『東日本大震災被災地支援競輪 観音寺競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:11月01日


 本日、「東日本大震災被災地支援 観音寺開設61周年 ことひき賞争奪戦」の最終日・決勝戦が開催。村上義弘選手と深谷知広選手の意地と意地がぶつかり合った好レースとなりましたが、優勝を飾ったのは山口貴弘選手の捲りに乗った十文字貴信選手でした。これが実に13年振りとなる記念優勝となりました。これから上位戦線へ返り咲きとなるいいきっかけになるかもしれませんね。これからの十文字選手の走りに注目しましょう。

決勝戦 レース経過
 誘導以下、村上義弘─香川雄介─小倉竜二、海老根恵太、山口貴弘─十文字貴信、深谷知広─大塚健一郎─稲村好将の並びで周回を重ねる。青板過ぎから上昇を開始した深谷が赤板から一気にスパートすると、打鐘前から村上が突っ張り深谷を出させず先行。すると中団に入り直した大塚が深谷を迎え入れ4番手に入り直すと、最終2コーナーから捲り発進。バック過ぎには村上を捕らえるが、7番手から山口が大外を捲ってくると、山口マークの十文字が直線鋭く伸びて優勝。2着には村上ライン3番手を固めていた小倉、捲った山口が3着という結果に。
十文字貴信選手
十文字貴信選手

 鋭い差し脚で優勝を飾った十文字貴信
「13年ぶりの記念優勝ですか…。ここ数年はとにかく落車が多くて、精神的にも厳しい時期があったんですけど、諦めないで頑張ってきて良かったなと思います。この2~3年は治療やリハビリをしっかりやってきていたので、そのおかげで今シリーズはいい状態で入れたのがこの結果に繋がったんだと思います。山口君が頑張ってくれたおかげというのもありますけど、やっぱり記念優勝は嬉しいですね。これからは特別競輪の勝ち上がりに絡んでいくことを目標に頑張っていきたいですね。今は特別競輪に出られるかどうかっていう状況で、仮に出られたとしても勝ち上がりには絡めない状況なので、もう一回そういう大きな舞台で走れる様になりたいですね。だから、今回の優勝はその目標に向けていいきっかけになったので、これを弾みにというか、次に繋げていきたいと思います」

 2着は村上ライン3番手から得意のハンドル投げを披露した小倉竜二
「あそこまで行ったら抜きたかったね。ただ、4コーナーでちょっとアンコ状態になってしまっていた分、伸びきらなかったかな。でも、今日は前の2人が本当に頑張ってくれたし、展開上かなりキツいレースだったから、まあ仕方ないですよ」

 村上、深谷を相手に捲って3着と大健闘の山口貴弘
「あの2人があそこまでやりあうとは思ってなかったんですけどね。でも、ああいう展開になれば必ずスキは生まれるものだし、どんなに強い選手が相手でもチャンスはあるんだっていうことを証明できたのは良かったかなと思いますね。それに、十文字さんが優勝してくれたし、あの2人を相手に自分も3着まで入れたというのは、気持ち的にも大きいし、すごく自信になったと思います」

 4番手から捲った深谷知広だったが、結果は4着。
「出切れなかったのは組み立てが良くなかったということですね。結果的にラインに迷惑をかけてしまったので、その辺はこれからもっとしっかりしていかないといけないなと思いました。今はまだ年末のこととか考えてはいないですし、目の前の一戦一戦で自分の仕事をしていくということだけですね」

 深谷マークの大塚健一郎は5着。
「深谷を迎え入れるまでにかなりバックを踏んでいたんですけど、それがけっこうキツかったですね。でも、深谷はいいレースをしてくれたと思います。今日の村上さんなら、仮に深谷がどっから出ていったとしてもああいう展開になっていた様な気がしますね」

 最終バック6番手と好位置を確保した海老根恵太だったが捲り不発の6着。
「2コーナーで内差しちゃったのが痛かったですね。あれで、タイミングが取れなくなってしまって。思いっきり踏みたかったんですけどね。千葉記念もそうでしたけど、今回も決勝までいい流れで来ていたのに、肝心の決勝でこういうレースをしていてはダメですよね。ただ、流れ自体は確実に上向いてきていると思うので、11月、12月といい結果を残せる様に頑張っていきます」

 深谷ライン3番手を選択していた稲村好将だったが、連係崩れ7着。
「打鐘で深谷君が出切れないと思って内へ行ったのが失敗でしたね。相手が村上さんということでこれは厳しいかなと思ってしまったのがまずかったですね。あそこでしっかり付いていけば結果も違ったんでしょうけど。やっぱり、深谷君は違いますね。もったいないことをしちゃったかなと。それでも、すごくいい勉強になったことは間違いないので、今シリーズをこれからのレースにしっかりと繋げていきたいですね」

 先行・村上マークだった香川雄介は8着に終わる。
「せっかく村上が頑張ってくれたのにね。今日は完全に僕の力不足。あそこまで気迫のレースをしてくれたのに、悪いことをしてしまいました。もう、付いてるだけで脚が一杯というか、多分、先行している村上より僕の方がキツいと感じていたんじゃないですかね(苦笑)。それでも、決勝に乗れたことは収穫だったし、これをきっかけにいい流れを掴める様になるといいんですけど」

 深谷相手に意地の突っ張り先行を見せた村上義弘だったが、最後は力尽き9着。
「4・08のギアは感触的にそんなに悪くなかったので、選択としては間違ってなかったんじゃないかなと思います。今の深谷を相手にするにはレースをごちゃつかせないとしょうがない部分があるので、そういう意味では組み立てとしては正解だったんじゃないかなと思います。ただ、結果的に捲られてしまってるからね…」

ゴール





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