったところを、満を持した志智俊夫がまくりを決めた。
 「赤板からやり合う形ですから展開に恵まれただけですよ。調子が良いとかではないので…。オグ(小倉)が単独になってからだとブロックされると思って気持ち早めに出ました」
 志智マークの中塚記生を俊敏にさばいて決勝進出を果たしたのは小倉竜二(写真)。久し振りに「らしさ」が光った一戦だった。
 「岡本には突っ張って出られたら引くな、とは言っておいた。俊敏な切り替え?、まあまああれはね(笑)。志智さんに迫るのはいくらなんでも無理(苦笑)」
 岡本の飛び付きで藤田マークを死守できなかった峠祐介は悔しさよりも首をひねる。
 「あそこで飛び付いて短くなったら志智さんのまくり頃になるでしょう。なんで飛び付いたのかちょっと分からないですね…」


<10R>
伏見選手
伏見俊昭選手飯嶋選手
飯嶋則之選手
   10レースからは好調選手がズラリと揃った準決勝A。レースも早くからペースが上がったが、一旦車を下げた伏見俊昭(写真)が一気まくりで決勝進出を決めた。
 「まだ乗っててしっくりこないし、良い状態とは言えませんね。でも、悪いなりに前々へ踏めたのが良い結果に繋がったのかな。実戦での積極性を忘れずに感覚を戻していきたいね」
 その伏見を差し切ったのは飯嶋則之(写真)。連日グランプリ選手の番手と組み合わせにも恵まれているが、伸び脚は上々だ。
 「やった~って感じ(笑)。警戒してたのは加藤(慎平)君が『前々』っていうコメントだったので、僕の位置を狙ってくるかもって事くらいですね。記念の決勝は初めてだし、素直に嬉しいです」
 ゴール前の踏み合いで坂巻正巳を交わした西川親幸も久し振りの記念の決勝に自然と顔が綻ぶ。
 「牧君が前々と踏んで中団を取ってくれたおかげですね。2センターから踏み込んだけど伸びも良かった。前回の弥彦の2日目あたりから調子が上がってきた手応えはあったんですよ」
 飯嶋に付け切りながら最後に西川に交わされた坂巻正巳はガックリと肩を落とす。
 「加藤(慎平)君と接触した時に左足のクリップバンドが緩んでしまって…。あれで力が入らなくなってしまった。ほんとに残念です」
 最終バックで落車した加藤慎平は幸いケガは大した事がなく、今後のレースへの影響はなさそう。
 「バックから本当は内を締め込みながら前に踏みたかったが、内が一丸(安貴)さんだったので、外に意識が行ったらフワーッという感じで流れてしまった。ケガをしっかり治して追加の入った京王閣記念で頑張りますよ」


<11R>
武田選手
武田豊樹選手
村本選手
村本大輔選手
 

 最終11レースは昨日に続いて武田豊樹(写真)が力技でネジ伏せて押し切った。2日間の先行策だけに疲れた表情は窺えるものの、決勝戦へ向けて気合を入れ直す。
 「苦しめられますねぇ(苦笑)、もうちょっと楽に出れるかと思ったが…。決勝はギアを1枚上げて(3.57→3.64へ)挑みますが、佐々木(則幸)君がいるんですよね。また先行争いにならなければいいんだが(苦笑)」
 2着には武田と踏み合った市田佳寿浩が入ったが、笑顔一つなく厳しい表情のまま検車場を後にした。
 「特に作戦は立ててなかった。勝つ為にどうするかを考えながら走ってるだけです」
 石毛克幸を利した村本大輔(写真)は3着に入り、ホッと胸をなでおろす。
 「石毛君の頑張りが全てですね。でも、ワンテンポ早く踏んでくれれば、僕が武田さん、市田君を止める事が出来たのかも。共同の時と比べるとだいぶ脚も軽いですよ」



   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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