『観音寺競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:10月30日


 台風の影響か午前中こそ小雨のパラついた観音寺競輪場だったが、いよいよ今日から開設60周年記念「ことひき賞争奪戦」が開幕した。注目の特選は3レースともSS班がきっちり1着をゲットして明日の「ちょうさ賞」に進出。明日は武田豊樹、村上義弘に小嶋敬二ら豪華ラインナップで争われる「ちょうさ賞」をメーンに2次予選で勝ち上がりが争われる。
 明日も引き続き井上茂徳さんによる「鬼脚・差脚・捲り脚 大予想会」(4R発売中)や児島一彌さんの「レースはこう読め!」(5、9、10、11R発売中)、未確定車券抽選会などイベントが開催されます。明日もぜひ観音寺競輪場へご来場ください。


<1R>
石渡正也選手
石渡正也選手
   オープニングレースはスタートけん制で再発走に。前受けの及川裕奨が山崎晃を突っ張り両者でもがき合いになると、松岡慶彦が2コーナーまくり。続いた石渡正也(写真)が直線鋭く抜け出した。
 「前はやり合ってくれたし、松岡さんもあれだけ行ってくれた。展開が向きましたね。今年は落車ばかりでキツかったけど、万全で走れてる人は少ないだろうし、そのなかで勝っていかないとと思ってました。勝てて良かったです」
 まくった松岡慶彦も2着なら納得の表情だ。
 「中団、中団の組み立てだったけど、あんなに早くから突っ張るとは思わなかった。締められて1人入られてしまったけどね。2コーナーからまくったけど、まくり上げる感じだったし、重かった。それでもまくり切れたのでまあまあですね」


<2R>
井上辰也選手
井上辰也選手
   前から2番目の位置から岩本純が乾準一を出させず先行。朝倉佳弘のまくりも合わせると、最後は番手から井上辰也(写真)が差し切った。
 「1次予選で飛んだら意味がないし、今日は緊張しました。ラインのおかげですね。岩本は強い。あの展開だったら普通7、8、9着ですよ。僕の調子は変わらないですね」
 東京コンビとは別線勝負を選択した白岩大助が瀬戸内ライン追走から2着に突っ込んだ。
 「展開一本ですね。7番(橋本)の後ろを取って、あとは降りられないようにと思ってました。バックで朝倉君は行っちゃったと思ったけど、まだ頑張ればと思ってた。この2着はかなりデカイですね。なにせ記念の初日を突破したのは2回目くらいだから」
 橋本強は3着の結果にも着順以上の手ごたえをつかんだようだ。
 「突っ張るとは思わなかったので、後ろになっちゃうなと思ってたんですけどね。岩本さんさまさま、頼もしいですね。僕は思った以上に車が出て、差し込んでしまった。ずっと楽だったし、地区プロに備えて乗り込んだ成果が出てますね」


<3R>
 女屋文伸の先行をホームから筒井裕哉が巻き返す。再三にわたる芦澤大輔のブロック、さらに芦澤の番手まくりを飲み込むと、最後は前田新が鋭い伸びで突き抜けた。
 「筒井君は止まるかなと思ったら、行ってしまったので慌てて付いて行った。何回も踏み直さないといけない展開だったし、付いて行くのに必死でした。最後も必死に抜きに行っただけ。感じは悪くないですね」
 けん制をしのいで3着に粘った筒井裕哉も近況どおりの走りを見せた。
 「僕だけ450メートルは走ってましたね(笑)。どこ走っとるんやと思ってましたよ。2コーナーの下りで前までと思ったら、また持って来られた。それでも4コーナーまで耐えられたのでヨシヨシと思ったら、今度は内外を来られてヒヤッとしましたよ。変なタイミングで行っても残れてるし、状態は良いと思います」


<4R>
 出入りの激しいレースとなったが、最終的に山本健也が主導権を握る。番手の宮倉勇が絶好の展開を生かした。
 「山本君が中団に甘んじることなく仕掛けてくれたおかげ。流れてたし、まくってくる気配もなかったですね。これで(落車続きの)流れが変わりました。まあ前回から20日以上空いてたし、気持ちも切り替わってるので大丈夫です」
 逃げた山本健也も2着に粘った。
 「1周だし駆けたほうが楽かなと思った。でも、ここまでは駆けた人がみんなズブズブいかれてたので緊張しましたよ。明日は相手が強くなるけど、こっそり走ります」


<5R>
山原務選手
山原務選手
   前回の勢いそのままに、逃げた山原務(写真)が末良く押し切った。
 「踏み出すところまではペースで、あとは出し切ることだけ考えてました。後ろは近藤(誠二)さんだったので、良い感じで残してくれるだろうし、僕が粘れればって感じだったんですけどね。初日勝つことは大きいのでホッとしました」
 ライン3番手を回った増田鉄男が2着に食い込んだ。
 「ラッキーしましたね。近藤君は欠場明けが出たんじゃないかな。いつもは最終バックでマックスになってるけど、今日は余裕があった。前回から使ってる新車のセッティングが出たね」
 中団外併走になる苦しい展開をしのいだ豊岡哲生が3着に強襲した。
 「駆けてるの?と思って行ったけど、合わされて外併走。地脚は発揮したけど、失敗レースですね。それでも3着に来れてるんで悪くはないと思います」


<6R>
 西谷岳文の後位がモツれると、そこを叩いた杉山剛がペース先行。そのまま力強く押し切った。
 「森内さんのアドバイスどおり。ほんとに良かったです。ギアをかけてたし、駆け下ろしで先行できて楽でした。加倉(正義)さんに言われて3.64から79にギアを上げたけど、踏めるか不安だったんですね。タイムもそこそこ出たし、明日からもこれで戦おうかなと思ってます」
 追走一杯に終わった森内章之は悔しさを隠せない。
 「最近調子が良いから心配してなかったけど、駆けだしで口が空いてしまった。油断したのかな。ゴール後に剛に『良かったな』って声をかけたら、逆に肩を叩きやがったからコノヤローと思いました(苦笑)。ショックやな…」


<7R>
 後ろ攻めの宮崎康司を出させず斎藤友幸が主導権を奪う。人気の本線を不発に終わらせると、番手の藤田和彦が展開をきっちり生かす。これで予選は6連勝だ。
 「自分でも恐ろしいくらい。ビックリです。斎藤君のおかげですね。『絶対、先行します』と言ってくれたし、僕は番手の仕事をすることだけ考えてた。もう少し車間を切れれば残せたかもしれないけど、気持ちが嬉しかったです」
 中団を確保した西浦仙哉後位から松井英幸が2着に突っ込んだ。
 「西浦君もホームで上を走ってれば良い勝負ができたかもしれないね。でも前々の気持ちで走ってくれたので良かったです」


<8R>
金澤竜二選手
金澤竜二選手
   人気の金澤竜二(写真)の番手が大きくモツれる。これですんなりの先行になった金澤が後続を離して楽に逃げ切った。
 「僕だけになってしまいましたけどね。4番(宮司周郎)の飛び付きは想定外だったけど、落ち着いて駆けられた。しっかり踏み上がったし、軽かったですね。明日が勝負ですね。頑張ります」
 番手追い上げには失敗したが、バックからまくって出た藤野孝彦が3着をキープ。
 「僕が見えたら金澤君も踏むだろうし、追い上げを狙ってました。3車併走になって遠慮した分、番手を取れなかったけど、前が離れてきてたのでバックから行きました。まだ脚不足なのかキツかったです」
 藤野のまくりに乗って2着に入った島田竜二は「(ホームで)叩いて欲しかったけど、藤野君は上手いレースをしてくれた。よく頑張ってくれました」と笑顔を見せた。


<9R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   小嶋敬二、平原康多と順番に前に出ると、ホームから菅田壱道がカマシ先行。離れながら追った平原が直線で前団に迫ると、外を小嶋敬二(写真)が一気に伸びた。
 「康多は離れてるのに、後ろを見てるから追い付かないよと思ってた。仕掛けなかったらどうしようと思ったけどね。それでもみんな届いたからビックリした。とりあえず準決勝には行けるんで良かったです」
 小嶋の強襲に屈した平原康多だが、悔しさよりもホッとした表情を浮かべる。
 「小嶋さんを叩いてからバック踏んだところで来たので口が空いてしまいました。(シューズやセッティングを)元に戻してなかったら、追いつかなかったでしょうね。ここ1カ月ほど迷惑をかけたけど、GPに向けて色々試したかった。やっぱり元のほうが良いって感じ。良かったですよ」
 平原マークから中を割った飯嶋則之は3着で「ちょうさ賞」に。
 「平原君が脚を使って良い位置を取ってくれたおかげ。直線はコースを探して突っ込んだけど、空いてくれて良かった」


<10R>
諸橋愛選手
諸橋愛選手
   篠原忍が打鐘過ぎから主導権を奪うと、中団は村上義弘、佐々木則幸で併走に。村上義弘が佐々木をドカしてバックからまくり上げると、2カ月ぶりの勝ち星を挙げた。
 「出は良かったです。ホッとしたというか、1着が取れてなかったんでね。どこに行っても期待されてるだろうし、組み立ても特別失敗した訳じゃないのに、なかなか1着までいけなかったから。ここで取れたっていうのは一時期より状態が良くなってるってことだと思う」
 篠原マークの諸橋愛(写真)が2着をキープした。
 「思ったより地区プロの疲れが取れてましたね。アップ中から『これならイケるかな』と思ってた。篠原君は2車でも行ってくれたし、バックもかかってましたよ」
 村上の仕掛けに続けなかった山口幸二だったが、立て直して3着に食い込んだ。
 「人気に応えたかったけど、ノリ(佐々木)にしごかれる感じで付いて行けなかった。それでもノリと牧には伸び勝っているし、あそこから3着まで来たので悪くないと思う」


<11R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   岡村潤のホームガマシに遭った武田豊樹だったが、中団で立て直すと2センターからまくり追い込みでシリーズの好スタートを切った。
 「(岡村を)出さすというより、出られちゃった感じですね。バックからまくって行ける感じじゃなかったです。バンクが重かったので、出も悪かった。調子は良くないですね、まあ悪くもないけど」
 伏見俊昭(写真)がきっちり2着に食い下がって人気に応えた。
 「武田さんが行けるかどうかは心配してなかった。むしろ粘られるだろうから、そこを死守することしか考えてなかったです。(坂本健太郎は)踏み出しで遅れてる感じだったし、長引かなくて良かった。調子は変わらず、普通ですね」
 3着には岡村の逃げに乗った栗原厚司が食い込んだ。
 「潤がタイミングよく行ってくれたからね。バックで誰も見えなかったので、車間を空けたら残せるかなと思ったけどね。最後はスピードが違った。それだけ相手が強かったということですね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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